小南通、高校生。雨宿りにと入った雑居ビルの「るそう園」と言う喫茶店。そこにはマイルドなマスターと、やたら美味しいコーヒーが。そして風変わりな常連客も。そんな常連客達よりエキセントリックだったのが店を手伝う自分と同じ年ぐらいのマスターの娘=芹。冷徹な表情を崩さず、スッと謎を解き明かす・・・常連探偵の名刺を悪用した偽探偵の謎、無事は確認されてる行方不明少女のブログの書き込みからの居場所の特定、江戸時代の先祖が成し遂げた密室殺人の謎、ある女性が最近仲良くなった日経中国人女性の食事に誘った時の不思議な対応、決して著名ではない映画監督が残した遺言と映画ヒロインのモデルの特定・・・そんな謎に躊躇なく解を示す・・・って感じでしょうか?
小南&芹の推理パートと、それと対比したそれぞれのお話の主人公たる「大人」の後の回想がセットで各話になってる構成です。ミステリパートと物語の機微パートと言った風情で、芹達の人物像もそちら込みで膨らんでくのは良いですね。最後できれいにまとまってます。ラストのマスターの回想パート「麻雀好きの探偵、傍若無人の占い師、時代に抗う古本屋、目当てもなく何事かを探し続ける高校生、その他この雑居ビルに出入りする種々雑多な人々。人生の限られた時間を同じ屋根の下で・・・・」と言う部分がこの物語を端的に表してますね。
面白かったです。
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