ありがとうのてがみ

最近読んだ中で一押しの本を紹介します。
くりすあきら（栗栖晶）著「ありがとうのてがみ」径書房

あきらくんは異常分娩により脳性麻痺、知的障害を背負って生まれました。彼が感じるままに身近な人やテレビで見た人などに出した手紙をおかあさんの注釈付きでまとめた本です。

　　　

（ばか殿様）志村けんさんに出した手紙より・・・抜粋

しむらけんさん、こんにちわ。はじめまして。
ぼくは、せかい一はんさむな、くりすあきらです。24さいです。しょうがいしゃさぎょうしつ（障害者作業室）ではたらいています。
ぼくはしっとるが、しむらけんさんは、しらんひとから（手紙が）きたけー、びっくりしたでしょ。でもぼくは、わるい人ではない。ええ人です。みんなから、あきらくんと、いわれています。あんしんしてください。・・・（中略）

ぼくは、しむらけんさんの、およめさんになりたいくらいすきです。でも、おとこじゃけん、おとことおとこが、けっこんしたら、わらわれるけー、やめようね。でもきす（キス）したいです。・・・（中略）

しむらけんの、ばかとのさまが、大すきです。ははははー、しむらけん、ははははー、どじじゃのー、ばかじゃのー、あー、はらがいたい、はははー、おかしいのー、ところげてわらいます。・・・（中略）

ぼくんちは、ぼくと、おかあさんと、おとうさんと、ねこのひめと、あいと、くらしています。ぼくんちは、びんぼうです。ひめはうまいもんくわせー、まぐろくわせー、ともんく（文句）をたれます。おかあさんは、さんだんばら（三段腹）です。おとうさんよりつよいです。ぼくも、ふとっています。おとうさんは、やせています。えろ本が大すきです。ぼくはかくしてあるところを、しっています。

ぼくの本（ぼくはてんさいかのう）をあげるけー、よんでください。いらんというてはいけません。きゃー、あきらくんがくれたー、うれしいのー、ありがとう、というてください。
またね　大すきよ。くりすあきらより

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その後志村けんさんから返事もいただき文通友達になったようです。
彼の心のキレイさに私は笑いながら胸がいっぱいになり泣いてしまいました。