2014.9.13(土)晴れ強風(稲わらアレルギー?)
【ラジオ文芸選評】俳句兼題「霧」
俳句では霧は秋、霞は春と決まっています。
1.霧が霧押す最果ての岬かな(札幌市)
2.正直に言えず霧濃くなるばかり(南九州市)
とてもロマンチックですね。映画のシーンのようと
3.三川の出会い霧も合流す(埼玉県久喜市)
三川(さんせん)「三つの川のこと。豪快な句ですねぇ。どこの三川でしょうか?」と生電話。利根川沿いの川。通っただけなので名前は分かりません。とおちついて女性はお答えに。
4.霧の駅確かに一人降りたはず(兵庫県西宮市)
ミステリアスな句ですねぇ。自分は電車の中にいるのかと「確かに・・はず」で人間の心理のおぼつかなさが霧という季語に現れている。と
5.欄干の裸婦像濡るる霧の町(北海道北広島市)
こちらもロマンチックでエキゾチックな句ですねぇ、と。釧路市の幣舞(ぬさまい)橋4体あるそうです。
6.安曇野は昔海中(わたなか)霧深し(長野市)
安曇野は昔海の中だった。では味気がないが「わたなか」としたことでとてもよい。と。雲海は夏の季語です。と
大昔の安曇野は海だったのねぇ・・知りませんでした(^^ゞ
7.アクセルを踏んでいるはず霧の中(三重県)
とても怖い句ですねぇ。と霧の中でいろんなことを想像させるうまい句ですね
8.霧を着てレストハウスの灯のやさし(神奈川県小田原市)
安心感ほっとする句ですね。
9.霧の底押し分けひげの山男(神戸市灘区)
たかが霧なのに押し分けとは大げさですが、とても効果的ですねぇ、と。
音楽
10.霧晴れて篠山の町浮かびけり(神奈川県大磯町)
丹波篠山ですねぇと丹波栗、黒豆、霧、名産地。霧がこの産物を育てるのだそうです。と朝霧と夕霧が濃い。その湿り気がおいしい作物を育てるのだそうです。篠山と霧は切っても切れない関係です。城下町でとてもいい町ですよ。黒豆の枝豆もおいしいですよ。霧が育てています。
11.霧動き天空の城現わるる萩市(山口県萩市)
天空の城と霧動くがダイナミックでいいですねぇ。この瞬間がいいですね。こちらは下から見ている。天空の城はどこでしょうねぇ?と天空の城は兵庫県の田島の竹田城でしょうかと。
12.峠行く貨車へ夕霧濃くなりぬ(函館市)
夕霧がいいですねぇ、と。大きな地理的なところを想像させますね。
13.露天風呂誰かいるらし霧の中(大津市)
これも怖い句ですねぇ、と誰かが見えない・・そこが読み手に想像させる。いい句ですね。混浴であれば期待感もある。「いるらし」がいい。違うかもしれない(^_^;)
14.霧の世もカウベルの音鳴りやまず(神戸市北区)
「カウベル」牛につけてるベルのこと。霧の世も鳴り止まないということは、見えないが聴覚だけで描いている。カウベルの音がいいですねぇ、と。日本ではないでしょうねぇ・・と
15.霧笛鳴る酒場最後の客となり(神奈川県藤沢市)
裕次郎さんのようですねぇ。旅できたのならまたいいですねぇ、。港町を一人歩いて帰って行くのだろうなぁと。どこの港でしょうか?と生電話。残念!お留守でした。と思ったら・・横浜で「馬車ミティ」で酔いつぶれて終電もなくて・・実体験です。と。酒場のママさんが店じまいですよ。と声をかける。弊店した思い出として霧笛の音を録音しておいたものを馴染みのお客様に渡したそうです。
霧で瞬間を切り取る表現がよかったですね。
次回は「林檎」カタカナで書いて欲しくないですねぇと