はちみつブンブンのブログ(伝統・東洋医学の部屋・鍼灸・漢方・養生・江戸時代の医学・貝原益軒・本居宣長・徒然草・兼好法師)

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貝原益軒の養生訓―総論下―解説 030 (修正版)

2015-07-21 16:14:43 | 貝原益軒の養生訓 (修正版)
(原文)

酒食の気いまだ消化せざる内に臥してねぶれば、必、酒食とゞこほり、気ふさがりて病となる。いましむべし。昼は必、臥すべからず。大に元気をそこなふ。もし大につかれたらば、うしろによりかゝりてねぶるべし。もし臥さば、かたはらに人をおきて、少ねぶるべし。久しくねぶらば、人によびさまさしむべし。

日長き時も昼臥すべからず。日永き故、夜に入て、人により、もし体力つかれて早くねぶることをうれへば、晩食の後、身を労動し、歩行し、日入の時より臥して体気をやすめてよし。臥して必ねぶるべからず。ねぶれば甚害あり。久しく臥べからず。秉燭の比おきて坐すべし。かくのごとくすれば夜間体に力ありて、ねぶり早く生ぜず。もし日入の時よりふさゞるは尤よし。

養生の道は、たのむを戒しむ。わが身のつよきをたのみ、わかきをたのみ、病の少いゆるをたのむ。是皆わざはひの本也。刃のときをたのんで、かたき物をきれば、刃折る。気のつよきをたのんで、みだりに気をつかへば、気へる。脾腎のつよきをたのんで、飲食、色慾を過さば、病となる。

(解説)

 食後の消化していないうちに横になって寝てはいけない。これは今も一般的に言われているので解説しなくていいですね。『千金方』にも「食して則ち臥すは傷なり」と書かれているように昔から経験的に知られていたことです。

 昼寝をしてはいけない。これは「総論上」でも出てきました。

 「脾腎のつよきをたのんで・・・」というのは何でしょう。これは五臓六腑のうち脾の臓と腎の臓のこと。「脾胃なる者は、倉廩の官、五味焉より出る」(『素問』霊蘭秘典論)というように食べ物を受け入れる臓器であり、「脾気は口に通じる。脾和すれば則ち口は能く五穀を知るなり」(『霊枢』脈度篇)というように、食欲と味覚をつかさどる臓器でもあります。「腎なるものは、蟄を主り、封蔵も本、精の処なり」(『素問』六節蔵象論)とあるように、生殖に関係深い精を貯蔵している臓器です。それゆえ、飲食、色慾行動をおこすには脾腎の力が必要であり、もしそれが強いから、もしくは強いと思い込むことで飲食、色慾を過せば、それらの気を消耗し病になると益軒は言ったのです。

(ムガク)

(これは2011.3.16から2013.5.18までのブログの修正版です。文字化けなどまだおかしな箇所がありましたらお教えください)


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