何故本を読むのか?そこに本があるから。
図書館は私にとって大好きな場所であり、息苦しい場所でもある。
一冊の本を書くために作者は何冊の本を読み、取材を、思考の果ての苦しい時間を過ごしたのだろう。
作者の読んでもらいたいという欲望が棚いっぱいの本から溢れでているから。
お気に入りの作家の作品を選ぶときは楽しい。
知らない作家の本を手に取るとき、
読める本は限られているのに、本当にこの本でよいのか?合っているのか?楽しめるのか?
と苦しくなって、また棚に戻すことも。
それで新刊の話題作を中心に読んでしまうんだよね。
うーん。それでいいのか。
昨今の熱狂的ブームの日本画家、伊藤若冲。
鳥ばっかりみっしりの絵とか。
静岡県立美術館にも、有名な「樹花鳥獣屏風」が有りますね。
この構図、とても300年前の日本画とは思えない斬新さ。
この本の表紙の「紫陽花双鶏図」の鶏の緻密さ、気持ち悪いほど。
若冲がどんな想いで描いたのかを作品を通して、虚実を絡めた物語です。
面白いのだけど、重い。
けれど、あまり興味のなかった若冲の作品を怖いものみたさで観たくなりました。
作家さんの名前は、師匠や目上の人がその方の人と成りを鑑みて、
中国の故事より採られることが多く、興味深いです。
若冲は、「満たされているほど、むしろ空っぽにみえる」という文章の、
「むしろ空っぽ」の意味。
あの病的ともいえる、満っち満ちの絵を描く人がむしろ空っぽ!?なんて、意味深で心が飛ぶね。
「村上海賊の娘」下巻。
下巻は圧倒的にヒロインがカッコいい。
この作者は、話の途中で時代解説や人物のその後を説明してくれるので、
歴史に疎い私には有り難いのだけど、
物語の流れが寸断されたり、そんなの知ってる!な本物の方には、煩いものかも。
こちらも史実に基づいた創作なんでしょうが、ヒロイン魅力的ですね。
多分映画化するでしょ。愛媛県、瀬戸内海整えて、まってろい。
本当だけど嘘。嘘だけど本当っぽい。歴史モノだけど、現代にも通じる。共感する。
絵でも音楽でも、文学でもそういう風にできてるのかな。