いやぁ、参った、やられた~~驚いた。 ウルマンの「青春」とはまた違う、心の奥底から、熱いものが身体中に流れてきて、今もその余韻が響いています。
映画「蜜蜂と遠雷」の原作本を読むことは、音楽を言葉で表現するのは、無理ではないか・・・ しかも、国際ピアノコンクールを舞台にした挑戦者たちの話、と聞いただけで、多分頭が痛くなるだろう・・・と敬遠していたのです。 それが、映画化された、しかもかなり評判がいい・・・となると、以前観た、「羊と鋼の森」・・・若きピアノ調律師の成長物語が頭に浮かんで、映画館へ。
3年に一度開催される、若手ピアニストの登竜門として知られている国際ピアノコンクールでの4人の出場者たちを中心にした物語は、それぞれ個性と才能豊かな若者を演じる俳優の見事な演技に引き込まれ、それぞれの役割にあった実力派の若手ピアニストが演奏する楽曲に酔い、最後の亜夜の演奏シーンは圧巻としか言うことのできない素晴らしさでした~~
原作者の恩田さん曰く「・・・別にこれ、音楽の話ではないんだな・・・コミュニケーションというか、人と人との関係性。 そういう話なのだと。」
感動のうちに見終わって、その感動の中にどこか爽やかな思いを感じたのは、底辺に流れる人間に対する肯定感の温かさだったと思います。 いわばライバル関係の4人ですが、そこには自分自身の音楽の自覚があり、嫉妬や焦りなどを超えた、人間同士でなければ獲得できないもの、影響を与えられないものがあって、それぞれが成長していく・・・
この映画の監督・脚本・編集を担当された石川 慶氏は「音楽は一瞬一瞬で消えていくけれど、その消えていく音符を通して、聴いている人たちは「永遠」に触れている・・・」 原作にあって、絶対、映画にも入れたかったのが、この表現だそうです。
もう一度、観に行きたい!!
映画館の帰り道、原作を借りようと図書館に寄ったのですが、2冊とも貸出中で、予約受付をしたら、図書館員さんが恩田陸さんの大ファンで、彼女は本から入って映画を観た、と話してくれました。 文字で音楽を表現するのは難しいと思って読まなかった、と言うと『活字から音が立ち上がって来るのよ! 返却されたら、すぐに連絡するわ。』と。 彼女お薦めの恩田さんの他の本を2冊借りて帰って来ました~~ ワク、ワク (^^♪
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蛇足ながら・・・恩田陸さん、直木賞作家(第156回)であり、本屋大賞(2017年)のW受賞を果たした作家であり、数々の著書を精力的に出版し続けておられる作家・・・と、一般的に知られていますが、私にとっては、高校時代を水戸で過ごし、水戸一高では現茨城県知事と同級?同期生だった関係から茨城TVで二人の対談番組を企画放映されたことがあり、それ以来なんとなく親近感を抱いておりました~~