丁度ひと月前の今日、朝6時頃目が覚めると横に寝ているはずの夫の姿がない。 トイレにでも起きたのだろう・・・と思っていたのですが、それにしても長い・・・?? 起きてみると、暗い家の中はカーテンも雨戸も締まったままで、呼んでも返事なし・・・!! もしや、と玄関を見ると夫の黑革靴がなく、玄関の鍵が開いている・・・💦 大急ぎで着替えて、雨戸を明け、車を出してアチコチ探し回っても、見つからない・・・ いつも一緒に歩いている散歩道・・・ご近所回り・・・どこにもそれらしい人影はない・・・ 半ば諦め、ケアマネジャーさんに相談するしかないか・・・と思いつつ、家に帰る途中、時々散歩で足を延ばしていた家から2キロほどの隣町の古い町並みが残る小径に差し掛かったところで、パジャマ姿で革靴と帽子を被ってのんびり歩いている後姿を発見!! 未だ早朝の事で、人の姿もなく、スムーズに車に乗せ、家に連れて帰ることができたことに、先ずは一安心。 大事に至らなくて良かった~~ 怒ってはいけない・・・平常心、平常心・・・ と自分に言い聞かせ、何事もなかったかのように、朝食を、そしてデーに行く支度を・・
ラッキーなことに、その日のデーのお迎えは『しばらく奥さんと話をしていないから、顔を見ながらお迎えにきました~~』と、元ケアマネ出身のデーのベテラン責任者。 思わず彼の手を取り、朝の初めての徘徊デビューを報告すると、さすがプロ、じっくり穏やかな表情で状況を聞いてくれ、そのうちこちらも段々落ち着いてきて・・・ 夫はそんなことはすっかり忘れ、ニコニコ顔で送迎車に乗りこんでいる。
そして、その日の午後は、これもラッキーなことに月に1度の「介護者の集い」の日。 一人で問題を抱え込まずに、吐き出すことで気が楽に。 『遂にデビューか~~ 奥さんに付ききりだと聞いていたから、その手の心配はないと思っていたけど、やっと自立したんだな~~』なんて冗談を言いながら、家の鍵の事や、門扉の施錠などについて具体的なアドバイスをしてくれ、市の包括センターの担当者からは、市と警察が連携して対処してくれる組織ができているので、安心のために、それに登録した方がよい、と登録用紙を渡されて帰って来ました。
包括センターでお世話になっている担当者の『ご主人きっと、どこかに行きたかったのね。』との温かな言葉にグッと胸が詰まる思いがしました。 一番辛いのは本人なのかもしれない・・・と。
あれから1か月、鍵かけなどで神経を使っていますが、ほぼ平穏な日が続いています。 その日その日が無事で過ぎていくことの有難さを感じながら、その中で許された自由を精一杯満喫していこうと思っています・・・
★ ★ ★ ★ ★
見出し絵は、星野富弘さんの11月のカレンダーの絵。 「隣の芝生・・・」と同じようですが、こちらの方が深い気がします。