駄楽器駄日記(ドラム、パーカッション)

ロッキンローラーの打楽器日記

スティ-ビー・ワンダー メイキング・オブ・キー・オブ・ライフ(続)

2006年10月07日 | オールドミュージック
DVDを見ていると、やはり「キー・オブ・ライフ」のアルバムを最初から順番に聞きたくなってきます。
このアルバムはLP版を持っていたのですが、数年前の引越しの際に全て処分してしまい、カセットしか残っていない。しかも、その大量のカセットの段ボール箱は実家の押入れの中だ。。。
昔の自分の音楽の聴き方は、LPを買うとカセットテープにダビングして、主に車で聞いたりウォークマンやカセットデッキで聞くことが多かったというわけで。
LPって袋から出したりひっくり返したりが面倒くさいっす。

てことで、CDショップに走って今更ながらですが懐かしいアルバムを購入したのです。
帰りの車の中でCDをかけて聞いたんだけど、とにかく懐かしく、そして、やはり凄いクオリティでした。
スティービー26歳の、人生を全て捧げたと言うアルバム。しかしその若さでこの品質って、やっぱし天才。
今回DVDを見ながら、頭から「?」が溢れてしまったので、解説やミュージシャンのクレジットを見たくてたまらず、家に着くなり早速CDの中の解説を読んでみた。
すると、ドラマーはレイモンド・パウンズただ一人がクレジットされている。
アルバムを聞いて最初にレイモンドのドラムが聞ける曲が、「コンチュージョン(負傷)」。
フュージョンサウンドは当時凄い勢いで流行っていたが、マハビシュヌ・オーケストラやジェフ・ベックのアルバム「ブロウ・バイ・ブロウ」に影響されていたといわれる曲「コンチュージョン(負傷)」で、レイモンド・パウンズは渋く切れのいいドラムを叩いている。実はオレ、このドラムもスティービーが叩いていると思い込んでいたんだ。ああ~。

曲によっては、スティービーしかクレジットされていないので、その場合は全て彼一人で演奏しているということだが、何と、クレジットが間違っているという曲があった。「アイ・ウィッシュ(回想)」では、レイモンドが叩いたことになっているが、スティービーが「実はオレが叩いたんだぜ」みたいなことをDVDで語っている。へ~って感じなんだけど、DVDではスティービーが実際にドラムを叩く映像を見ることができて嬉しい。彼のドラミングって、一言で表現するならば、「自由」です。誰にも邪魔されないビートを奏でるのです。しかも、レコーディングの順序が、まず先に自身のキーボードと歌入れを行ってから、ドラムをかぶせていくんだそうな。ひえ~、ワシら凡人のレコーディングと比べると信じられんですな。
ま、何といっても天才ボーカリスト、天才アレンジャーであり天才ドラマーということなんでね。天は二物を与えるのだ。クヤシ~ッ!

彼のドラムソロをステージで見ることはあまりできないそうだ。
でも、オレはいつだったかTVで見たことがあるぞ。
確かブルーのパールのドラムキットだった気がする。タムはシングルヘッドタムで2つ、フロアタムと3点だった。
曲中、ステージ中央に瞬間でドラムが組まれ、スティービーがキーボードからステージに手を引かれて歩いてドラムセットに座ると、瞬く間にバネの効いた凄いリズムを叩き出した。
テンポとかあまり関係なく自由に、豪快に、あの例によって首を大きく左右に振りながら、野性的なドラムソロだった。

一方、レイモンドの「サー・デューク(愛するデューク)」を演奏する映像も素晴らしい。DVDに映る1996年のスタジオは、ドラムセットがヤマハの9000Rだ。色はウグイス色というのか、当時も珍しい色だ。おう、確かにこんなのあったよなー、って色だ。
そのドラムを、レギュラーグリップで軽やかに叩いている。いい感じだ。
サー・デュークの後半のサビの繰り返し部分で、素晴らしい6連符でのタムロールを聞いて欲しい。
すごく攻撃的で、しかも自然に曲に馴染んでいる。バネの効いた黒人ドラマーらしいフレーズだ。
ドラマーはスティービーだと思い込んでいたけどね。
レイモンド・パウンズは、「キー・オブ・ライフ」以降、次々といい仕事のオファーがあったのだと思う。主にJAZZ、ファンク、ラテン等で活躍していて、著名なミュージシャンのアルバムにも参加しているようだ。
テクニシャンでもあり、豊富なアイデアとセンスの持ち主だから人気が出ても当然でしょう。人柄も良さそうで、DVDにみんなで輪になって話すシーンがあるけれど、無口で口下手だけど、真面目な人だな~って思える。
なんだか、オレの目からうろこがぽろっと落ちて、すごく気になって仕方がないドラマーだ。

(もうちょい続いてもいい?)

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