10月10日(火) 本日のJOG&Walking=休む
サテサテ、また懐かしのニッポン昭和ロックのコーナーとしましょう。今回は「四人囃子」のデビューアルバム『一触即発』(1974年6月発表)であります。
今回のCDは、これにボーナストラックとして75年に発表されたシングル曲「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」と「ブエンディア」の2曲を追加されたものを入手して、改めてじっくりと聴きました。
自分は、高校生の時にこのLPレコード盤(シングル曲の入っていないやつ)で、「ジャパニーズ・プログレッシブ・ロック」というものを初めて知ることになった。その後、高校を出てから独身寮に入って以来、殆ど聞くことはなかった。当時レコード派からカセット派に変わったんだけど、カセットもどこに行ってしまったかわからない。今にして思うと、たぶんプログレというジャンルが難しく感じて、ストレートな8ビートロックが好きなドラマーとしてさほど引き込まれなかったんだろう。それでも森園勝敏さんの凄腕ギターはやはり気になって、のちに参加される「プリズム」も聴いたし、前に紹介した「山内テツとグッドタイムロールバンド」のライブ盤でのプレイも好きだった。
そんなわけで、40数年聴いていないのだが、改めてこのアルバムを通して聴くうちにいろいろと思い出した。まずはレコードジャケットのナマケモノのイラスト。最初は「こんなんだったかな?」と思ったものの、CDを再生すると音と一緒にこのジャケットが甦ってくる気がした。そして演奏自体は難易度が高いが、森園さんの歌声と聞き取りやすい歌詞がとても耳に馴染んで好きだったことも思い出す。
まずアルバムの1曲目、インスト曲の [hΛmaebeθ]は、「なんじゃこの記号は?」って思ったはずだし今回も思ったが、これで「ハマベス」と読むのを今知った。当時は謎のままだったんだと思う(笑)。すごいテクニックの持ち主であるドラムの岡井大二さんは森園さんと高校の同級生で、四人囃子を組んだ時にはリーダーとしてだったことも今になって知った。オレは何も知らないままぼーっとして聴いていたんだ。。。
2曲目の「空と雲」で、そうだこれこれという感じで、当時歌詞と歌声が好きだなって思っていたことを思い出した。歌詞は末松康生さん作でした。
3曲目の「おまつり(やっぱりおまつりのある街へ行ったら泣いてしまった)」もそうで、曲を聴いて演奏も素晴らしいんだが、それ以上に歌と歌詞ががいいんだよなって改めて思い出す。長い曲で11分以上あり、後半からは盛り上がってドラムが唸りまくる。ぜひヘッドホンで聞いてほしいが、白熱した演奏でドラムの音が凄くいい。特にバスドラとタム。終盤のコンガはなんと頭脳警察の石塚俊明さんがゲストで叩いているそうだ。
4曲目の「一触即発」が始まるとまた違って、歌詞カードを見ないと聞き取り切れないところがあり、歌よりも演奏力の凄さが先に来るのだった。岡井さんのドラミングはより激しくより速く、オレの欲しい「変にエフェクトされていないスネアサウンド」で畳みかけてくれて、本当に大好きなんだが、高校生当時のオレにはここまで感じ取れなかったんだなと思う。途中ブレイクするところは、プログレというよりもディープ・パープルとか、当時沖縄で活躍していた「紫」を彷彿とさせる。
本当にレベルの高いこのアルバムが半世紀も前の作品だと、改めて聴いて信じられないぐらいの作品だ。