富家の伝承には「大和や紀伊は出雲の分国」とある。
出雲王朝は北九州から新潟にいたる地域を領有していたのである。
オオクニヌシは古代出雲において重要な存在ではなかった。
出雲大社が杵築(きつき)へ移ったのは、霊亀二年(716)のことで、それまでは熊野にありクナトノ大神を祀っていた。
クナトノ大神は、岐神(ふなと)、来名戸之祖神(くなとさえのかみ)、衡立船戸神(つきたてふなとかみ)、八衢神(やちまた)、久那斗神などと書く。
天孫族も、この神は畏敬しており、常磐国などの東国は、この神が開拓したもので、香取神宮の主祭神(普都大神)ともなっている。
富家の伝承に「女の神」はあるが、アマテラスは無い。
天皇家でも古くは祀ってはいなかった。
「延喜神名式」によると、タカミムスビ・カミムスビ・タマツムスビ・イクムスビ・タルムスビ・オホミヤノメ・ミケツカミ・コトシロヌシである。
天皇家の氏神、守護神は所謂ムスビ系の神のようだ。
アマテラスに当てはまる神社は、いくつかあるがいずれも男性神で、女神のアマテラスは存在しなかった。
「大和国城下郡:鏡作坐天照御魂神社」・「城上郡:他田坐天照御魂神社」
「山城国葛野郡木島坐天照御魂神社」・「久世郡:水主神社十座の中に水主坐天照御魂神社」
「摂津国嶋下郡:新屋坐天照御魂神社」・「丹波国天田郡:天照玉神社」・「播磨国:揖保坐天照神社」
「対馬国下県郡:阿麻氏留(あまてる)神社」
これらは男性神で伊勢の女神アマテラスとは関係ない。
対馬のアマテル神社(祭神:アメノヒタマノ命)を除き、ほとんどが尾張氏およびその同族とされる丹波氏の祖神を祀っている。
祭神は、アマテルクニテルヒコアメノホアカリクシタマニギハヤヒノ命です。
ニギハヤヒは出雲神族のナガスネ彦の妹トミヤ姫を妻とし、物部氏の祖ウマシマジをもうけたことになっているが、富家の伝承には登場しない。
ニギハヤヒは尾張氏の祖神で、物部氏とは無関係なのだ。
物部神社の主祭神もニギハヤヒではなく、ウマシマジである。
つまり、ここではアマテラスなどという女神は存在しないとしている。
四千年前の戦いが今も続く
出雲の旧家で国ゆずりを単なる伝説とか、作り上げられたものと考える家は一軒もない。
出雲神族の富家はアメノホヒノ命の後裔の国造家(北島、千家)、神魂神社宮司の秋上家とは婚姻関係を結び、形の上では、同族になっている。
しかし、秋上氏の口から千家氏に対する怨念の言葉が洩れるなど、いまだに対抗意識をもっている。
一般の人にはわからない血の争いが今でもあるのでしょうね。
この本の著者がクナト大神をを祀る出雲井神社に行こうと大社の社務所で道を尋ねたそうです。
ところが、なかなか教えてくれなく、うさん臭そうにこちらの顔を眺めながら「なぜ、そんなところに行くんですか? 小さな社がポツンと立っているだけで、なんにもありませんよ。」と言われたそうだ。
道順を聞きだすのに五、六分も押し問答をしたそうだ。 (今は、この本を読んでるでしょうからそれは無いかも知れませんね。)
社家では出雲井神社(土地ではサイの神さんと呼ぶ)と聞いただけで神経をピリピリさせるという。
社家にとって出雲井神社を訪れる者は危険人物なのであろう。と云ってる。
言い換えれば、クナトノ大神が出雲神族の大祖神であった証明なのかも知れない。
※アメノホヒノ命=天孫族の先発隊
「出雲国風土記」にヤマタノ大蛇や国ゆずりの話がないことに関しても、富氏は明解を与えてくれた。
「敗れた記録を残した者はいない、それらは怨念の歴史として口から口へと語り継がれるものだ。
風土記はアメノホヒの後裔の出雲臣広嶋がまとめたのだが、われわれの祖先が敗残の記は載せさせないように圧力をかけたのだ。
日本の歴史学は風土記に神宝事件も記されていないのにこれを問題にする人はいない。
7話へ
出雲王朝は北九州から新潟にいたる地域を領有していたのである。
オオクニヌシは古代出雲において重要な存在ではなかった。
出雲大社が杵築(きつき)へ移ったのは、霊亀二年(716)のことで、それまでは熊野にありクナトノ大神を祀っていた。
クナトノ大神は、岐神(ふなと)、来名戸之祖神(くなとさえのかみ)、衡立船戸神(つきたてふなとかみ)、八衢神(やちまた)、久那斗神などと書く。
天孫族も、この神は畏敬しており、常磐国などの東国は、この神が開拓したもので、香取神宮の主祭神(普都大神)ともなっている。
富家の伝承に「女の神」はあるが、アマテラスは無い。
天皇家でも古くは祀ってはいなかった。
「延喜神名式」によると、タカミムスビ・カミムスビ・タマツムスビ・イクムスビ・タルムスビ・オホミヤノメ・ミケツカミ・コトシロヌシである。
天皇家の氏神、守護神は所謂ムスビ系の神のようだ。
アマテラスに当てはまる神社は、いくつかあるがいずれも男性神で、女神のアマテラスは存在しなかった。
「大和国城下郡:鏡作坐天照御魂神社」・「城上郡:他田坐天照御魂神社」
「山城国葛野郡木島坐天照御魂神社」・「久世郡:水主神社十座の中に水主坐天照御魂神社」
「摂津国嶋下郡:新屋坐天照御魂神社」・「丹波国天田郡:天照玉神社」・「播磨国:揖保坐天照神社」
「対馬国下県郡:阿麻氏留(あまてる)神社」
これらは男性神で伊勢の女神アマテラスとは関係ない。
対馬のアマテル神社(祭神:アメノヒタマノ命)を除き、ほとんどが尾張氏およびその同族とされる丹波氏の祖神を祀っている。
祭神は、アマテルクニテルヒコアメノホアカリクシタマニギハヤヒノ命です。
ニギハヤヒは出雲神族のナガスネ彦の妹トミヤ姫を妻とし、物部氏の祖ウマシマジをもうけたことになっているが、富家の伝承には登場しない。
ニギハヤヒは尾張氏の祖神で、物部氏とは無関係なのだ。
物部神社の主祭神もニギハヤヒではなく、ウマシマジである。
つまり、ここではアマテラスなどという女神は存在しないとしている。
四千年前の戦いが今も続く
出雲の旧家で国ゆずりを単なる伝説とか、作り上げられたものと考える家は一軒もない。
出雲神族の富家はアメノホヒノ命の後裔の国造家(北島、千家)、神魂神社宮司の秋上家とは婚姻関係を結び、形の上では、同族になっている。
しかし、秋上氏の口から千家氏に対する怨念の言葉が洩れるなど、いまだに対抗意識をもっている。
一般の人にはわからない血の争いが今でもあるのでしょうね。
この本の著者がクナト大神をを祀る出雲井神社に行こうと大社の社務所で道を尋ねたそうです。
ところが、なかなか教えてくれなく、うさん臭そうにこちらの顔を眺めながら「なぜ、そんなところに行くんですか? 小さな社がポツンと立っているだけで、なんにもありませんよ。」と言われたそうだ。
道順を聞きだすのに五、六分も押し問答をしたそうだ。 (今は、この本を読んでるでしょうからそれは無いかも知れませんね。)
社家では出雲井神社(土地ではサイの神さんと呼ぶ)と聞いただけで神経をピリピリさせるという。
社家にとって出雲井神社を訪れる者は危険人物なのであろう。と云ってる。
言い換えれば、クナトノ大神が出雲神族の大祖神であった証明なのかも知れない。
※アメノホヒノ命=天孫族の先発隊
「出雲国風土記」にヤマタノ大蛇や国ゆずりの話がないことに関しても、富氏は明解を与えてくれた。
「敗れた記録を残した者はいない、それらは怨念の歴史として口から口へと語り継がれるものだ。
風土記はアメノホヒの後裔の出雲臣広嶋がまとめたのだが、われわれの祖先が敗残の記は載せさせないように圧力をかけたのだ。
日本の歴史学は風土記に神宝事件も記されていないのにこれを問題にする人はいない。
7話へ
お見舞いを。
益々興味深い話になってきましたねぇ
上田正明「日本の神話」角川文庫 を読もうと思って探しているところです。
早期カムバックを待ってますヨ
熊野とあるのは
八雲のですよね
面白いですね
乏しい知識ではありますが、この前半部分はある程度知っておりましたが、天照はないとの事。やはり知っている事が体系整理されていないのでしょうね。そう信じ込んでおりました。
「古事記」「日本書紀」だけけではこの時代の検証は出来ないということなのでしょうね。
お体いかがでしょうか。
心配しておりました。
片足だけにしておきますが、他の著者の本も気になりますね。
もう一冊、出雲の本がありましたが、これは大したことは無いと思い、途中でやめました。
元気なうちに行きたいですね。
古事記はまだ日本語(漢字)も曖昧な時代
解釈次第で歴史が変わるのです。
仕方がありませんね。
文化は遅れていましたからね。
ここを、明らかにするのは難しいですね。
いろんな説を楽しむのもありかも知れません。
よく知ってましたね。
二人の著者の本では、天照はおかざりの神さまに見えてきます。
若いですね~
年がたてば貫禄がでますね。
また記事が自分の思っていた事と逆なので個人的な感想として入れておきます。
ニギヤハヒが物部氏でウマシマジが尾張氏だと思っていたので逆でびっくりしました。
肝心の神社の事が入ってこないのですが、ひとまずこれだけ入れておきますね。ニギハヤヒとウマシマジも違うルーツに思うんですよね。
クナトの神と接点があるのも初期尾張氏だと思うんですよね。 今の時点ですけど。今後また振り返りこちらへ戻りますね。8361
自分もほぼそのま記載していますが、本の中に、間違いなく偽書とされた部分もあり、そこは削除して書きました。
吉田大洋氏は昭和10年満州生まれです。
時代とともに歴史は変わって行きますし・・・・というか歴史が変わっているのでは無く解釈が変わってきているのでしょうね。 真実は一つなわけですから。
最近感じているのですが、チョット古い歴史書を買って読むと現在の解釈と変わっているのが分かります。
難しいですね。
このぺーじに、伊勢のアマテラスは女神としていますが、今は色々論議されているようです。男神なのか女神なのか?
ニギハヤヒ=物部氏が正しいと思いますよ。
現在の歴史家はそのように判断しています」。