絵のタイトルは、「夕雲燃ゆ」です。
仕事帰りに、信号で止まった時見た夕日です。
寒さに耐えるために歩き続け、氷原に出た。
砂浜の端に小屋をみつけた。
ボートの下に潜り込みテントをかぶり、ウイスキーを流し込む。
眠られるかなと、寝袋に足を突っ込み丸まった。
春先の3時も5時も変わらない。
棒を持った青年団がやってきた。
小屋の外に置いてあるボートを一艘盗んでいった。
一時間くらいはまどろんだ。
あちこちにボートが浮かんでいるのが見えた。
わかさぎを釣っていた。
地図を広げ、河口湖と知った。
今日のタイトルは、「夜明け前」です。
30Kgの荷物を背負い、毎日30Kmの裏東海道を歩き続けた。
使えるお金は、一日500円と決めていた。
乾燥野菜と糒(ほしい)だけの食糧で、2週間の旅をした。
大学2年生の単なる挑戦でした。
大学を休学した。
どこに逃げても、夜明け前は忙しかった。
泪橋の交差点にあった酒屋で、仕事にあぶれた男たちに、一杯110円の酒を売った。
阿蘇外輪山の牧場で、乳を搾った。
答えは見つからなかった。
頭を丸め、退学をせまった教授に頭を下げゼミに入れてもらった。
付属の試作工場の鍵を預かり、技官が来るまでに掃除をし水を撒いた。
そうして、何も学ばないまま卒業した。
歳を重ねて、夜明け前に起きだす。
やりきれない気持ちを文章に仕上げ、一日が始まる。
申し訳ないと、朝ご飯を作り始める。
何も変わらない。
2024年10月30日
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