故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

夜明け前

2024-10-30 07:00:50 | よもやま話

絵のタイトルは、「夕雲燃ゆ」です。
仕事帰りに、信号で止まった時見た夕日です。


寒さに耐えるために歩き続け、氷原に出た。
砂浜の端に小屋をみつけた。
ボートの下に潜り込みテントをかぶり、ウイスキーを流し込む。
眠られるかなと、寝袋に足を突っ込み丸まった。
春先の3時も5時も変わらない。

棒を持った青年団がやってきた。
小屋の外に置いてあるボートを一艘盗んでいった。
一時間くらいはまどろんだ。
あちこちにボートが浮かんでいるのが見えた。
わかさぎを釣っていた。
地図を広げ、河口湖と知った。

今日のタイトルは、「夜明け前」です。
30Kgの荷物を背負い、毎日30Kmの裏東海道を歩き続けた。
使えるお金は、一日500円と決めていた。
乾燥野菜と糒(ほしい)だけの食糧で、2週間の旅をした。
大学2年生の単なる挑戦でした。

大学を休学した。
どこに逃げても、夜明け前は忙しかった。
泪橋の交差点にあった酒屋で、仕事にあぶれた男たちに、一杯110円の酒を売った。
阿蘇外輪山の牧場で、乳を搾った。
答えは見つからなかった。
頭を丸め、退学をせまった教授に頭を下げゼミに入れてもらった。
付属の試作工場の鍵を預かり、技官が来るまでに掃除をし水を撒いた。
そうして、何も学ばないまま卒業した。

歳を重ねて、夜明け前に起きだす。
やりきれない気持ちを文章に仕上げ、一日が始まる。
申し訳ないと、朝ご飯を作り始める。
何も変わらない。

2024年10月30日
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« あんたと一緒の墓に入らない | トップ | ダウンサイジング »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

よもやま話」カテゴリの最新記事