絵のタイトルは、「陽は昇る」です。
できるじゃろうかと、細々と続ける営みです。
公平に当たる太陽の恵みを分け合って、私たちは生き続けてきました。
友人が膝を悪くした。
人工関節を入れた片方だけで歩いている。
草を刈ってくれないかと頼まれた。
妻は電気柵の下を刈り、私は畑全体の草を刈り電気柵を修理した。
友人が切っていたすももの枝を軽トラに積み、90歳超の老人の畑に持ち込んだ。
枯れた枝を燃やし、暖を取る。
今日のタイトルは、「物が行ったり来たり(Part2)」です。
終わったよと友人に電話をする。
さっそく点検した友人が、伐っておいた枝がないがどうしたのかと聞く。
これこれだと答える。
後で寄れと言われ、猟師もする友人に猪肉をごちそうになり、正月用の1パックをいただいた。
後日、知り合いの猟師からたくさんの鰯(猪肉の返礼品)をもらったから取りに来いと電話があった。
バケツ一杯の鰯を持ち帰り近所に配った。
まだまだ余りがあるので、目刺し、刺身(計量用スプーンで身を削ぎ落す)、頭を取って天ぷら用にした。
秋田から糯米(10Kg)、茸(大きななめこ)、りんごが届いた。
春には、山菜をいただいた。
何を送ろうかと、妻と相談する。
鰯の加工品と正月用の猪肉(1パック)を冷凍パックにした。
福島産のりんご(B級品)で作ったアップルパイとパンに、管理依頼されてる畑で採れたレモンを足した。
妻の実家でとれた広島蜜柑(熟した早生)も足した。
現役時代に自ら図面を引き、建設した製粉工場で加工した小麦粉(強力粉)をネットで安く買った。
南の物を、美味しいうちに北に送る。
北から届いた物を、新鮮なうちに南の者で分ける。
元はと正せば、草刈の勤労奉仕だけです。
互いの贈り物は、そこでは容易に手に入り、いずれは余る(されど貴重な)ものです。
瀬戸内の小エビは頭ごと食べられる、持山で採れた茸はこうすれば美味しいと妻同志が情報交換をする。
お中元、お歳暮と現役時代のようにはいかない。
無用のよう(他人の畑の草刈り)に使う体力と、有り余る時間が解決してくれる。
閉じた世間が、余りものの使い方一つで広がり、そして繋がる。
2024年12月28日
(あとがき)
2023年12月11日投稿記事、「物が行ったり来たり」では、
「娘に送った野菜を、義理の両親に分けるねと優しい。
いや、やめたほうがよい。
お前たちには遠慮がないから、B級品を送っている。
食べておいしかったら、あげてねとアドバイスした。
娘は一瞬驚いたようで、気を取り戻し笑った。」
(記事より抜粋)
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