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隕石襲来
1996年に東京で日本スペースガード協会設立総会が開かれた。これは地球に接近する危険な物体を調査するネットワークを構築しようというもので、同じく1996年3月イタリアのローマでも各国の世界的に権威のある天文学者が集結し、国際スペースガード財団(International Spaceguard Foundaion)が設立された。さらにNASA内部にも小惑星探査機関「ニート(Near Earth Asteroid Tracking)」と呼ばれる組織も作られていた。
同時期にこのような機関が続々と誕生したのは4年前のシューメーカー・レビー第9彗星の木星への衝突から、地球においての同様の危機を憂慮してのことである。
ハワイのケック天文台(W.M.KECK OBSERVATORY)では7番目の衝突で起きた高さ1600㎞の火柱をとらえていた。この衝撃によって木星にできた波紋の大きさはほぼ地球と同じ大きさだという。つまりもし地球に衝突していたら、地球は木っ端微塵だという。そのような懸念から研究機関が続々と誕生したのである。 ニートが設立された1年だけでも危険な小惑星がいくつか発見された。アメリカアリゾナ州のメテオクレーター(METEOR CRATER)直径1・2㎞深さ170mものこの巨大なクレーターは5万年前、直径50mの隕石衝突によるものと推定されている。つまりクレーターの大きさは衝突した隕石の20~30倍もの穴を作り出すパワーを秘めている。
現在、地球上に確認されているクレーターの数は100個以上。その中でも世界最大のそれはメキシコユカタン半島のもので直径200㎞~300㎞にも及び、6500万年前にできた最大のクレーターである。
もしこの規模の隕石が日本に衝突した場合どうなるか。この規模のクレーターをを作り出すのは直径10㎞ほどの隕石である。東京の中心部に落ちたとすると水戸市(茨城県)、前橋市(群馬県)、富士市(静岡県)がすっぽりと入ってしまうのである。当然この範囲は地殻がふき飛ばされ、巨大な穴があき、地中からマントルがふき出し、すべての都市は跡方もなくふき飛んでしまうのである。
そればかりではない。その衝撃は莫大なエネルギーを放ち大地をふき飛ばす。大量に発生した粉塵は成層圏に達し、地球全体を覆い尽くす。太陽光を遮られ、氷点下の氷の世界となってしまい、地上の生物の65㌫は死滅してしまう。その後大量に発生した二酸化炭素が温室効果をもたらし、衝突時の冬から突如高温にさらされる。これによって残りの生物もほとんど死滅してしまう。
現在地球にとって危険な小惑星は約6000個あるという。最大のものは直径23㎞、433エロス(433EROS)という。地球防衛に関する国際会議報告書ではいくつかの対策案があげられていた。
①太陽熱収集器で小惑星を加熱し、蒸気によって軌道を変える
②網の目に弾丸をはりめぐらせた巨大ロケットを超高速であて粉々にする
③核爆弾を小惑星の中心部に打ち込み一瞬にして爆破する
とくに③は核兵器保有につながるため疑問視されている。
このように様々な障害があるために防衛策は確立されていない。現在の研究によると人類を滅亡させるような小惑星が地球に衝突するような確立は10万年に1度と言われている。しかし、小惑星の軌道が決定されない限りいつ衝突するか明確にはいえない。近い将来、小惑星の軌道が変わって地球に向かって来ることも十分に考えられる。
地球を脅かすのは何も隕石ばかりではない。人工衛星の破片なども問題化している。
地球の回りを飛んでいるほとんどの人工衛星は地球の引力によって次第に引き寄せられ、落ちてくるという。事前に予測し、機体を回転させたり、遠隔推進機の噴射によって軌道を変え、被害を回避できなくはないが、噴射のタイミング1秒早いだけで落下地点が数千㎞のびる。大気圏に突入すると大気との摩擦によって空中で分解する。500個もの破片にもなる。大きさにもよるが、スカイラブのそれは長さ1300㎞、幅160㎞にも及んだ。破片の重さは1㎏~2・5㌧。 安全なはずの人工衛星が再び地球に落ちてくるのはなぜか。地上から36000㎞にある人工衛星は落ちて来ないが、高度数千㎞以下の人工衛星は必ず地球に落ちて来るという。人工衛星は高度500㎞のところで飛んでいるそれは時速36000㎞にも及ぶ。この場合人工衛星には遠心力と地球の引力との2つの力が働き、ロケットエンジンなどの推進力のない人工衛星が宇宙空間に漂っていられるのは遠心力と引力がつり合っているからである。それが落ちて来るのは高度500㎞の上空にも地表の1兆分の1の
空気が存在し、普通の大きさの人工衛星には0・5㌘の抵抗が生じる。これは1年間に人工衛星の速度を時速300㎞減速させる。ということは遠心力が減少し、引力によって地球に引き寄せられる。計算によると地上500kmで打ち上げられた人工衛星はおよそ5年で落下する。ちなみに今打ち上げられている人工衛星の80㌫は落ちて来るという。落下途中にほとんどの人工衛星は大気との摩擦によって焼失する。この時完全に燃えつきないものが人工衛星の落下事故になるのである。
皮肉なことに人類が作り出した最先端の技術が人類の新たなる脅威となってしまったのである。
その人工衛星を監視するために1994年3月にアメリカで大気圏外管制部(SPACE CONTROL CENTER)が設立された。世界各国の13台のレーダーと、4つの巨大望遠鏡からの情報をもとに24時間対制で地球の大気圏外を監視することにあった。さらに人類が作り出した宇宙のゴミをも監視しているのである。この宇宙のゴミのことをスペースデブリ(SPACE DEBRI)という。世界中に配置されたレーダーシステムで地上150㎞から36000㎞までにあるスペースデブリを24時間体制で監視している。大気圏外レーダーシステムによって追跡されたスペースデブリ数は8600個にもなる。最小追跡範囲は10㌢㍍まで可能である。
スペースデブリの発生パターンであるが
①人工衛星の使い捨て。現在地球の軌道にある人工衛星は約2300機。そのうち95㌫の約2200機が寿命が尽きたか故障で使用不可能となり、放置
②ロケットの切り離し。人工衛星はロケットで打ち上げられているが、ロケットは何段にも重ねられた構造になっているが、燃料がなくなったロケットを切り離していく。切り離されたロケットはそのままスペースデブリと化す。また捨てられたそれの燃料と酸素が残っていることがある。やがてこの二つ混ざり合い、爆発をおこすとさらに細かい数え切れないほどの金属の破片がスペースデブリとなる
③宇宙飛行士が船外活動をしている時に小さなホコリや機体の塗料がスペース
デブリとなる。機体のボルトなども危険なデブリとなる。このような小さなものまでも監視しなくてはならないのは時速数万㎞というスピードで飛行しているスペースシャトルから飛び出したデブリも同様のスピードで飛行し続けるのである。
件のデブリが他の人工衛星や宇宙飛行士らに衝突した際には大変な事故になってしまう。現にスペースデブリからスペースシャトルを救った例がいくつかある。
一方世界各国が共同開発している宇宙計画があった。国際宇宙ステーション(INTERNATIONAL SPACESTATION)である。完成は2003年。これの宇宙ゴミ対策はどうなっているのか。10㌢㍍以上のデブリについてはレーダーで監視しているので宇宙ステーションの軌道を変えることで回避できる。1㌢㍍以下の宇宙ゴミは外壁を特殊構造(特殊バンパーシールド)にすることで回避できるという。問題となるのは1~10㌢㍍の中規模のデブリである。レーダーでとらえることは不可能。
先のバンパーシールドは貫通してしまう。さらに船
外活動中の宇宙飛行士とっても最も脅威となるのは1㎜クラスのデブリである。これは宇宙に無数にあり、宇宙服を直撃したら大変なことになる。宇宙服内の気圧が下がり0になると自分の体温で体内の血液・水分が蒸発し、またたくまに宇宙飛行士は、ミイラ化してしまう。
宇宙空間の広さから考えると宇宙ゴミが当たる確率は非常に低いというが危険であることは否めない。だが、現在のところ小さなデブリについてはこれといった対策がなされていない。
というよりも、スペースデブリを回避する安全対策はまだ技術が追いついていないのが現状。
スペースデブリが増えるとデブリ同士が衝突しその数が際限なく増える。これによって地球はデブリの雲に覆われ、人類は宇宙に飛び出せなくなる。
さらにずさんな宇宙計画がひきおこした深刻な問題がある。たとえば1996年11月16日、ロシアの火星探査機「マース96(MARS 96)」が打ち上げられた。打ち上げから1時間37分後、4段目のロケットエンジンの点火に失敗した。
地球からの軌道修正もきかず、地球圏から脱出できなくなった。それは地球の引力によって引き寄せられ、徐々に高度を下げて行った。墜落が避けられない状態になったが、マース96の動力源にはプルトニウム電池が搭載されていた。それは35㎜のフィルムケース大の大きさで中にはプルトニウム238が50㌘入っていた。このプルトニウム238は人体に対して恐るべき毒性を持っている。プルトニウムが落下の衝撃によって大気中に放出されると、人間の肺にプルトニウムが沈着し、集中被爆することになる。
1996年11月17日、マース96をアメリカの大気圏外管制部が捕らえた。コンピュータにより軌道を計算するとオーストラリア中東部に落下する可能性が強いと判明。アメリカのクリントン大統領はオーストラリアのハワード首相にホットラインで連絡を入れ、放射性物質処理チームを含む緊急対応部隊を警戒態勢につかせた。ところが同日8時34分には突如オーストラリア国防省非常事態管理局が会見を開き、マース96はチリ起き1000kmの南太平洋に落下したと公式発表があった。
ところが実際は16日に太平洋上空で爆発しており、その破片が800㎞離れたボリビアとの国境、アンデス山脈まで飛んできたという事実が明らかになった。
1996年11月29日、アメリカ合衆国空域司令部が前回の発表を訂正した。マース96の破片が落下したのは11月17日だけではなくほとんどは16日、その残骸は太平洋、チリ、ボリビアにまたがる320㎞に及ぶ広範囲に落下したと発表した。プルトニウム電池は粉々になり、チリ北部に放射性物質がばらまかれたという。件の合衆国空域司令部によるとマース96の残骸はどこに残っているのか全く見当がつかないという。
それに対してロシア宇宙局によればプルトニウム電池はどのような衝撃を受けても中のプルトニウムが飛び出すことはなく安全と主張している。チリ(CHILE)政府は国際法に基づきプルトニウム電池を回収することを求めているがロシア政府の回答はない。今なお、プルトニウム電池の行方はわかっていない。
現在宇宙空間を飛んでいる人工衛星だが、技術開発衛星910機、科学衛星182機、通信放送衛星472機、気象衛星25機、地球観測衛星52機、早期警戒衛星59機、測地衛星27機、軍事衛星不明…と約2300機にものぼる。しかもそのうち60機以上もの人工衛星がプルトニウム電池を搭載しているという。
さらにNASAでは土星探査機カッシーニ(CASSINI)の打ち上げを1997年に打ち上げた。惑星探査機としては過去最大級を誇る。これで土星に関する様々な謎が解明されるのは間違いないが、カッシーニにはマース96の170倍の34000㌘ものプルトニウム238を搭載しているという。極秘に進められたこの事実は内部告発によって表面化したが、安全性を主張しながらも万一の失敗に備えて政府建物内にシェルターを設けていたという。
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隕石襲来
1996年に東京で日本スペースガード協会設立総会が開かれた。これは地球に接近する危険な物体を調査するネットワークを構築しようというもので、同じく1996年3月イタリアのローマでも各国の世界的に権威のある天文学者が集結し、国際スペースガード財団(International Spaceguard Foundaion)が設立された。さらにNASA内部にも小惑星探査機関「ニート(Near Earth Asteroid Tracking)」と呼ばれる組織も作られていた。
同時期にこのような機関が続々と誕生したのは4年前のシューメーカー・レビー第9彗星の木星への衝突から、地球においての同様の危機を憂慮してのことである。
ハワイのケック天文台(W.M.KECK OBSERVATORY)では7番目の衝突で起きた高さ1600㎞の火柱をとらえていた。この衝撃によって木星にできた波紋の大きさはほぼ地球と同じ大きさだという。つまりもし地球に衝突していたら、地球は木っ端微塵だという。そのような懸念から研究機関が続々と誕生したのである。 ニートが設立された1年だけでも危険な小惑星がいくつか発見された。アメリカアリゾナ州のメテオクレーター(METEOR CRATER)直径1・2㎞深さ170mものこの巨大なクレーターは5万年前、直径50mの隕石衝突によるものと推定されている。つまりクレーターの大きさは衝突した隕石の20~30倍もの穴を作り出すパワーを秘めている。
現在、地球上に確認されているクレーターの数は100個以上。その中でも世界最大のそれはメキシコユカタン半島のもので直径200㎞~300㎞にも及び、6500万年前にできた最大のクレーターである。
もしこの規模の隕石が日本に衝突した場合どうなるか。この規模のクレーターをを作り出すのは直径10㎞ほどの隕石である。東京の中心部に落ちたとすると水戸市(茨城県)、前橋市(群馬県)、富士市(静岡県)がすっぽりと入ってしまうのである。当然この範囲は地殻がふき飛ばされ、巨大な穴があき、地中からマントルがふき出し、すべての都市は跡方もなくふき飛んでしまうのである。
そればかりではない。その衝撃は莫大なエネルギーを放ち大地をふき飛ばす。大量に発生した粉塵は成層圏に達し、地球全体を覆い尽くす。太陽光を遮られ、氷点下の氷の世界となってしまい、地上の生物の65㌫は死滅してしまう。その後大量に発生した二酸化炭素が温室効果をもたらし、衝突時の冬から突如高温にさらされる。これによって残りの生物もほとんど死滅してしまう。
現在地球にとって危険な小惑星は約6000個あるという。最大のものは直径23㎞、433エロス(433EROS)という。地球防衛に関する国際会議報告書ではいくつかの対策案があげられていた。
①太陽熱収集器で小惑星を加熱し、蒸気によって軌道を変える
②網の目に弾丸をはりめぐらせた巨大ロケットを超高速であて粉々にする
③核爆弾を小惑星の中心部に打ち込み一瞬にして爆破する
とくに③は核兵器保有につながるため疑問視されている。
このように様々な障害があるために防衛策は確立されていない。現在の研究によると人類を滅亡させるような小惑星が地球に衝突するような確立は10万年に1度と言われている。しかし、小惑星の軌道が決定されない限りいつ衝突するか明確にはいえない。近い将来、小惑星の軌道が変わって地球に向かって来ることも十分に考えられる。
地球を脅かすのは何も隕石ばかりではない。人工衛星の破片なども問題化している。
地球の回りを飛んでいるほとんどの人工衛星は地球の引力によって次第に引き寄せられ、落ちてくるという。事前に予測し、機体を回転させたり、遠隔推進機の噴射によって軌道を変え、被害を回避できなくはないが、噴射のタイミング1秒早いだけで落下地点が数千㎞のびる。大気圏に突入すると大気との摩擦によって空中で分解する。500個もの破片にもなる。大きさにもよるが、スカイラブのそれは長さ1300㎞、幅160㎞にも及んだ。破片の重さは1㎏~2・5㌧。 安全なはずの人工衛星が再び地球に落ちてくるのはなぜか。地上から36000㎞にある人工衛星は落ちて来ないが、高度数千㎞以下の人工衛星は必ず地球に落ちて来るという。人工衛星は高度500㎞のところで飛んでいるそれは時速36000㎞にも及ぶ。この場合人工衛星には遠心力と地球の引力との2つの力が働き、ロケットエンジンなどの推進力のない人工衛星が宇宙空間に漂っていられるのは遠心力と引力がつり合っているからである。それが落ちて来るのは高度500㎞の上空にも地表の1兆分の1の
空気が存在し、普通の大きさの人工衛星には0・5㌘の抵抗が生じる。これは1年間に人工衛星の速度を時速300㎞減速させる。ということは遠心力が減少し、引力によって地球に引き寄せられる。計算によると地上500kmで打ち上げられた人工衛星はおよそ5年で落下する。ちなみに今打ち上げられている人工衛星の80㌫は落ちて来るという。落下途中にほとんどの人工衛星は大気との摩擦によって焼失する。この時完全に燃えつきないものが人工衛星の落下事故になるのである。
皮肉なことに人類が作り出した最先端の技術が人類の新たなる脅威となってしまったのである。
その人工衛星を監視するために1994年3月にアメリカで大気圏外管制部(SPACE CONTROL CENTER)が設立された。世界各国の13台のレーダーと、4つの巨大望遠鏡からの情報をもとに24時間対制で地球の大気圏外を監視することにあった。さらに人類が作り出した宇宙のゴミをも監視しているのである。この宇宙のゴミのことをスペースデブリ(SPACE DEBRI)という。世界中に配置されたレーダーシステムで地上150㎞から36000㎞までにあるスペースデブリを24時間体制で監視している。大気圏外レーダーシステムによって追跡されたスペースデブリ数は8600個にもなる。最小追跡範囲は10㌢㍍まで可能である。
スペースデブリの発生パターンであるが
①人工衛星の使い捨て。現在地球の軌道にある人工衛星は約2300機。そのうち95㌫の約2200機が寿命が尽きたか故障で使用不可能となり、放置
②ロケットの切り離し。人工衛星はロケットで打ち上げられているが、ロケットは何段にも重ねられた構造になっているが、燃料がなくなったロケットを切り離していく。切り離されたロケットはそのままスペースデブリと化す。また捨てられたそれの燃料と酸素が残っていることがある。やがてこの二つ混ざり合い、爆発をおこすとさらに細かい数え切れないほどの金属の破片がスペースデブリとなる
③宇宙飛行士が船外活動をしている時に小さなホコリや機体の塗料がスペース
デブリとなる。機体のボルトなども危険なデブリとなる。このような小さなものまでも監視しなくてはならないのは時速数万㎞というスピードで飛行しているスペースシャトルから飛び出したデブリも同様のスピードで飛行し続けるのである。
件のデブリが他の人工衛星や宇宙飛行士らに衝突した際には大変な事故になってしまう。現にスペースデブリからスペースシャトルを救った例がいくつかある。
一方世界各国が共同開発している宇宙計画があった。国際宇宙ステーション(INTERNATIONAL SPACESTATION)である。完成は2003年。これの宇宙ゴミ対策はどうなっているのか。10㌢㍍以上のデブリについてはレーダーで監視しているので宇宙ステーションの軌道を変えることで回避できる。1㌢㍍以下の宇宙ゴミは外壁を特殊構造(特殊バンパーシールド)にすることで回避できるという。問題となるのは1~10㌢㍍の中規模のデブリである。レーダーでとらえることは不可能。
先のバンパーシールドは貫通してしまう。さらに船
外活動中の宇宙飛行士とっても最も脅威となるのは1㎜クラスのデブリである。これは宇宙に無数にあり、宇宙服を直撃したら大変なことになる。宇宙服内の気圧が下がり0になると自分の体温で体内の血液・水分が蒸発し、またたくまに宇宙飛行士は、ミイラ化してしまう。
宇宙空間の広さから考えると宇宙ゴミが当たる確率は非常に低いというが危険であることは否めない。だが、現在のところ小さなデブリについてはこれといった対策がなされていない。
というよりも、スペースデブリを回避する安全対策はまだ技術が追いついていないのが現状。
スペースデブリが増えるとデブリ同士が衝突しその数が際限なく増える。これによって地球はデブリの雲に覆われ、人類は宇宙に飛び出せなくなる。
さらにずさんな宇宙計画がひきおこした深刻な問題がある。たとえば1996年11月16日、ロシアの火星探査機「マース96(MARS 96)」が打ち上げられた。打ち上げから1時間37分後、4段目のロケットエンジンの点火に失敗した。
地球からの軌道修正もきかず、地球圏から脱出できなくなった。それは地球の引力によって引き寄せられ、徐々に高度を下げて行った。墜落が避けられない状態になったが、マース96の動力源にはプルトニウム電池が搭載されていた。それは35㎜のフィルムケース大の大きさで中にはプルトニウム238が50㌘入っていた。このプルトニウム238は人体に対して恐るべき毒性を持っている。プルトニウムが落下の衝撃によって大気中に放出されると、人間の肺にプルトニウムが沈着し、集中被爆することになる。
1996年11月17日、マース96をアメリカの大気圏外管制部が捕らえた。コンピュータにより軌道を計算するとオーストラリア中東部に落下する可能性が強いと判明。アメリカのクリントン大統領はオーストラリアのハワード首相にホットラインで連絡を入れ、放射性物質処理チームを含む緊急対応部隊を警戒態勢につかせた。ところが同日8時34分には突如オーストラリア国防省非常事態管理局が会見を開き、マース96はチリ起き1000kmの南太平洋に落下したと公式発表があった。
ところが実際は16日に太平洋上空で爆発しており、その破片が800㎞離れたボリビアとの国境、アンデス山脈まで飛んできたという事実が明らかになった。
1996年11月29日、アメリカ合衆国空域司令部が前回の発表を訂正した。マース96の破片が落下したのは11月17日だけではなくほとんどは16日、その残骸は太平洋、チリ、ボリビアにまたがる320㎞に及ぶ広範囲に落下したと発表した。プルトニウム電池は粉々になり、チリ北部に放射性物質がばらまかれたという。件の合衆国空域司令部によるとマース96の残骸はどこに残っているのか全く見当がつかないという。
それに対してロシア宇宙局によればプルトニウム電池はどのような衝撃を受けても中のプルトニウムが飛び出すことはなく安全と主張している。チリ(CHILE)政府は国際法に基づきプルトニウム電池を回収することを求めているがロシア政府の回答はない。今なお、プルトニウム電池の行方はわかっていない。
現在宇宙空間を飛んでいる人工衛星だが、技術開発衛星910機、科学衛星182機、通信放送衛星472機、気象衛星25機、地球観測衛星52機、早期警戒衛星59機、測地衛星27機、軍事衛星不明…と約2300機にものぼる。しかもそのうち60機以上もの人工衛星がプルトニウム電池を搭載しているという。
さらにNASAでは土星探査機カッシーニ(CASSINI)の打ち上げを1997年に打ち上げた。惑星探査機としては過去最大級を誇る。これで土星に関する様々な謎が解明されるのは間違いないが、カッシーニにはマース96の170倍の34000㌘ものプルトニウム238を搭載しているという。極秘に進められたこの事実は内部告発によって表面化したが、安全性を主張しながらも万一の失敗に備えて政府建物内にシェルターを設けていたという。
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