食べ物の好き嫌い
多くの子供達は“ピーマン”が嫌いである。その理由の多くは「苦い」からだという。子供達の好き嫌いには「苦味」が大きく関係している。
元来味覚と言うものは人間の本能と大きく関係がある。味覚は体のためにそれぞれ役割を持っている。たとえば「甘味」。甘味のもとになる糖分はグリコーゲンに分解され、エネルギーの源になる。「塩辛さ」は体液中の濃度バランスを保つ働きがある。脳は「吸収せよ」という情報を体に送る。
「酸味」の場合は食べ物が腐った時にでるすっぱい味に似ており、「苦味」の場合、毒物などに多い苦い味である。つまり両者とも体にとって危険な食べ物と通じ大変よく似ている。
人間は危険物を回避するため苦味、酸味を避けようとする本能を持っている。味覚反射というものがあり、強い酸味や苦味を感じた場合、その情報は脳に送られることなく、反射的に吐き出してしまう。
多くの子供達はピーマンなどの苦味を本能的に危険成分と判断しているからなのである。
味を感じるメカニズム
味覚は舌咽神経や舌神経を通じて脳に送られる。そして脳内の視床を通り、大脳皮質で「甘い・苦い」などの味の判別を行い、前頭葉で「その食べ物は何か」という食の認知を行う。それらの情報をもとに扁桃体で「好き・嫌い」の判断をし、視床下部で実際に「食べる、食べない」の判断を下すのである。
つまり扁桃体によって食べ物の好き嫌いは決められているのである。ここでは各種の感覚情報をとりまとめて、それが自分にとって快感・不快感かの判断をし、その結果を記憶にとどめる場所である。つまり五感を通して得た情報で食べ物を食べた時の感覚を記憶しており、それが感覚と感情を結び付けて学習し、記憶している。
つまり扁桃体に記憶された五感や感情から好き嫌いを判断し、決めているのである。
さらに扁桃体に記憶されるのは感覚、感情だけではない。扁桃体では単なる味ばかりではなく、それを食べた時の経験や周囲の情報も記憶されるために、自分にとって有利なものでも嫌悪感を示すことがある。
扁桃体で食べ物と不快な情報が結び付き記憶されるとその食べ物を嫌いになる。逆に扁桃体で食べ物と快適な情報が結び付き記憶されるとその食べ物を好きになることもある。
扁桃体の学習によって苦味を拒否する本能に勝るようになる。
食べ物の好き嫌いは感覚や情報などの様々な要素が扁桃体に記憶され起こるのである
。つまり本能から始まり、その後の扁桃体の経験や情報で変化して行くのである。
ではなぜ“食わず嫌い”が起こるのであろうか。不快な情報が色々な形で与えられ、扁桃体に記憶され、食べたことがないにもかかわらず、食わず嫌いになってしまうのである。
このように食べ物の好き嫌いは食べなくても言葉による情報だけでも起こるのである。
さらに子供の好き嫌いの原因は、胎児の時の母親の食事のしかたが影響する。母親の好き嫌いで母体のホルモン分泌が異なり、嫌いなものを胎児のことを考えて無理をして食べていると嫌悪的ホルモンが分泌される。それはアドレナリンやノルアドレナリンである。このホルモンは臍(へそ)の緒を通して胎児に伝わり、影響を及ぼす。食べ物の成分と嫌悪ホルモンが胎児の扁桃体に感覚記憶として刷り込まれる。これは食べ物に限らず、胎教に良いことでも母親が嫌いだったら逆効果になる。つまり子供の好き嫌いは妊娠中の母親の影響が非常に大きい。
とくにこの好き嫌いをなくすためには
①嫌いなものを好きなものに混ぜ少しずつ食べさせる。離乳期には食べやすい大きさに裏漉したりする
②決して無理やり食べさせない。なるべく自分の意志でで食べさせるようにする
③親がおいしそうに食べる。食べても安全だという記憶が扁桃体に記憶される。
以上、以前私が「好き嫌い」について学んだことであります。
こちらにもおこしやす。
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