さいきんの流星光
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僕は、八百屋さんで野菜を買うのが苦手だ。

八百屋さんには、スーパーマーケットとはちがい店番の人がいる。

お客さんが店の前に立つと、あるいは自転車を止めると、

即座にその存在に気づく位置にスタンバイしている事が多い。

そして「いらっしゃいませ!」とか言われる。

あれが苦手だ。

店の前に立った段階では、まだ買うかどうかわからない。

まず、値段がわからない。

ネギやキュウリやブロッコリーが乗っている皿に値札が添えられている。

それを見なければ値段はわからない。

値段を見て、あ、ちょっと高い、あっちのスーパーで買おう、と思ったとしても、

言えない…

「高いのでいいです」

とは、ちょっと言えない。

「いらっしゃい!」と言われた手前、すごく立ち去りづらい。


たとえば自転車で通りかかっても一瞬で、

「キュウリ175円」

と読めるような大きな文字で書かれた値札を掲げてくれていたら、

ありがたいのにな、と思う。


八百屋さんだけじゃない。

飲食店などでも、

お店の前に、長テーブルなどを出して商品を置いて、

何かを売っていることがある。

例えば、そば屋さんが大晦日にそばを売るケースなどがそれだ。

そこにも店員さんが、立っている。

「さあ、こい!」「さあ、いらっしゃい!」「どうすか、買いませんか?」

と言いたそうな顔して身構えている。

実際に言ってる場合もある。

僕は、そういう感じもすごく苦手だ。

間違いなく、買わずに通り過ぎる。

何を売っているかも確認せず通り過ぎる。


結果、ちょっと遠くても足を伸ばして24時間営業のスーパーマーケットで買うことになる。

24時間でなくてもいいんだけど、たまたま近くのスーパーがそうだというだけだ。

乾燥して茎の中央部分が茶色くなって大きな穴もあいてきていて、上のもじゃもじゃ部分もところどころ黄色くなりかけてて、「これまだ売るつもりかよ!」って言いたくなるようなブロッコリーに「半額」というシールを貼ってまだ儲けようとしている24時間営業のスーパーマーケットで買う。



先日、雨の日。

ブロッコリーが必要だった。

傘をさして自転車を長距離運転するのが面倒だった僕は、

家から一番近い八百屋さんに初めて入った。

24時間スーパーでは、冷房で店内すべてをギンギンに冷やしているのに対して、

八百屋さんでは、商品のある陳列棚に透明のビニールカーテンを垂らしてフタをして冷房効率を上げる作戦をとっていた。

その中にブロッコリーがあった。

1個255円。

スーパーでは、258円くらいだ、ちょっと安い。

いや待て!大きい!


スーパーのブロッコリーをSサイズとしたら、

確実にLサイズだ!

そして何より、八百屋さんのブロッコリーは、ステンレスのバットに2センチほど水を張り、その中に置かれていた。

生かされているのだ。


うおお、これが…八百屋…!


八百屋クオリティ…!!



野菜は、やっぱ、八百屋さんで買った方がいいです。

僕は、そう思います。




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ドストエフスキー『罪と罰』、ついに読了しました。

いや、長かった…

在宅アシスタントの仕事をしながらですから、

時間のない中、朝起きて、布団の上でストレッチする30分間を利用して、

片手で文庫本を持ちながら読み続け、ついに読了ですよ。

いや~~、読み切ったーーー!って感じです。


読み始めたころは、こんな難しくて覚えづらい名前の登場人物…無理…と心が折れそうになったり、

こんな長い小説を読み切ることができるのだろうか…と不安になってた時に、

上・下巻ではなく、上・中・下巻という3巻構成にっていると知ってぐわーとなったり…

アマゾン、マーケットプレイスで注文した『罪と罰(中)』が、

古いバージョンの『罪と罰』で、注文した本と違うと文句を言うと、

「書籍コードが同じなので、同じ本扱いになってます」

と言われて、理不尽なりーぐわーとなったり…いろいろありました。


はぁ、しかし小説とは、いかに自由な創作の場であるかと、

大いに感じました。

こんなにも長いセリフを言わせてもいいのか、

これマンガだったら、絶対切られる…つーか、描くのは制限されてなかったとしても、

自分でネーム読み返して「セリフ長すぎ」ってぜったい思う。

うん。

漫画じゃ、キャラに長々とセリフ言わせるの、ものすごい工夫が必要なんですよね、

やったことないけど。


まあ、そんな感じで、とうとう読み終えました。

長編小説を、しかもこんな有名な古典を読み終えたことで、

またひとつ僕の自信となってくれるでしょう。

でも、本選びは慎重にね。

つまらん、どうしようもない本を読み終えた時の徒労感はんぱないからね。

次の一冊に手を出せなくなるくらいダメージでかいから。




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