★星空日記コリメート風goo★

星や旅などの話題を「ひらい」が札幌から発信。2010年開設。2022年7月にteacupからgooへ引越しました。

2023年4月20日のオーストラリア皆既日食の様子

2023-04-21 06:00:00 | 日食・月食
 2023年4月20日の皆既日食は、太陽と月の視直径がかなり近かったことから、皆既日食と金環日食が混在したハイブリッド型でした。

 1980年から2033年までの54年間に発生する39回の皆既日食のうち、5回がハイブリッド型です。当然、皆既継続時間は短めです。
 皆既の開始地域と終了地域付近では金環日食になります。近年ではサロス周期129番と143番がハイブリッド型で、今回はサロス周期129番の皆既日食です。
 なお、サロス周期については過去の拙ブログに簡単な説明があります。
  【 2012年11月4日のブログ記事 】

 オーストラリア北西端の今回の皆既日食、交通の便が悪いことから、ホテル泊は初日だけで、日食の前後はテント泊だったそうです。パースから現地まで1350kmをバスで往復、これで83万円という一生話のネタにできそうなツァーだと知人のTさんがメールで知らせてくれました。

 快晴で、無事に59秒間の皆既日食を堪能できたそうです。おめでとうございます!


 ここはオーストラリア政府が場所を指定。利用料は1人100オーストラリアドルだそうです。荒野にテントやトイレの設置、そして保安面から会場利用料は必要といったところでしょうね。


 女性キャスターが取材中。世界中から日食チェイサーが訪れています。


 左端はTさんのGFX100sカメラ。59秒間の皆既日食のうち50秒間は双眼鏡で見ていたとのこと。何と贅沢な楽しみ方でしょう。

 以上、Tさんからブログ掲載の了解をいただきました。ありがとうございます。

 この他、知人のNさんグループも別の場所で無事に皆既日食の撮影に成功したとFacebookにアップしていました。晴れてなんぼの皆既日食、晴れて本当によかったですね。

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2024年の皆既日食へGO!

2023-04-20 06:00:00 | 日食・月食
 きょう、2023年4月20日(木)は、オーストラリア北西端とニューギニア島で皆既日食が見られます。交通の便が悪く旅費が高いので私は行きません。(笑)
 複数の知人がオーストラリアに遠征中で、日本時間の12時30分ごろに皆既日食となります。

 皆既日食と皆既月食、似たような漢字が並んでいて紛らわしいですね。
 皆既日食=太陽が月によって完全に隠される現象
 皆既月食=月が地球の影にすっぽり入ってしまい、月が暗く赤っぽく見える現象

 さらに書くと、
 皆既日食=地球上の極めて狭い場所で数分しか見られません。部分日食は結構広い範囲で見られます。1980年から2033年まで54年間に皆既日食は39回発生します。
 皆既月食=月が地平線上にあれば見ることができるので、ほぼ地球の半分の地域で見られます。

 私が初めて皆既日食を見た場所はインドです。
 31190174K
 1980年にインドのデカン高原まで遠征。右下が私です。
 広い宇宙空間で、太陽・月・地球が一直線に並び、この世のものとは思えない自然現象に鳥肌が立ち、私はすっかり皆既日食の虜になってしまいました。私の体験上、皆既日食の感動の強さを100とすると、金環日食10、部分日食1ぐらいの感覚です。

 8回目の皆既日食遠征は2017年のアメリカでした。

 皆既19秒前。遮光布を被り、目を皆既中の暗さに備えています。皆既突入の直後、対物レンズ前に装着した専用フィルターを外し肉眼で観察します。

 天文雑誌などの協賛ツアーは、皆既の状態を少しでも長くみられる場所(人が住んでいない僻地が多い)まで案内スタッフや雑誌関係者が複数人同行し安全面も考慮するため、どうしても割高になってしまいます。
 前段に紹介したオーストラリア北西端ツアーでの皆既時間は約60秒で、テント泊も含むツアー代金は83万円。1秒あたり1万4千円。これが高いか安いかは人によって異なりますが、それほど皆既日食は人を魅了する力があるのではないでしょうか。

 私の場合、最初の頃は少しでも皆既時間が長い場所で、前日の下見で撮影機材のセッティングが必須という考えでいましたが、最近は少人数の自主ツアーなどで眼視主体のお手軽遠征に変わってきました。

 次回、9回目の皆既日食遠征は2024年4月8日のアメリカ皆既日食を狙っています。
 高額になってしまうマニア向けツアーには参加せず、往復の航空券と適当な宿を取るだけの単身旅行です。

 国際線の航空券は、一般的に360日前から発売されます。その時を待って予約してしまいました。
 往路はマイルを使った特典航空券、復路は保有マイル不足だったので、アメリカ発券の片道航空券です。宿泊先の予約も完了。宿泊先から観察場所まで公共交通機関で行けることも確認済みで、皆既継続時間は3分50秒ほどです。宿泊先でも3分程度の皆既日食が見られるので、場合によっては宿泊先から移動しないかもしれません。

 これまでに私が見た8回の皆既継続時間の累積は18分00秒です。来年無事に見ることができると累積で21分50秒になります。
 これから皆既日食ツアーの募集が続々と始まるはずですが、単身の自主旅行費用の倍ぐらいの料金になってしまうのではないでしょうか。
 1年後の旅なので、骨折した母の体調は多分ですが元に戻っているはずとして、見切り発車しました。(笑)


【2023年4月20日17時:記事追加】
 オーストラリア北西端へ遠征中の知人は、無事に皆既日食を見ることができたようです。おめでとうございます。


【2023年4月27日11時:記事追加】
 2024年4月8日のアメリカ皆既日食について、フリーソフトを利用し皆既継続時間を計算してみました。
 私が選んだ場所での皆既継続時間は、約4分09秒になりました。

 この続きはブログ記事 【 2024年4月の北米皆既日食まで1か月を切りました 】をご覧ください。

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2017年8月8日の部分月食

2017-08-09 06:00:00 | 日食・月食
 2017年8月8日(火)未明に部分月食がありました。

 2017年版天文年鑑によれば、半影食の始めは0時48分、部分食の始めは2時22分、食の最大は3時20分、部分食の終わりは4時19分、半影食の終わりは5時53分です。

 白黒モードで20分おきに撮影してみました。

 81130247RCU
 1時40分に撮影。半影食開始後50分ほどだと影は殆どわかりません。

 81130250RCU
 2時00分に撮影。部分食開始の20分ほど前だと、さすがに半影がわかるようになってきます。

 81130253RCU
 2時20分に撮影。部分食開始の2分前でも、欠けている様子がはっきり確認できます。

 81130261RCU
 2時40分に撮影。

 81130264RCU
 3時00分に撮影。薄雲が覆い始めました。

 81130265RCU
 3時20分に撮影。食の最大のころで食分は25.2%です。

 81130270RCU
 3時20分にカラーモードで撮影。


 口径15cm屈折望遠鏡にコンデジのLX7を装着し、コリメート法で部分月食を撮影している私です。

 3時20分以降は、月が低空の薄雲に覆われて薄くなってきたので撮影を終了。

 宵の明星を見てから撤収しました。気温は19度。
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早朝の部分日食

2011-06-02 06:30:00 | 日食・月食
 6月2日(木)の早朝、札幌で部分日食が見られました。
 札幌市東区で撮影した部分日食の画像をご覧ください。


 4時50分、札幌で最大食分9%の頃は、まだ厚い雲と薄い雲の中。
 10cmF6.4屈折+42mm接眼+ND8フィルター+デジカメLX3によるコリメート撮影。


 5時03分、ND8フィルターをD5フィルターに交換して撮影。薄雲でパッとしません。


 5時06分に撮影。撮影システムは2枚目と同じ。少しズームアップしました。薄雲が益々厚くなってきました。小さな黒点が何とか写っています。

 気温8℃で風が強く寒かった~。早朝、南区から東区への往復も少し疲れました。
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1967年の皆既月食

2011-04-24 19:00:00 | 日食・月食
 きょう2011年4月24日の札幌は、朝から晴れていましたが、午後から曇ってきました。

 さて、今から44年前の1967年4月24日には皆既月食がありました。少々長くなりますが、そのときの思い出を書きます。

 当時、中学2年生の私は青森に住んでいて、皆既月食を写真撮影する計画を立てました。
 望遠鏡は、母校の筒井小学校から借用済みです。カメラを望遠鏡に取り付ける部品を手作りし、当日に備えました。


 1966年の秋に借りた、五藤光学6cm屈折望遠鏡の架台部です。望遠鏡の全体像は【2010年3月31日の記事】に掲載済みです。


 撮影に使ったカメラは、父の1951年製マミヤ6。(60年経った今でも使用可能。ジャバラを1回補修済み)
 見晴らしのいい鉄筋コンクリート3階建ての福祉施設「藤聖母園」の屋上を観察場所として貸してもらえました。

 いよいよ、当日の4月24日(月)になりました。夕方からほぼ快晴で、期待が膨らみます。
 18時に藤聖母園の屋上に望遠鏡を搬入し組み立て完了。18時半ごろ日没。東の低空に満月が輝きはじめます。
 この頃に中学校の科学クラブの生徒達が到着し、静かだった屋上が賑やかになりました。

 予め作っておいた小さなスリガラスをカメラのピント面に置き、月でピントを合わせてからブローニーサイズのネオパンSSフィルムを装填します。


 まだ薄明が残っている19時ごろにテスト撮影した、部分月食が始まる前の月です。
 慎重にピントを合わせしたつもりが、スリガラスの表面と裏面を間違えたせいか、見事なピンボケです。

 とはいえ、私の記念すべき44年前の初コリメート写真です。

 部分月食の開始前にテスト用フィルム1本目を撮り終え、望遠鏡で月を見ました。部分月食が始まったのは19時24分です。
 眼視観察の際、誤ってピント用スリガラスを割ってしまいました。2本目を撮影することは諦め、科学クラブの生徒5~6人と一緒に、肉眼と望遠鏡で赤い月を堪能しました。


 毎年4月24日になると、あのときの綺麗で神秘的な皆既月食を思い出します。
 この日は、高校時代のもうひとつの記念日と重なりました。何の記念日かは内緒。

 1967年4月24日の皆既月食には後日談もあります。
 詳細は明日25日のブログで・・・。
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