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軽規格電気自動車誕生の礎・三菱i

2018-03-10 18:25:10 | 電気自動車
前回「あったらコワイ?軽規格電気自動車」で勝手にいろいろ述べましたが、では逆になぜ三菱自動車が世界初の量産電気自動車を製作できたか?を考察します。

アイミーブ(i-MiEV)を製造できたのは、ベース車となった軽規格自動車i(アイ)あってこそのこと。
2000年代半当時の三菱はeKシリーズ・ミニカ・トッポなどの普遍的な軽自動車ばかりを販売していましたが、経営建て直しの観点から軽自動車らしさを感じさせないクオリティの高いスペシャリティ軽カーを作るべきとの経営方針からi(アイ)が開発・製作されました。
卵をイメージした近未来フォルム、MM(マンマキシマム・メカミニマル)を追求してエンジンは後部に設置(ミッドシップ)、燃料設置場所確保のためセンタータンクレイアウトを採用、衝突安全性を確保するためボディ剛性を強化…これらがアイの特徴。
※一般的な軽自動車の常識を覆した造りですね。
特に今や珍しいミッドシップレイアウトとホンダの技術供与で成し得たセンタータンクレイアウトは後の電動化に大いに寄与、アイミーブ(i-MiEV)が派生する元になりました(笑)。
軽の弱点であったボディ剛性の弱さもスペシャリティ軽カーとして強化が施され、その礎があってはじめて電気自動車化に必要な重たいバッテリーを搭載できました。
ミッドシップレイアウトなのでブレーキングの挙動も安定、ノーズダイブも起き難いとされています…前車eKスポーツのスリップ事故もノーズダイブの影響だからアイミーブへの買換えは当然。
衝突安全性に関しては軽随一、後面オフセット衝突への対応も軽ではアイのみ…さらにボディ剛性も後部荷物室への断熱対策も兼ね徹底的に鍛え上げられています。
ホイールベースもミッドシップのため長くでき走行安定性にも寄与、後の電気自動車アイミーブの電池搭載にも有利に働いたでしょう。
エンジンが前にないためハンドルを切る角度も大きくでき、回転半径は他の軽自動車と変わりません。
…ここまではいいことずくめですが、無論美点もあれば欠点もあるもの。
アイの欠点は重量の増加・それに伴う燃費の悪化・ミッドシップレイアウトによるタイヤサイズの相違(前後で違う)など、万人受けしにくい面を抱えています。実際売れ行きも良くなく2013年に生産中止。
クルマとしての出来が優れながらも、経済性重視の一般人に訴求できなかったのは痛いです!

現在アイを買おうと思ったら、電気自動車のアイミーブになります…値段が高く安全装備も目新しくはないですが、車としての素性はよく電気自動車ゆえ経費が安く済むので他車と比べても8年で50万近く安くなり、今やお買い得感があります。
※長い目で見ればこの先行投資は安いと断言。
もしあなたが今軽自動車購入をお考えなら、一ヶ月または一年の走行距離とガソリン代を算定してください。
年間1万キロ以上走る・通勤距離が片道35km以上・月4回以上下道で遠出する…などの条件が合えばアイミーブ購入も検討に値します。
中部電力管内だと自宅にエコキュート・オール電化があれば深夜電力が割安になるため、それ以下の条件でもアイミーブが割に合うケースが多くなります(自分も該当、アイミーブM中古購入の決め手になった)。

この売れてない軽スペシャリティカー、将来希少価値がついて高く売れる日が来るでしょう…アイ保有者は今のうちから屋根付の倉庫に保管するなど長持ちさせるべし(笑)
※アイミーブは電気自動車ゆえに屋根付が好ましいですが…自宅は屋根がつけられないのが悲しいSAGA~!orz


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