三流読書人

毎日の新聞 書物 など主に活字メディアを読んだ感想意見など書いておきたい

ドングリ小屋住人 

「冬のソナタ」挿入曲サントラ版

2005年02月28日 16時52分25秒 | 教育 
「冬のソナタ」の挿入曲のCDを友人にもらった。中高年の人気の意味が分かるような気がする。
一度もテレビでは見たことはないのだけれど、主人公の男女はいい役者だとは思っていた。
音楽は、なんと言ったらいいのか、優しくて快いが、オリジナリティにかけるというか、なるほどと思うだけ。演奏はリチャード・クレイダーマンを少し稚拙にした感じか。
などと聞いた風なことをぬかしております。
だけど心は安まります。やっぱり音楽っていいですね。というのが感想。

無言館

2005年02月27日 12時20分00秒 | 教育 
「無言館」どうしても行かねばならない

長野県上田市に「無言館」という美術館がある。一度は行きたいと思っていたがまだ果たしていない。
この美術館は、戦没画学生、つまり美術を学ぶ学生が、その半ばにして戦争で無念の死を遂げる。
そういう学生たちの残した作品を収蔵した美術館である。学業半ばの若者の絵ははっきり言って未熟さ、稚拙さは否定できないという。
この美術館の設立に尽力した彼らと同世代の画家野見山暁治氏は、これらの未熟な、稚拙とも言える作品をしか残し得ずに、未来を断ち切られた無念さが心を打つとして、「本当はこれが絵っていうものじゃないか」と記しているそうである。
それらの絵のかたわらには、
≪お姉さん・・・生きて還ったらボクをパリに行かせてくれますか・・・≫
≪あと5分、あと10分この絵を描かせてくれ・・・小生は生きて帰らねばなりません。絵を描くために・・・≫
といったコメントが掲げられているという。
戦後60年。

3月21日まで東京ステーションギャラリーで「無言館 遺された絵画展」として展示されている。
3月21日以降上田市の「無言館」に行かなければならない。
(ある新聞の、美術ジャーナリスト村田真氏の記事を参考にさせていただきました)

和歌山の恥

2005年02月26日 08時42分49秒 | 教育 
和歌山の恥
収賄などで逮捕され、約2年間拘留されていた元和歌山市長旅田卓宗被告が保釈で出、市議当選後始めて市議会に出席した。この「人間のくず」にも税金でずっと歳費は支払われていた。こんな人物について今更何も言うことはないが、ほんとの和歌山の恥はこれをトップ当選させた和歌山市民である。糾弾されるべきは最低最悪の選挙民である。
和歌山市の恥ではない。和歌山県民の恥。
「恥を知れ」といっても無理か。

藤枝梅安なべ物

2005年02月25日 08時40分54秒 | 教育 
夕暮れから降りはじめた雪はやむことなく、翌朝、梅安が目ざめて見ると、すでに厚くつもっていた。
百姓の女が帰ってしまった昼すぎになってから、梅安はようやく起き出した。
居間に切ってある囲炉裏へ、うす口の出汁を張った鉄鍋を掛け、中へ輪切り大根と油揚げを細く切ったものを入れ、これがぐつぐつと煮え出すのを小皿へとって、さもうまそうにに食べつつ、梅安は酒をのみはじめた
(さて、どうするか、な・・・?)

池波正太郎 藤枝梅安『おんなごろし』の一節。
まねをしてみて本当に美味しいかどうかはわからない。だけど美味そうである。
おそらくは池波正太郎の筆力がそう思わせるのだろう。
梅安だけでなく、秋山小兵衛、長谷川平蔵など池波正太郎の主人公は食べ物を大事に、実に美味しそうに食べる。ありふれた材料であっても粗食ではない。
こういうふうな食べ物についての感性とか文化を身につけたいと思う。

春一番

2005年02月24日 08時51分27秒 | 教育 
関東では昨日春一番が吹き荒れ大変だったようですね。新潟あたりは相変わらず雪。
関西は黄砂がひどかった。はるばる中国大陸から飛んできた粉じんで洗濯物も干せないという状況でした。
今、中国大陸はすさまじい勢いで工業化が進んでいますが、発生する大気汚染を日本はかぶってしまうことになります。
これも若干気になるところですね。
今朝わがドングリ小屋の周辺ではウグイスのへたくそな鳴き声が聞こえました。
まもなく春だというのに、剪定、ジャガイモの植え付け、木の植え替え、椎茸ほだ木の伐採植え付けなど気になることばかり。

大阪市の職員と労働組合

2005年02月23日 11時24分47秒 | 教育 
大阪市役所に働く労働者の厚遇な福利厚生問題についてずいぶんとマスコミなどに厳しくたたかれています。
問題は労使の癒着と言って良いでしょう。
代々の市長は助役が次期市長として選挙に出、昇格のようなかたちで市長になってきました。
それを支えたのが労働組合の連合体「大阪市労連」です。約4万人が組織されているそうです。
一方で「大阪市労連」に加入していない市役所職員の労働組合もあるのです。
そういう人たちは「市労組連」を結成しています。こちらは4000人弱。
よく似た名前でややこしいですが、「市労組連」は組織ぐるみで助役を市長に押し上げるような異常な大阪市の体質には与せず、労働者一人一人の考えにもとづいて市長選挙などを行ってきたのです。ですから選挙が終わると「市労組連」は目の敵にされるのは想像に難くありません。
昇任や昇格などではずいぶんひどい差別もあるようです。
福利厚生問題についても市側との交渉は殆ど「大阪市労連」が勝手に交渉し、決定してきたのです。
ひどい労使癒着の体質を厳しく批判してきたまじめな労働組合もあることを知っていただきたいと思います。
十把一からげにすべての市役所職員がけしからんとボロカスに言うのは気の毒です。
ちなみに私は大阪市民ではありませんし、職員でもありません。
                 

切り捨てられる子

2005年02月22日 08時16分30秒 | 教育 
教育基本法改悪の論理

「限りなくできない非才、無才には、せめて実直な精神だけを養ってもらえばいい」(三浦朱門元教育課程審議会会長)笹川良一のつくった日本財団(競艇のあがりが収入源)の会長曾野綾子の亭主。小説家もどき。どんな小説を書いているかというようなことはあまり話題にならない。 
「就学時に遺伝子検査をして・・・、できない子にはそれなりの教育をすればいい」(教育改革国民会議座長江崎玲於奈氏)江崎玲於奈、江崎ダイオードを発明、ノーベル賞をもらった人。遺伝子検査をするとき、人に対する暖か、優しさ、科学だけではない人の持つ可能性、なども検査するとこの人の場合はどうなるのだろう。

こういう発想の人たちが教育基本法を変えようと言ってるのです。
みなさんの子どもさんやお孫さんは大丈夫ですか。恐ろしいことを考えてますよ。このご老人たち。

ベートーベンを好きですか

2005年02月21日 08時30分38秒 | 教育 
ベートーヴェン 
「彼は背が低くてずんぐりし、頑丈な首と力士のような骨組みをもっていた。顔は大きくて、赤れんがのような色をしていた。もっとも、晩年には、その顔色も病人じみて黄色味を帯びてきた。特に、冬、野原から遠ざかって家に閉じこもっている時にはなおさらそうだった。額は力強く盛り上がっていた。真っ黒で、櫛の歯も通りそうもないほどに非常に厚い髪の毛は、あらゆる方向に逆立って、まるで、<メデュサの頭の蛇>のようだった。目は彼にあったすべての人々の心をとらえたほどの異常な力で燃えていた。だが、大部分の人は瞳の色については思い違いをしていた。それが、褐色の悲劇的な顔の中で、野性的な輝きを帯びて燃えている時には、たいていの人々は黒だと思った。だが、そうではなかった。実は灰色がかった青なのだった。目は小さくて、深くへこんでいたが、情熱や怒りにかられると、かっと開いた。すると目の玉はくるくると動いて、心の中のあらゆる考えをそっくりそのままそこにあらわした。またしばしば、憂鬱な眼差しを空の方に向けることもあった。鼻は短くて、角ばって、大きくて、ライオンの鼻先に似ていた。口は精巧にできていた。しかし、下唇が上よりやや突き出ていた。顎骨は胡桃でも噛みくだくことができそうにがっちりしていた。顎の右側にある深いえくぼは、顔に一種奇妙な不均斉を与えていた。」

『苦悩の英雄 ベートーヴェン』ロマン・ロラン 新庄嘉章訳(角川文庫) の冒頭の一節。
ロマン・ロランは1866年~1944年、ベートーヴェン1770年~1827年。おおざっぱにいって百年ぐらいの差がある。
ロマン・ロランは様々な人々の書いた文献や覚え書きなどをもとにこのようなイメージを創り上げたようである。
人間の描写でこれほど凄い表現は、私は他に知らない。
学校の音楽室にはベートーヴェンの石膏のデスマスクとペンを持った肖像画がかけられていた。こわい顔だと思ったものだ。ベートーベンの曲がすべて好きだとはいえないが、人生の一部であることは間違いない。

ビートたけし『悪口の技術』

2005年02月20日 10時50分30秒 | 教育 
怒りと悪口のテクニック
ビートたけしの「悪口の技術」という本を買いました。
「日本人、みんなよく黙ってるよな。対アメリカ、中国、北朝鮮、全部向こうが言いたい放題。ずっと悪口の言われっぱなしじゃないか。身の回りを見たって、外務省、銀行、道路公団、おいらたちがこれまで何も言わなかったのをいいことに、やりたい放題好き放題で来て、今や外交、経済、ぜんぶめちゃめちゃ。」
「口べたは、もうダメ!」
「もっと『悪口の技術』を磨かないと世界はおろか、自分の家の中だって居場所が無くなるよ」
だって!
ほんとだよな。私は全くだめです。「チクショウ」と後で思う。ああいってやればよかったこういってやればよかったと地団駄踏んで悔しがるのです。瞬間的に相手をやっつける言葉がでてこない。そしていっぱいためこんであの世へいっちゃうのかな。
この本、もう少し具体的に、場面に応じた華麗な悪口で敵をねじ伏せるテクニックを書いて欲しかったですね。
マキアヴェッリ『君主論』から、アダムスミス『国富論』にまでおよぶ悪口論なんだけれどこんな時こう言えというのがあまりないのです。
『罵詈雑言辞典』奥山益朗、『かがやく日本語の悪態』川崎洋、『貧困なる精神(悪口雑言罵詈讒謗集)』シリーズ(既刊ほぼ50冊ぐらい)本多勝一、などのコレクションを読んでは密かに溜飲を下げています。少しニュアンスが違いますが『怒りの方法』辛淑玉、なども面白いです。


小さな兆候こそ

2005年02月19日 17時36分27秒 | 教育 
小さな兆候こそ 木下順二(『朝日新聞』1986年元旦「論壇」より抜粋)
≪丸山真男君が『現代政治の思想と行動』の中に紹介しているあるエピソードである。私の勝手なことばでいいなおしてみると、
 あるアメリカ人が、第二次大戦後のドイツへ行って、いろんなドイツ人に、あなたはあのひどいナチス政治の下で、どうして平気で暮らしていられたのですかと聞いて歩いたのへ、例えば一人の言語学者(だからインテリだ)はおおよそこういったというのである。
つまり、あの当時、「ナチ『革命』の全過程の意味を洞察」できるような「高度の政治的自覚」を持つことは、日常の生活に忙しく追われている一般市民には、とても望みがたいことであった。
ナチスが政権を取った年のある日、ドイツ人の経営する商店の店先に「ドイツ人の商店」いう札がさりげなく張られたとき、一般人は何も感じなかった。
またしばらくしたある日、ユダヤ人の店先に黄色い星のマーク(ユダヤ人であることを示す)がさりげなく張られた時も、それはそれだけのことで、それがまさか何年も先の、あのユダヤ人ガス虐殺につながるなどと考えた普通人は一人もいなかったろう。
つまり「ナチ『革命』の全過程の意味を洞察」できる普通人はいなかったのだ。
きのうに変わらぬきょうがあり、きょうに変わらぬあしたがあり、家々があり、店があり、仕事があり、食事の時間も、訪問客も、音楽会も、映画も、休日も・・・別にドイツ一般民衆の思想や性格がナチスになったワケでは全くないのだが、気のつかない世界(ドイツ社会)の変化に彼らは「いわば止めどなく順応したのである」。そしてナチスが政権を獲得した1933年から7年がたって、あのアウシュビッツが始まったというわけだ。≫
(本多勝一編「文筆生活の方法」に収録されている記事を拝借しました。)

かぎりなく今の時代に似ていると思いませんか。
もっと露骨かもしれない。憲法を変える,教育基本法を変えるというようなことが平気で叫ばれる。大資本、大企業だけに富は集中する。福祉を切り捨てる。労働者の権利を奪う。情報を統制する。
「とめどなく順応」するのではなく、それらの「全過程の意味を洞察」する力を持たなければならないのではないか。
20年前に木下順二氏が書いた文ですが、この20年どのような過程をたどりつつあるのか。
それほど「高度の政治的自覚」がない私も怖くなっている。

鍋もの(ちょっとかわった)

2005年02月18日 09時13分34秒 | 教育 
今年の冬は寒さが続く。
やはり鍋ものです。一人鍋を紹介します。
酒、醤油、塩で味付けした薄味吸い加減のだし汁を小鍋に温める。
殻つきのあさりと千六本に切った大根を大量に用意する。
あさりを入れる。ぱくっと口が開いたら汁とともにすする。
大根を入れ煮すぎないうちに食べる。それだけ。
池波正太郎描く藤枝梅安が相棒彦次郎と食べるシーンがある。
そのままです。
熱燗でやるとこたえられない。
ところで北朝鮮からの輸入品でもっとも主要なものはあさりと紳士服だという。
安くて実のやせたあさりは避けたい。
日本産と確認できるものがあったら試してみてください。
それでも輸入してから日本の海で養殖し直して日本産と称して出荷する業者がいるようです。
油断も隙もないですね。

立里荒神社から見る霧氷

2005年02月16日 09時35分11秒 | 教育 
息をのむというか 全山が霧氷に覆われています
少し気温が高くなって湿度の関係で霧が発生します
朝方冷え込むと霧が樹木の枝に氷結し 結晶は枝の下側に発達します
この写真は2003年3月に撮ったものです
いつ行ってもこういうふうに見られるのかどうかわかりませんが 
すばらしいの一言です
高野山内から30分~1時間 道の状態について十分情報を得る事です
チェーンをつけていれば先ず大丈夫ですが

お粗末自民党国会議員の頭脳構造

2005年02月15日 20時16分44秒 | 教育 
自民党の新憲法起草委員会は14日党本部で、前文に関する小委員会(中曽根康弘委員長)を開いた。
この中では、現行憲法の前文が第三者的で「無国籍的だ」との観点から、
「嫌悪感を感じる」
「敗戦の詫び証文」
などの批判が続出。
新憲法を「日本が独自に作る憲法」と明確に位置付けたうえで、「真の独立国家としての意思を示すべきだ」との認識で一致した。のだそうである。
ほかにもこれが一人前の大人の言うことかというような意見が出されたようである。
(2月14日毎日新聞参照)
国会議員も特別公務員。国会議員たるものどんな意見があったとしても現行の憲法を率先して遵守するのが義務。それを「嫌悪感を感じる」だの「敗戦の詫び証文」だのと口汚くののしる。どうか国会議員を辞めてくれ。いや、くびにすべきではないか。
こいつらに国会議員などをさせて日本の進路をまかせていいのか。
日本国憲法の前文に「嫌悪感を感じる」と公言する人物がいたとは。初めての体験である。
誰が言ったのか。このドあほの名前が知りたい。
また、今の日本、「真の独立国家」と言えるのか。

ほんとに日本は大丈夫かよ?

生きていたい

2005年02月14日 16時51分42秒 | 教育 
 将来の夢は何だと尋ねられ
 生きていたいと
 アンゴラの子供       宮崎県 高2 女子

第18回「現代学生百人一首」(東洋大学主催)に選ばれた一首。
飢餓でエイズ禍で災害で戦争でテロで、幼い子どもたちが命を奪われていきます。
まずは弱いものから殺されていきます。
どんな理屈をつけようと子どもたちを死なせたことを正当化できません。
人類共通の罪です。

将来も生きているということが夢だという子ども。
人類に未来はあるのですかね。



  

NHK受信料不払い

2005年02月09日 17時21分01秒 | 教育 
「NHK受信料支払い停止運動の会」というのを醍醐聡東大教授などが立ち上げ、インターネットを通じて「不払い」を呼びかけているそうです。この会は先月NHK幹部が会見で[政治家への番組の事前説明は通常業務」と説明した事への抗議の意思表示。
なぜ事前に政治家にこんな番組をやりますというようなことを説明しなければならないのか。
腹立ちますね。私たちのお金でNHKはなりたっているのです。
この会は、事前説明を禁じる規定を「NHK倫理・行動憲章」に明記することなどを求める申し入れを行いました。要望が満たされるまで受信料の支払い停止を全国の視聴者に呼びかけていくそうです。一方で「要望がすべて満たされた場合は、支払い停止期間中の受信料をさかのぼって支払う」としているところが特徴です。
呼びかけ人の一人醍醐聡東大教授は、
「単なる不払い運動ではありません。知る権利を脅かすNHKの根の深い構造的な問題を改めていただきたいというのが運動の主旨です。議決権を持っていない私たち視聴者が、声を正当に届けるには、受信料というチャンネルしかないのです」。
私はこの運動に賛成です。
国民の手にNHKを取り戻す運動が必要だと考えていました。
「はらわへんから勝手にせえ」ではダメだと思います。
民放が今のような退廃した状態であるかぎり、まともな情報を私たちが得るためには、私たち自身のお金で運営するメディアを確保する権利を持ちつづけることが絶対必要だと思うのです。