三流読書人

毎日の新聞 書物 など主に活字メディアを読んだ感想意見など書いておきたい

ドングリ小屋住人 

井川君大丈夫かな

2006年12月29日 09時50分55秒 | スポーツ
 タイガース金本選手、28日、西宮市の球団事務所で契約交渉。結果は、今期の年俸2億6千万円から、5億9千 万円へと2億9千万円増、プラス出来高払いの3年契約で更改。現役の日本選手では松中(ソフトバンク)を抜いて最高額となる。
 一方、ポスティングシステムで独占交渉権を獲得していたニューヨークヤンキースは、阪神タイガース井川選手と5年契約を結んだと発表、年俸総額は2千万ドル(約23億6千万円)。成績に応じた出来高払いつき。
 大丈夫かな井川君。金本選手の約4倍の年俸を受け取ることになる。
 日本選手が金銭面で厚遇される事は良いと思うが、活躍が伴わなければね。
 金本選手は来期も阪神のというより日本のプロ野球を背負って立つだろう。
 井川君ガンバラなあかんで。


具体化し始めた労働法制改悪

2006年12月28日 14時16分38秒 | 教育 
 残業代払たれへんで
 労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)労働条件分科会は27日、労働側委員が強く反対するにもかかわらず、残業代なしで何時間でも働かせる「ホワイトカラーエグゼンプション」」(労働時間規制の除外)の導入など、労働法制の大改悪をもりこんだ労働時間と労働契約に関する報告をまとめ、柳沢伯夫厚労相に答申した。これを受けて厚労省は、来年の通常国会に労働法改悪法案の提出を企んでいる。
 その他労働法制の改悪は、労働時間規制除外制度「管理職一歩手前」の労働者、政省令で定めるとしているが、日経連は年収400万円を主張している。
 「裁量労働制」(あらかじめ決めた時間だけ働いたとみなす制度)は対象業務の拡大(中小企業の場合)や労基署にだす労働時間の定期報告の廃止。新たにつくる労働契約法では賃下げなど労働条件の切り下げを就業規則できると規定。労働者が反対しても企業に都合の良い契約を多しつけられることになる。
 一方、労働側が求めていた長時間労働是正のための時間外労働割増賃金の引き上げは、一定時間を超える場合にのみ限定。パートなど有期雇用労働者の正社員化
や均等待遇はもりこまれず。
 
 教育基本法の改悪は子どもを競争主義に追いやり「愛国心」をたたき込まれ、卒業すれば不安定雇用、長時間労働、低賃金などで奴隷的労働の現場がまっている。やがては日本国憲法を改悪し、戦争をする国へ。
 
 殺されるのは誰か。


来年は亥年 さて

2006年12月26日 10時40分01秒 | くらし

 

来年は亥年
 亥は猪(イノシシ)である。勢いがよい。猪突猛進(ちょとつもうしん)と言うが小回りが利かぬ。「猛進」することなかれ。(というが、ほんとは俊敏で賢いという…筆者注)
 
☆ 昭和22年(1947年) 
 物情騒然。ゼネストで吉田内閣退陣へは、マッカーサー司令部の介入で突然中止。「二歩交代、一歩前進」の放送。6月、片山哲社会党首班の内閣成立。公職追放、財閥解体、集中排除、体制の分離進む。

☆ 昭和34年(1959年)
 皇太子・
美智子妃ご成婚。新幹線起工式。エネルギー革命で各炭坑閉山。代表格の三池炭坑はドロ沼闘争へ。
 【物故】永井荷風、高浜虚子、北大路魯山人。
 
☆ 昭和46年(1971年)
 ニクソン・ショック。8月15日ドル・金交換停止。IMF体制から変動相場へ。円切り上げ。株式大暴落。キッシンジャー電撃訪中。
 【物故】松永安左エ衛門、徳川無声、志賀直哉、内田百。

☆ 昭和58年(1983年)
 英国選挙で保守党サッチャー女史大勝。左傾化の反動。米国レーガンとならび中曽根政権への影響大。
 【物故】小林秀雄、寺山修司、羽仁五郎。
  

☆ 平成 7年(1995年)
 阪神大震災。オウム真理教事件。村山連立政権動揺の中、野党自民党の総裁公選。三つどもえとなり河野洋平総裁が降り、橋本龍太郎、小泉純一郎の決戦。小泉は惨敗するが屈することなく再起を期す。
 近鉄野茂投手、大リーグ入りを目指しドジャース入り。対メッツ戦で初白星。日本シリーズのヤクルト対オリックスはヤクルト。
 【物故】渡辺美智雄、向井淳吉、ディーン・マーチン、岡田栄次
 
さて次の亥年は?

以上は、『毎日新聞』12月26日付 コラム「経済観測」より

 

  


銀行が自民党へ献金って、それ税金やぞ

2006年12月25日 14時22分29秒 | 堪忍袋
  
銀行が自民党へ献金って、それ税金やぞ!

 大銀行が自民党へ政治献金を再開しようとしている。世論が気になったのか安倍首相は銀行からの献金を辞退すると表明した。しかし、銀行の法人税の納付が再開されるまでという条件付きだという。早い銀行では2~3年後。そのうちもらうことになっている。
 大銀行は法人税を1円も払っていない。そして空前の利益を上げている、が、国民に対する預金金利は雀の涙、10万円預けてもATMの手数料1回分程度である。
 それに、大手銀行は自民党に80億円もの融資残高がある。つまり、自民党は大変な額の金を大手銀行から借りている。その銀行から献金をもらって銀行に金を返すということになる。なんじゃそら!
 そしてその銀行に投入したのは国民の税金やぞ。
 銀行の自民党への政治献金、その原資は国民の、われわれの払った税金である。



 

水仙

2006年12月23日 17時12分48秒 | 文芸


日当たりの良い斜面には水仙が咲き初めています。
配偶者が球根をあちこちに植えています。ずいぶん増えました。

   水仙や白き障子のともうつり    芭蕉
 
   水仙に狐遊ぶや宵月夜       蕪村
 
   日についでめぐれる月や水仙花   虚子
 
   水仙花睡りの末の息くるし     石田波郷

   ひゅんひゅんと雀の空や水仙花   村田脩

 など。 (明治書院「新撰俳句歳時記」冬)
 
  

労働ビッグバン

2006年12月22日 16時13分05秒 | 労働問題
 ヤバイ!労働ビッグバン
 政府の諮問会議などで「労働ビッグバン」というようなことを言い始めた。
 経済財政諮問会議(座長安倍晋三、以下御手洗冨士夫日本経団連会長、八代尚宏国際基督教大教授など)が提案している。
 日本の労働法制を根底からひっくり返す企みをもっているようだ。史上空前の利益を上げてきた大企業のむちゃくちゃなやり方、違法なやり方を合法化するために法律を作りかえようとするもの。 
今、政府財界が画策している「労働ビッグバン」の中身とは、基本的には次の三つだと言われる。
 ◇ 派遣労働の固定化…偽装請負の合法化、一定期間働いた後での派遣労働者の直接雇用義務の廃止。
 ◇ ただ働き・サービス残業の合法化…何時間働いても残業代が出ない制度、ホワイトカラーエグゼンプション制度の早期導入。
 ◇ 解雇の「自由」化…不当解雇でも金さえ払えば労働者を首にできる「解雇の金銭解決制度」の導入。
 要するにに不安定雇用、賃金抑制、長時間労働、首切り自由化という労働者にとっての生命線を奪う制度の導入である。
 絶対許してはいけませんよ。労働者を金もうけの道具にしか考えていない大資本及びそれに迎合する政府と与党自民党公・明党の企み。
 教育基本法改悪の後は労働基準法の改悪か。

 憲法
第27条「労働の権利・義務、労働条件の基準、児童酷使の禁止」
すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
②就業時間その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
③児童は、これを酷使してはならない。
第28条
「労働者の団結権・団体交渉権その他団体行動権」
勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

 労働基準法
第1条 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を満たすべきものでなければならない。
②この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように務めなければならない。
第2条 労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。
②労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その業務を履行しなければならない.



冬景色

2006年12月21日 16時27分47秒 | 教育 

冬景色    作詞作曲不詳 文部省唱歌(今は何というのか)

さ霧消ゆる湊江の
舟に白し、朝の霜。
ただ水鳥の声はして
いまだ覚めず、岸の家。

烏啼きて木に高く、
人は畑に麦を踏む。
げに小春日ののどけしや。
かえり咲の花も見ゆ。

嵐吹きて雲は落ち、
時雨降りて日は暮れぬ。
若し燈火の漏れ来ずば、
それと分かじ、野辺の里。


 何という美しい言葉、冬のイメージ、だろうと思って、載せたくて、
 写真に撮れる風景を探しますが、ありません。
 雪国ならずともそれなりに冬景色はあったと思うのですが。


懲りない和歌山県民

2006年12月19日 10時30分08秒 | 教育 
  

  懲りない和歌山県民
 和歌山県民はまたも自民党、公明党推薦の天下り官僚を知事として選んだ。
 全く懲りない県民である。
 自民・公明と200の団体の推薦を受けていたそうだ。
 過去の知事の選出と全く同じパターンを踏襲してのことである。
 和歌山県民の、利権・たかり・談合を容認する体質は変わらない。
 県民性というようなものがあるのか。
 知事が代わっても、県民が代わらなければ良くなるはずもない。
 絶望的なようでもある。
 しかし、過去最低となった投票率35.1%のなかで、
 共産党推薦、市民団体代表候補泉氏が得票数をのばしている。 
 仁坂吉伸  195719
 泉 敏孝   90680
 この差大きいと見るか。
 市民団体「つくる会」代表候補としては過去最高という。
 和歌山県民目覚め始めたかも知れない。



    

子どもを取り戻す

2006年12月17日 17時02分52秒 | 教育 
 昨夜は悔しくて眠れない夜を過ごした人も多かったでしょう。
 教育基本法を投げ捨て、「改悪教育基本法」を成立させた政府与党は、これから日本の子どもたちをどう育てようとしているのか。
 というようなことを思うより、我々国民は、子どもたちを一切国に預けてはならない。
 教育条件の整備のみ厳しく要求し続けよう。
 我々は有権者である。そのことを忘れてはならない。
 この一連の教育基本法改悪の動きと新しい法律は国際的な批判に耐えうるのか。
 例えば、フィンランドは、日本の教育基本法(本来の)に学び、日本に追いつき、追い越し、子どもたちの学力は世界一となった。
 重ね重ね訴えたい。我々は有権者である。
 日本の子どもたちが壊され、教育が壊され、日本が崩壊して行く。
 座視できるか。
 現場の教師とスクラム組んで、まともに育てよう。



 

亡国!教育基本法改悪

2006年12月16日 10時50分22秒 | 政治 
 呆然とし、自失しているというのが今の状態だろうか。
 明確な理由もなく、その論議もないままに教育基本法が改悪された。その詐欺師的なやり口は、あまりにも低次元と言うほかない。政府与党、それを取り巻くパラサイト(学者・評論家・ジャーナリストなどを自称する)どもも、変えることに意義があるというのみ、次世代の日本人をどう育てるという視点がない。言えば、愛国心、日本の伝統文化など、これで論陣をはれるわけもない。
 子どもたちにとって、学校は喜びの場であり、学ぶことは喜びであるということなのだ。それをあたえるのが教育行政であり、国の教育政策として最も大事なところである。学校が苦痛の場であり、蹴落とし合いの場であり、いじめの場であるようにしてしまったのは、何か。それが教育基本法であるというなら根拠を示せ。

 以下は、『毎日新聞』12月14日付 コラム「発信箱」(飯田和郎氏)からである。
【「きっと花は咲く」
 舗装が途切れた道をさらに車で1時間進む。やせた大地に3階建て校舎が見えてくる。中国河南省の山あいにある程大圧小学校。日本の「草の根無償協力基金」で今秋、建て替えられた。
 どこまでも貧しい。住民1人あたりの平均年収は日本円で2万円に満たない。北京でなら2時間の酒席で消える金を1年かけて得る。
 倒壊の危険があった旧校舎では雨のたびに休校になり、多くの学童が転校や自宅待機を強いられた。今、新校舎から全員の声が聞こえる。
 程長遠校長は言う。「子供らの表情が一変しましたよ」。赤いほっぺのにこにこ顔がピカピカの教室に並ぶ。なんて幸せそうなんだろう。
 打算的に言えば、中国のへき地での教育支援は多方面の効果が期待できる。校舎を寄贈した日本という国に彼らはプラスイメージを抱き、成長していくだろう。
 私たちは納税を通じたドナーでもある。教育を柱に戦後、平和国家の道を歩んできた日本を中国に伝えられる。
 教育は貧困の連鎖も断ち切れる。河南省は5人に1人が出稼ぎで故郷を離れる。教育を通じて定着率を高め、農村の荒廃を防ぐ。それは中国の安定につながり、隣国も歓迎できる。
 だが何より、子どもたちの笑顔こそ最大の効果だろう。限られた条件のなかで学び、友と交わる。教育のひずみに起因する問題が、日本で相次ぐせいだろうか。中国の寒村での教育の原風景は接した者の心を打つ。
 広大な中国に一滴の水をもたらすだけかもしれない。でも水をまかなければ、草木は生えず、花は咲かない。            (中国総局)     】


 日本は教育基本法を改悪した。
 日本がなくしてしまったもの、 忘れてしまったものがある。
 教育の成果には大きな差となってあらわれるのではないか。
 一見物質的には豊かに見える。が、この亡国的教育政策によって、教育は不毛の国となるのではないか。


人間は哀れである 東海林さだお

2006年12月15日 11時03分48秒 | 文芸

 「人間は哀れである」
 (東海林さだお著「ヘンな事ばかり考える男 変な事は考えない女」より)
 
 人間は哀れである
 何がどう哀れって、人間に関するすべてが哀れである。
 姿、形が哀れである。
 体のてっぺんにのっかっている大きな頭があわれである。
 二本の足で立っているところが哀れである。
 ヒョロッと立って、本人はこれで安定しているつもりだが、後ろからちょっと小突かれればつんのめってしまうところが哀れだ。
 せわしなく、息なんか吸ったり吐いたりしているところも哀れだ。
 その吸ったり吐いたりを、やめられないところも哀れだ。
 たまには呼吸を休みたいと思っても、休むと死んじゃうところも哀れだ。
 そうしないと乾いちゃうからといって、ときどきまばたきをしているのも哀れだ。
 全身に血液を送らなくてはならないからといって、心臓がポンプで加圧しているところも哀れだ。
 加圧も過ぎると、高血圧ということになるから、適当に加減して送らなくちゃ、なんていってるところも哀れだ。
 やっていることが一つ一つせこい。
 人間の生理とは、せこいことをせこせこやることなのだ。その、せこい生理で人間は生きているのだ。
 両足を少しづつ互いちがいにくり出すことによって、移動を行わなけばならないというのも哀れだ。
 それを”人間は一歩一歩”なんていってるのも哀れだ。
 その足に、靴とかいうのものをはめているのも哀れだ。
 体に布をまとっているのも哀れだ。
 その布にデザインというものを施しているのも哀れだ。
 ずいぶん人間の哀れを書きつらねてきたが、人間はそのことに気がついていない。
 自分は哀れじゃないと思っている。
 哀れむどころか、(人間、この偉大なるもの)なんて思っている人もいる。
         
              ……中略……

 わたくしが「ひょっとしら、人間は哀れなのではないか」
 と気づいたのは、いまを去ること四十数年前、すなわち思春期の頃であった。
 十五,六歳の少年であったわたくしは、ある出来事に遭遇したのである。

              ……以下略……

 
 大変な本です。人間の哀れ、人それぞれ、まだまだありそうです。もっと読みたいでしょうが、これ以上の引用はやめます。東海林さだおはマンガも書く思想家と言ってもよい。買って読んで下さい。
 東海林さだお著「ヘンな事ばかり考える男 ヘンな事は考えない女」文春文庫 476円+消費税


知事ネタ 川柳

2006年12月14日 15時37分44秒 | 川柳俳句

知事ネタ 川柳
 
 息子まで都のためつくす石原家     神戸     徳留 節
 
 親ばかに任せていたか首都東京     島田     東海道島田宿

 殿様のつもりでいるよ江戸の知事    射水     江守 正

 一族と自分に甘い慎太郎        さいたま   影  無
 
 謙虚さも少しは欲しい都知事さん    久喜     高橋春雄

 都知事殿親ばかだけじゃ済まぬだろ   つくば    すず清助

 親ばかは私的にするのヨ都知事さん   豊川     やーちゃん

 石原の四男画家とは知らなんだ     横浜     木村むつみ

 慎太郎不思議にワルとは呼ばれない   川崎     礼  園

 一族が税金で食う石原家        東京     ラデアント

 ウチの知事ダイジョウブかなチト不安  西宮     B型人間

 バレぬうち証拠隠しを急ぐ県      宝塚     熊崎安襄

 拘置所に知事室設置ほんまかい     増田     もさね

 あの県の知事もビクビクしてるだろう  瀬戸     瀬戸志奈之

 逮捕まで本人だけが白と言い      松戸     てふてふ

 談合のない県エーッとどこだっけ    京田辺    甘なびん

 美しき国の知事たち汚いぞ       白河     子亀孫亀
  
     『毎日新聞』12月14日付 仲畑流万能川柳 より 
                                
                                     


日本崩壊への道 労働ビッグバン

2006年12月13日 11時17分39秒 | 労働問題

【 「労働ビッグバンと再チャレンジ支援」という名のペーパーが経済財政諮問会議で議論されている。民間議員4氏が連名で提案したものだが、これほど強引でバランス感覚に欠ける主張も珍しい。これが実現すればわが国の貧富の格差はさらに広がるに違いない。
 ペーパーは前文で「複線型でフェアな働き方を実現させ働く人ひとりひとりが『働くことへの誇り』を持てるようにし、同時に企業活力を増強させるよう関連制度を包括的に見直す必要がある」とうたっている。一見公正であるようだが、真の狙いはそんな生易しいものではない。
 現に中心的役割を果たしている八代尚宏氏は「日本のような正社員と非正社員との身分格差は賃金の年功制や過度の雇用保護から発生している。仕事能力にかかわらず雇用が保護されている正社員の既得権の見直しが重要である」と主張している。つまり、労働の規制緩和の名のもとにさらに労働者の非正規化を推進しようという狙いなのだ。
 これは労働現場の実態を全く無視した議論である。規制が緩和されれば「転職の自由度」が高まり、より効率的な労働市場が確率するというが、それは働くものが経営者と対等の立場に立ってこそ可能なのだ。しかし、現実は天地の差がある。そのために労働者に団結権が、経営者と対等に交渉できる道が開かれたのである。そして、労使交渉で勝ち取ってきたのが労働関係の規則なのだ。
 ビッグバンがまかり通れば経営者は正社員をもっと解雇し、コストの安い非正規社員を増やすであろう。そうなれば労働者の生活は低下し、子供を産むことも難しくなる。極端に言えば、社会崩壊へつながる契機となりかねない。実現を阻止するよう労働組合の奮起を促したい。                                                                                                                (邦)  】

 12月13日付『毎日新聞』 経済欄コラム「経済観測」である。
 極めてまっとうな意見というか、今日の日本の労使状況に危惧を抱きつつ述べられていると思う。
 日本国憲法、労働基準法、教育基本法が機能していれば何とか国民の生活はぎりぎりのところで守られるのではないか。と思ってきたが、すべての面で危うくなってきた。
 権力を縛る法律はすべて換骨奪胎し、形骸化し、骨抜きにしようとしている。
 労働者が国を背負う。労働者が生き生きと明るく生きてこそ国である。
 日本が近代国家として存続しうるかどうか、瀬戸際であろう。

 

 

 


も一度「愛国心」について

2006年12月11日 09時06分34秒 | 政治 

 【 ブッシュ大統領が先制攻撃で始めたイラク戦争への批判が、米国内で高まっています。
大統領にとって、小泉首相のいち早い戦争支持は心強かったでしょうが、何よりの後押しとなったのは、「ラブ・アメリカ」現象と報道された愛国心の高揚だったように思います。
 愛国心は、国民をまとめるテコとなります。しかし、時にはそれは、国を戦争に駆り立てもます。65年前、日本はなぜ太平洋戦争を始めたのか。愛国心教育が法制化されようとしている今、考えてみませんか。 (湯谷)】

 『毎日新聞』社会面に「デスクです」という小さなコラムがあります。12月10日付のものです。
 控えめながら、「愛国心」というものが声高に叫ばれるとき、そのきな臭さのもたらす結果を忘れてはいけない、ということを、訴えているように思います。昨日の「発信箱」と同じように、記者のみなさんには、今のうちに、書けるうちに、もっともっと本音の記事を書いてほしい、と願っています。