三流読書人

毎日の新聞 書物 など主に活字メディアを読んだ感想意見など書いておきたい

ドングリ小屋住人 

安楽死・尊厳死

2006年03月29日 12時51分09秒 | 教育 
「自分で決める」元村有希子さん
             『毎日新聞』3月29日付 コラム「発信箱」より

《 医師に人工呼吸器をはずされ、末期患者7人が死亡した。当初は「安楽死」と報道され医師は「尊厳死」と説明した。病院は「延命治療の中止」と説明した。死という事実にこれだけの呼び名がつくことに戸惑う。
安楽死も尊厳死も日本では法制化されていない。だから明確な定義はない。判例によるとその死が許容されるために欠かせないのは「患者の意思」だ。
医師は今回、一人については本人の意思を確認したという。他は「家族の同意を得た」との記述があるだけ。患者が本当に尊厳を保ちつつ死んでいったのか、確かめることは難しい。
とはいえ、医師の行為を「非道」と批判するだけでは本質を見失う。医療の進歩は、昔ながらの自然なみとりの場を一変させた。「無駄な延命はイヤ」と意思表示しない限り、呼吸困難で意識不明になれば人工呼吸器は装着されるだろう。命はつながり、病気は残る。苦しみは続く。
「慈悲死」という死もある。家族や医師が本人の苦しみを考慮して決める死をこう呼ぶ。今回のケースはこれに近いかも知れない。やさしく見えて、本人の意思が介在する余地はない。
2年前、ホスピスの取材で知り合った女性は、延命治療を拒む書面を医師に預け、痛み止めを上手に使って、告げられた「余命」より1年以上長く生きた。葬儀で着るドレスも遺影も聖歌も自分で決め形見分けも済ませて旅立った。
自分の最後は自分で決める。当たり前のことだが難しい。今を生き、死んでいく私たち全員の宿題だ。 》

考え込んでしまいます。安楽死、尊厳死、慈悲死(初めて聞きます)、いずれにしても、医師を信頼できるということが前提だろう。医師の心ない言動、ごう慢、ドクハラなど一度も経験したことのない人はいないのではないか。
人の死を決定する権限を与えうる医師は多くはないと思う。


「経済観測」3月28日

2006年03月28日 16時51分47秒 | 教育 
経済観測
《 少し嫌みだが、経歴書の中で「東大中退」というのは勲章に値するのではないかという説がある。
 つまりあのひねくれた競争試験を突破したのだから平均以上の理解力、判断力はそなえていると言ってよい。
 そして現実の講義に出て、そのつまらなさ、くだらなさにアイソをつかすだけの決断力、これはすごいよ。
 同じようなことを、あのビル・ゲイツがせっかく入ったハーバード大学を1年もたたぬのに「こんなことでは人生のムダ」と退学してマイクロソフトを興したのと一脈通ずるところがある。
 もとより大学は通過点で目標ではない。リクツを言えば講義だけでなく自分が研究する場であり、ましてゼニ儲けとは縁がないのだが、東大、ハーバードがなんだという気概は買ってもよい。
 企業にとって「上場廃止」は退学にひとしい。はく奪されてみてそのブランドの重さ、大きさがわかる。銀行も取引先も社員も、である。
 株式会社の場合、毎日、「株価」で評価が下されていた。発行株数に株価を乗じたのが時価総額、会社の値段だ。「世界一の時価総額になってみせる」はホリエモンの目標であったが夢破れた今、どう考えているだろうか。
 「上場廃止」は「東大中退」と同じく絶対的な否定ではない。上場してみたが、東証の「官僚より官僚的な体質」(?)や高すぎる上場手数料にイヤ気がさして三下り半と言うのであれば、快さい、エールをおくりたくなるが。
 どうも廃止の理由は「上場」を悪用して分割、合併、そして経理の粉飾と、企業のハレンチ罪に当たるルール違反である。そんな「水に落ちた犬」にチョッカイを出す投資家もいる。やや空気がよどんでいる。(三連星)》
『毎日新聞』3月28日株式欄の中にあるコラム「経済観測」タイトル「いい中退、悪い中退」より引用。

 かなり痛烈な皮肉であるが、最後の「やや空気がよどんでいる。」というようなものだろうか。
 拝金主義、金もうけ至上主義は、腐敗し、よどんだ水は、腐臭を発している。
 ばくちでもそうだけど、資本の少ない者ほどリスクの高い勝負をする。最終的には大きな資本を持っている者に間違いなく吸い上げられる。それを生業としている者がいるのだ。
 なけなしの金をはたいて投資する一般投資家はよく考えた方がいいと思う。


九条の会を立ち上げる

2006年03月27日 20時47分23秒 | 教育 
九条の会を立ち上げるべく無い知恵をしぼり、重い足をひきずりながら呼びかけをしているところです。
日本国憲法第九条というのは、これにまさる外交の武器はないと思うのです。が、今の日本の政策というか、画策しているように思えるのはこれを投げ捨て、アメリカ追随によって生き延びることばかり考えているようで情けなさが先に立ちます。日本という国が好きです。外国に引きずられて戦争に巻き込まれ、日本の若者が殺されるようなことがないように九条の精神を絶対に残さなければならないと考えます。60歳後半の人間にできることは九条を守ろうと訴えること、それしかないと思っています。
またまた、クロッカスの初めて見る色合いの花が咲きました。いろんなバリエーションがあるのですね。




フランスの学生のデモにエールをおくる

2006年03月25日 09時01分42秒 | 教育 
《採用後2年以内は企業に自由な解雇を認めるフランス政府の若者雇用策「初期雇用契約」(CPE)の撤回を求める抗議デモが23日、仏各地で行われ、警察発表で学生ら計22万人(学生発表50万人)が参加した。
パリなどで参加者の一部が暴徒化し、警察は計420人を逮捕した。一方、ドビルパン首相は同日、労組側に初の直接会談を提案し、24日の会談が決まった。
この日のデモは大学生・高校生が中心で、従来どおり各都市で平和裏繰り広げられた。しかし、パリではセーヌ左岸のアンバリッド地区で数十人が警官隊に火焔瓶などを投げて衝突、車を放火した。衝突はマルセイユでも起きた。》
(『毎日新聞』3月25日付)

2年以内は勝手に首を切っても良いとする仏政府の政策には、怒りが爆発するのは当然だろう。
60年代後半、カルチェラタンを中心として解放区をつくったフランスの学生運動5月革命を想起させる。

ひるがえって日本のフリーター、ニート、派遣労働医者など不安定雇用の労働者、失業者に対する対策はどうなっているのだろう。一向に出口が見えない。
少子化と言われ、税収の伸びが期待できないといい、社会福祉、社会保障、医療、教育を切り捨て、おまけに大増税。それでいながら、失業対策は手つかずのまま。雇用を確保し、納税者を増やす。そこからではないのか。
フランスの大学生・高校生にエールを送るとともに、我々も怒りを爆発させよう。


山葵の花です

2006年03月24日 15時45分58秒 | 教育 
山葵の花が咲き始めています。地味な花です。
移植して3年ほど経ちますが、日当たりが悪いせいかなかなか殖えません。
根を料理に使うというようなことはいつのことやら。
しかし、この葉っぱ、花が美味しいのです。
さっと湯に通しておひたしとか、醤油漬けにしておにぎりをつつむ。
独特のつんとくる辛みと香りがなんとも言えません。
これはぜいたくです。
日本酒でなければなりません。



親殺しの少年 一筋の光明

2006年03月21日 08時25分22秒 | 教育 
《 両親を殺した16歳の少年を「引き取って育てたい」とおじ夫婦が申し出た。「今は底なし沼に沈んでいて、ロープが垂れてきているんだけどつかめない」と少年がためらっている。裁判の中からこの逸話を拾い出した産経新聞の記事(3日東京版)が印象に残っている。親殺しになりはてた少年の哀切、地獄に分け入って少年に手を差し伸べるおじ夫婦の慈愛、勇気、高潔にうたれる。
 両親は東京都板橋区にある会社の社員寮の管理人だった。昨年6月、少年は父の頭を鉄アレイでなぐり、母を包丁でメッタ突きにし、タイマーでガス爆発を起こして逃げた。当時の新聞に「パソコンやテレビゲームが好きで殺りくシーンを好んだ」という同級生の証言が載っている。
 逮捕後の本人の供述によれば「オレより頭が悪い」といつもバカにする父を憎んでいた。母の口癖は「死にたい」だった。裁判でおじは「家庭環境に問題があった温かい家庭の味を味わわせてやりたい」と語り、少年は泣いた。
 少年事件の場合、裁判所の量刑判断は成人の場合よりも甘くなる。容疑者が少年なら報道は匿名だ。更正に配慮するからだが、実態を見ない安直な手加減が再犯の温床になっているという批判が根強い。裁判や報道の惰性を突いて鋭いが、家庭の不和から子どもがゲーム依存を強め、仮想と現実の境界を見失っていくというような根深い問題に厳罰化だけで対応できるか。そういう深層に差した一筋の光明が冒頭の逸話だ。容易ならざる道のりだろうが、この逸話に涙する情緒を共有する日本社会でありたいと思う。》

『毎日新聞』3月20日付 コラム「発信箱」一筋の光明 山田孝男(編集局)より

 このコラム最後の一行「この逸話に涙する情緒を共有する日本でありたい」に共感し、紹介しました。


川柳 小泉ネタ

2006年03月20日 08時19分13秒 | 教育 

消費税上げる前には選挙して    白石 よねづ徹夜

マスコミの利用と批判使い分け    岡山 樋口 明
 
カネからむ事件になぜか自民の名    福岡 村上照勝
 
金を出す外交だけはする総理    久喜 高橋春雄
 
屁理屈の答弁聞くも9月まで    神奈川 カトンボ

発言も悩みも深くない総理    川越 コーちゃん

年金を受け取る議員落とす会    駒ヶ根 桐山実茶

つまようじでも税金かけたそう    さいたま 影無

一揆起きても良さそうな気がするが    雲南 石飛卓美

外遊と金ばらまいて任期切れ    さいたま 美乃留

勝ち誇りからかう首相鼻につき    寝屋川 きよつぐ

やらせだな同じ与党の質問者    臼杵 ココサン

米軍に予算計上思いやり    日南 ヤッター

名ばかりの議員年金廃止法    北九州 幸の鳥弘美

議員さんキミの年金なぜ減らぬ    広島 おても

小泉さん自分の姿見えてます?    総社 センちゃん

マスコミに責任転嫁する首相    長崎 マー坊

読んでても楽しくない句政治系    千葉 忘れ野水

『毎日新聞』(3月20日付)仲畑流万能川柳(仲畑貴志選)よりパクリです。

 

PSEと「MOTTAINAI」

2006年03月19日 09時53分45秒 | 教育 
4月から電気用品安全法により、安全の新表示PSEマークのついていない中古電機製品の販売を禁止するという経済産業省に業者や消費者、古い機器も大事に使う音楽家などの猛反発がわき起こっている。
特に音楽家の坂本龍一氏や東儀秀樹氏などが強い反対表明をしている。
これに対し、経産省は「ビンテージもの」は対象から外すと言い始めているが、その判断は曖昧で素人には良く分からない。
中古の道具を大事に使うという発想で考えているんだろうか。
もともと電気用品安全法は中古品も対象にするという発想はなかったはず。

それもあるが、気になるのは、地上アナログテレビジョン放送が2011年7月24日を以て全国一斉に停波される予定となっている。
しかし2006年現在、地上デジタル放送が開始されていることは知っている人は多いが、2011年に地上アナログ放送が停波になり、地上デジタル放送を受信できるテレビ受像機(またはチューナー等)でしか地上放送を見ることができなくなる事実については、現実問題としては知らない人が多い。
なぜデジタルでなければならないのか、ほとんどの人は知らない。
また、ホームセンターやディスカウントストアなど一部の低価格販売を指向する小売店では、依然として地上アナログ放送しか受信できないテレビ受像機が主力商品として販売されている(20インチ以下の小型受像機のラインアップが少ないことも一因である)。
2011年までに全国で全面的にテレビの買い替えをしなくてはいけない。
そして全国で数千万台(一億は超えるかな)のテレビがゴミとなる。どうするのか。買い換えの際の引き取り手数料も莫大なものになる。
引き取った業者もそれをどこへ持って行くのか。
田舎には絶対に持ってくるなよ。

小泉首相もさかんに持ちあげたりしてるが、なにが[MOTTAINAI」だよ。マータイさんにあきれられ、嗤われるだろう。




哀れアメリカ WBC

2006年03月18日 09時24分31秒 | 教育 
イチロー選手をはじめ、日本選手のいれ込みようなどで日本国内で相当に盛り上がりをみせてきたWBCであるが、ここにきてアメリカのご都合主義、身勝手、などが露呈し、これではアメリカの野球ファンまで野球を見捨てるのではないかという気がしてきた。
第1には、もちろん審判のひどさ。
第2には、組み合わせ。2次リーグでの結果でベスト4準決勝対決にするのであれば、1組の1位と2組の2位、1組の2位と2組の1位、と考えるのがまっとうではないか。アメリカが中南米の強豪とやりたくないというのが理由らしい。だから、1組の1位と2位、2組の1位と2位で、日本は韓国と3度対戦することになった。
第3には、各チームが対戦するとき両国国歌を演奏するが、そのあとに試合をするわけでもないアメリカ国歌を演奏するのだという。何を考えてるのか。覇権主義か。思い上がりか。
第4には、アメリカが出なくなってしまったので、テレビ放映などもどうなるか分からないとも言われている。マスメディアもそっぽを向いてしまうのではないか。

これを国際大会とよべるのか。必死でやっている選手が可哀想だ。
哀れアメリカ野球、世界中の笑い者になった。
残った4チームには最高のプレーを期待しよう。野球とはこんなものだということを見せてやってくれ。