三流読書人

毎日の新聞 書物 など主に活字メディアを読んだ感想意見など書いておきたい

ドングリ小屋住人 

おそるべき君等の乳房夏来る

2009年06月28日 17時39分15秒 | 川柳俳句
沖縄では梅雨が明けたという。
新潟で33.2度、早くも海開きも、82歳男性、熱中症で死亡…福島、茨城・大子では35.4度記録、などの記事が新聞を賑わす。
いよいよ本格的夏。
若いころは夏が好きだった。ギラギラと照りつける中でアルバイトで汗をどろどろにかき、海で遊び、夏は楽しかった。
あのころ太陽族というような言い方があった。
金持ちのどら息子らの世界であったろうか。
そういう世界とは無縁であったが。

近頃は夏のほうがこたえる。

    おそるべき君等の乳房夏来る        西東三鬼

この句が好きだ。恐るべき句だと思う。
もう一首。

    樹々そよぐ颯颯の夏いさぎよし       森澄雄




PHOTO さくらんぼ 桜桃忌に

2009年06月19日 08時28分43秒 | Photo


  「 私は断言する。真の芸術家は醜いものだ。喫茶店のあの気取った色男は、 に せものだ。アンデルセンの「あひるのこ」という話を知っているだろう。小さな可愛いあひるの雛の中に一匹、ひどくぶざまで醜い雛がまじっていて、皆の虐待と嘲笑の的になる。意外にもそれはスワンの雛であった。巨匠の青年時代は例外なく醜い。それは決してサロン向きの可愛げのあるものでは無かった。 」


太宰治の、芸術に関する文章のひとつである。
おそらくは自分を意識している。

今日は桜桃忌。
太宰のものはほとんど読んだと思う。が、彼の世界につい引き込まれていく自分がいやだ。
いつもこんなものに近づくまいと思う。
内容の問題ではないんだけど。


西川善文という男

2009年06月15日 20時33分45秒 | これは許せない
西川 善文という男。
1938年8月3日生まれ。奈良県立畝傍高等学校を経て、1961年大阪大学法学部卒業。
もうすぐ71歳になろうというこの男 、みっともないという感覚をどこかへ置き忘れてきたらしい。
日本郵政の保養宿泊施設「かんぽの宿」のオリックスへの一括売却が白紙撤回された問題で不当な低価格で売却して会社に損害を与える恐れがあったとして、特別背任未遂などの容疑で東京地検に告発されている。

なぜ辞めないのか。
それがわからない。
郵政民営化などと小泉のパフォーマンスは、国民の貴重な財産を売りとばし、郵貯、簡易保険、郵便という庶民の大事なライフラインをずたずたにしてしまった。
はげたかのごとき、あるいはハイエナのごとき連中が、タダのような値段で略奪していたった。
そのお先棒を担いでいたのではないか。
はげたか、ハイエナとつい書いてしまったが彼らが食べ物を得る手段は正当である。彼らはそれで生きのびて今日まで子孫を残してきている。

しかし、人間の皮をかぶったはげたかだまし、ハイエナもどき、の金儲けのやり方は許せんぞ。
日本の国民をだまし、掠め取り、ひたすら蓄財し、おのれらだけが支配する日本を作ろうとしている。

西川という男、まだ金がほしいのか。
こんな男まだ塀の外においといていいのか。




photo ほたるぶくろ

2009年06月12日 09時15分47秒 | Photo

  ホタルブクロ



地味な色であるがこの形は好きだ。
この中に蛍を入れて遊ぶというようなこともあったのかどうか知らないが、
ほたるがほんとにいなくなった。
数年前まだいたのだが。
農薬を川に流すと確実にいなくなる。
カワニナが死ぬからだろう。

梅雨に入るころこの花が咲く、ちょうど草刈の真っ最中。
注意をして見ていないとすぐ刈り取られる。

   雨雲やほたるぶくろは刈り残す    新井英子

という句もあるが。


梅雨入り

2009年06月11日 21時52分12秒 | くらし
今日は立春から百三十五日目、入梅である。
旧暦五月十九日にあたる。
おととい、気象庁は梅雨入り宣言をした。
ほとんど同じである。
なんと日本人の生活の中に深く根ざした季節感であることか。

  五月雨を集めて早し最上川   芭蕉

という句がある。
昔学生時代、この句を統計学的に考察せよという問題が、統計学の講座の試験に出たことがある。 
とまあ、この話去年のブログにも書いた。
量が変われれば質が変わるということを答えさせたかったということらしい。

ひと粒の雨もしだいに集まれば滔々たる最上川の流れになる。
おそろしい流れだぞこの流れは。
ひと粒の雨粒をなめたらあかんぞ、ということだ。
一人ひとりの庶民の声が、大きな流れとなって国を飲み込む。
それは信じても良いことだ。
できのよくない、漫画の好きな、漢字もよく知らない大金持ちのどら息子が、
日本という国を、仕切っているつもりになっているが、今のうちに思い知らせなければとんでもないことになる。

  売り家と唐様で書く三代目

という古川柳がある。
唐様で書くというのがみそ。
さまざまな道楽で妙なものを身につけたかしらないが、
大事なことをあまり学んでこなかった跡取りがついに家を傾けさせてしまった。
というほどの川柳だろう。

変な発音の英語のスピーチなどを聞いていると売り家と書いたどら息子の姿が彷彿としてうかんでくる。
売り飛ばすのは自分の家だけにしてもらいたい。
日本という国まで売り飛ばしてもらっては困るのだよ。

え、太郎さんよ。


「世も末だ」

2009年06月05日 20時50分18秒 | やめてくれ
 愛媛県警巡査部長野村尚史(29)この男、窃盗の容疑で現行犯逮捕された。
 野村巡査部長はは4日午後8時前、岡山市中区で、歩いていた75歳の女性から、現金1万円あまりとクレジットカードが入った財布をひったくった。
 女性の悲鳴を聞いた通りがかりの高校生2人が野村容疑者を追いかけ、取り押さえた。
 取り抑えたのは高校生ふたり。

 「止まってたんで、逃げるかなと思って。『財布返すから放してくれ』と。捕まえる人が捕まるって・・・」「世も末だなと思いました」(取り押さえた高校生)。

 情けない。
 この社会に生きる大人として。
 
 ま、まだましか、西松建設などの献金をめぐる民社党と自民党の恥ずかしさということと比べれれば。
 素直にというか、あほというか「財布返すから放してくれ」というてる。
 
 「世も末だな」ほんとに「世も末だ」。
 高校生にこう言わせる世の中。



むなしい科学

2009年06月04日 08時04分25秒 | くらし

    本村有希子「発信箱」五月三十日「むなしい科学」
  
  雨降れば雨に放射能 雪積めば雪にもあり といふ世をいかに   
 
 湯川秀樹はこの歌を、米国の水爆実験の後に詠んだ。ノーベル賞受賞後は核兵器廃絶運動に取り組み、激しさを増す核開発競 争を批判した。
 太平洋上での実験は予想以上の破壊力を示し、操業中の「第五福竜丸」の乗組員23人が「死の灰」を浴びた。日本は広島、 長崎に続いて三たび核兵器を経験している。
 そして今月、北朝鮮が地下核実験を実施した。「成功」を伝える発表文は「科学者、技術者らの要求に従い」と始まる。作っ ては試し、改良してはまた試す。こうした試行錯誤なしに科学の発展はない。だが、科学者たちは結果の深刻さについて一度で も想像したことがあるだろうかそう考えたらむなしくなった。
 戦時中、米国で原爆開発計画に参加した科学者の回想録(「原爆を作った科学者たち」岩波書店)。巨額の金を使って刺激的 な先端研究ができる喜びと、世界初の核実験を成功させた興奮がつづられている。 広島と長崎への原爆投下手順表を作った科学者は「当時の最大の心配は、手順表を実行したときの深刻な影響ではなかった」 と語った。
 砂漠の真ん中の実験場は放射能に汚染され、今も自由に立ち入れない。日本でも陸軍と海軍が原爆開発を計画し、湯川ら多くの 科学者がかかわった。未完に終わったから「加害者」にならずに済んだ。
 人間はこの60年間、同じことを繰り返してきた。政治家が科学者を利用し、科学者は無邪気に目標を追いかけ、多くの命を 奪い、地球を汚し、誰ひとり幸せにしなかった。どう考えても、これ以上むなしい営みはない。

 先月末、毎日新聞の「発信箱」に書かれた環境科学部記者元村有希子氏のコラムである。私はこの人のファンであるが、最近 あまりこの欄では書かれていなかったように思う。 
 ここに書かれていることが原点であろう。
 北朝鮮を冷静に観察しなければなるまい。
 しかし、麻生をはじめ核抑止力への幻想を捨てきれない政治家がいる。
 オバマが唯一の核を使用した国の大統領、としてその犯罪を認めているのに、被害者となった国がとるべき方向はそれほど難 しい選択ではないと思うが。
 必要なのは核抑止力などではなく、核兵器のない世界を、と訴え続けることだ。          

 そこをあいまいにするかぎり、北朝鮮になめられ続ける。