三流読書人

毎日の新聞 書物 など主に活字メディアを読んだ感想意見など書いておきたい

ドングリ小屋住人 

山茶花

2007年11月25日 10時28分49秒 | Photo


 野生種、在来種は本来白花だそうだ。
 山茶花と書くのは誤りで、「茶梅」「姫椿」と書くのが正しい、と明治書院刊『新撰俳句歳時記』にあるが。
 
       夕焼けのうすれ山茶花も散りゆくか     渡辺水巴

       咲きつぎて散りつぎて八重山茶花よ    下村ひろし
 
       山茶花のどの花弁にも日が当たる     若月瑞峰









ミシュラン 東京版

2007年11月24日 13時50分59秒 | 読書

ミシュラン
11月23日付『毎日新聞』コラム「発信箱」は「三つ星店の味わい」というタイトルで経済部中村秀明氏。

 「三つ星店の味わい」
 「権威ある」とはいえ、ミシュランガイドも企業戦略の一環である。
 1900年、発売間もないタイヤの宣伝をかね、旅の役に立つパンフレットを配ったのが始まり。自動車旅行が珍しい時代、少しでも遠くへ、ちょっとでも寄り道させる狙いだった。
 二つ星の説明が「遠回りしてでも訪れる価値がある」なのは、どんどんタイヤを摩耗させて欲しいのだと読める。
 きのう発刊の東京版は計191個の星がつき、パリの97個、ニューヨークの54個を超えた。AP通信は「パリを美食の都の地位から引きずり降ろした」と報道したが、ランキングで食べることに目がない日本人への営業戦略がのぞくし、マンネリ打破の話題づくりもあるのだろう。
 戦略にまどわされるあまり、過去に事件も起きている。格付け低下を恐れたとみられるシェフが自殺したり、三つ星を維持するために多額の投資をして破綻した店もあった。ミシュラン自身も開店していない店を掲載(つまり味見もせずに紹介)し、あわてて本を回収したこともある。
 東京で星をもらった150店は、縁のなさそうな店がほとんどで、正直ピンとこなかったが、この人の言葉は味わい深かった。
 「目と手と気持ちの行き届く範囲でしか、自分の料理は作れないんです」。三つ星をもらった麻生の日本料理「かんだ」の主人・神田裕行さん。
 カウンター中心の小さな店でNHKの取材に語っていた。
 料理に限らず、あらゆる商売の原点がここにあると思った。思わず「ごちそうさま」と言いたくなった。

 「吉兆」初代の湯木貞一さんも同じ気持ちだったんだろうけどなあ。
 星のついた店、行ってみたいけどほんとに縁のない世界である。
 晩ご飯一食何万円ぐらいとられるんですかね。

 

 


親分の要求

2007年11月22日 10時30分59秒 | 堪忍袋
親分からの要求書

 「年次改革要望書」(正式には「日米規制改革及び競争政策イニシアティブに基づく要望書」というそうだ)というのをご存じか。
 これの始まりは、1993年クリントン大統領と宮沢喜一首相との首脳会談である。  
 その仕組みは、①毎年秋に、政治経済のあり方について、アメリカが日本に対し文書で注文を付ける、②その注文書に沿って、日本政府がその実施の方針を検討し、実行に移して行く、③その実行状況をアメリカ政府が総括し、検討し、翌年春、成果をアメリカ議会に報告する。というものである。
 凄いものですね。これを首脳会談で合意してしまったのだ。
 このシステムは、今でも確実に動いている。毎年秋にはアメリカから「要望書」という形でアメリカの要求一覧が届く。日本政府はこれを受け取ると、これは農水省の分、これは経産省の分というふうに振り分け、各省が検討し、対応策を研究、実行に移す。その状況を日米の担当者が定期的に集まって点検する。
 翌年3月、アメリカ政府がその全成果を「外国貿易障壁報告書」にまとめ議会に報告、実績を宣伝する。
 合意の翌年1994年以降今も続く。「郵政民営化」もこの要求に基づいて実施された。
 今年の「要望書」は10月18日付でだされ、その内容は規制改革路線の継続を迫るもの。①米企業が強みを持つ医療機器や医薬品分野の市場開放②銀行窓口での保険商品販売については今年12月までに全面解禁する③物流コストの引き下げ④郵政関連のゆうちょ銀行やかんぽ生命保険と民間企業との間で課税や当局による監督基準を同一にする、郵便事業の通関手続きで差別的な取り扱いをしない、などとなっている。
 経済の問題でこれほど上下関係が押しつけられ、アメリカの介入が制度化されている国は日本以外にはない。
 異常である。
 日本が世界中から馬鹿にされている所以である。易々として従っている政府も、それを許している国民もね。



おすすめ 「日本の青空」

2007年11月20日 09時47分56秒 | 読書
 おすすめ映画


今、日本の各地で上映運動が進められています。
「日本の青空」という映画、近くで上映されることがあれば是非見てください。
憲法改悪の動きの中で、現行憲法が占領軍によって押しつけられたものである、だから変えるべきと言うような悪宣伝が行われていますが、この映画は現行日本国憲法誕生の真実を明らかにするものです。





2007年11月19日 16時37分23秒 | Photo



  渋柿や枝もたわわに垣の外        角田 竹冷
  
  里古りて柿の木持たぬ家もなし      芭蕉

  渋かろか知らねど柿の初ちぎり      千代女

  柿の句は多い。
  この柿は渋柿。


オシムの早い回復を祈る

2007年11月18日 11時24分20秒 | スポーツ
 急性脳梗塞(こうそく)で16日に緊急入院した日本代表のイビチャ・オシム監督(66)の容体について、日本サッカー協会の田嶋幸三専務理事(49)が17日、都内の同協会で会見。オシム監督が自宅で倒れてから病院に搬送されるまでに1時間以上かかったことを明らかにした。同監督は引き続き病院の集中治療室(ICU)で治療を受けており、小康状態ではあるものの意識がないという。(サンスポ.コム)
  
 長いヒトラーのナチスドイツとの戦い。戦後もスターリンとの対立などユーゴという国は戦後の復興も厳しい条件下にあった。
 イビチャ・オシムは1941年サラエボに生まれる。
 
 「サッカーを始めたきっかけなどという上等なものはない。それ以外にやることがなかったからだ。貧乏な家庭だったし、他のスポーツは金がかかった。ボールは靴下を丸めたものだった。それをまた別の靴下に入れて、どんどん重ね合わせて上から縫いつけた。テニスボールで普通に試合をやったこともある。おかげですごい技術と感覚が身についたよ。まあ、サッカーをやるのは時間つぶしでもあったんだ。本もないし、ラジオだって10軒に1軒の家庭にしかない。そんな中でボール1個で3時間はリフティングをやっていた。
 サラエボ、あの複雑な歴史に彩られた地域……」
 「歴史的にあの地域の人間はアイデアを持ち合わせていないと生きていけない。目の前の困難にどう対処するのか、どう強大な敵の裏をかくのか、それが民衆の命題だ。もちろんそれはものを盗むとか、人を騙すとかそんなことではない。今日は生きた。でも明日になれば何が起こるか分からない。そんな場所では人々は問題解決のアイデアを持たなければならなくなるのは当然だ」
 「同時にサッカーにおいて最も大切なものはアイデアだ。アイデアのない人間もサッカーはできるが、サッカー選手にはなれない。でもアイデアは練習だけでは身に付かない。鍛えられない。バルカン半島からテクニックに優れた選手が多く出たのは、生活の中でアイデアを見つける、答えを出していくという環境に鍛えこまれたからだろう。さらに言えば……」
 「ある選手が、そういったアイデアを身に付けているかどうかは、サッカーのプレーを見なくても、普段からの言動を見ていれば予想できる」

 (以上は、集英社刊『オシムの言葉』木村元彦著より)
 
 オシムよ 回復してもらいたい。
 そして日本代表は彼の哲学を理解しなければならない。
 

馬鹿の番付

2007年11月14日 09時04分41秒 | くらし

  昨日、11月13日付毎日新聞』のコラム「発信箱」、
  論説室、玉木研二氏。
  
  「番付
 九州場所で東京の両国かいわいに今力士たちの姿はなく、少々寂しい。相撲博物館で「番付の250年」展を見た。
 力士の番付のほか、人気商品などのランク付けをする「見立(みたて)番付」が古くからある。時代の空気を伝える貴重な史料だ。「馬鹿(ばか)の番付」といういささか異様な、興味深い番付を見た。明治初めごろ、佐田介石が編集したという。熊本の人、舶来の思想と品を徹底排撃した僧侶である。
 現代仮名遣いにして一部を紹介すると--。
 東の大関は「米穀を食わずしてパンを好む日本の人」。小結に「輸出入の不平均を論じて西洋料亭に懇会を開く議員」。前頭には「馬の小便でも舶来の瓶にさえ入れたれば、結構な薬だと思う人」とか「国産の凧(たこ)を捨て、ふくれ玉を弄(もてあそ)ぶ日本の童」……。
 ふくれ玉とはゴム風船のことか。子供にまで容赦ない。西の前頭には「ペロペロと洋語で国家の経済を論じて、我が一身を修めかねる演説先生」。今の世にも痛烈な皮肉の矢に使えそうだ。
 時津風部屋の騒動で急ぎ前頭時津海が親方を継いだため九州場所番付表は1行空白に。相撲字は押し合う力士の姿と客の大入りの願いを込める。空白は目に染み、今日の角界の危機を無言で語る。
 「馬鹿の番付」が作られた明治の初めころ、鹿鳴館の猿まね舞踏にうつつを抜かす欧化主義者たちは、伝統の相撲興行を「野蛮な裸踊り」と排撃したがった。近代相撲界最初の危機だった。
 その後何度も危機を乗り越えた。今度もできるはず
、と異形の「空白番付」は気合を入れていると思いたい。

 相撲のことはとりあえずおいといて、似たような馬鹿の番付作れそうだ。
 喰う馬鹿、しゃべる馬鹿、脱ぐ馬鹿、何かにかぶれる馬鹿、本当の馬鹿、馬鹿と気づいていない馬鹿、勉強のよくできる馬鹿など。


サフラン

2007年11月13日 11時36分32秒 | Nature Photo




今年もサフランが咲きました。栗の木の下です。
反日陰ぐらいのところでよく育つような気がします。
好きな花です。
赤いのがめしべで、乾燥させてスパイスとして使われます。
非常に高価なものだそうですが、うちの料理ではあまり使いません。
パエリア、ブイヤベース、サフランライスなどが日本では知られていますが。


「吉兆」さんよ おたくまで

2007年11月09日 20時24分07秒 | 事件

  「吉兆」さんよ
 
「 わが一生の大切な一食
 何度も申しあげていることですが、日本料理と限らず、世界中どこの料理でも、人の食べるものというのは、作ってから食べるまでの距離が近いほど、値打ちがあるのです。
 うちでも、時々急いで出かけるとき、たとえばあなごがあったら、五つ六つ、にぎってもらうことがあります。
 それがふしぎなことに、そのにぎったのをお皿へ盛って、番茶をそえて持ってきてくれるのと、こちらから板場へ出ていって、目の前でにぎってくれるのとでは、どういうわけか味がちがう、にぎり立てのほうが気分もいいし、おいしいのです。
 時間でいったら二、三分も違いません、距離でいえば二間ほど、三メートルか四メートルでしょうか、それだけのことですが、食べてみるとあざやかに違うのです。そのへんが微妙で、鮮度のちがいといったって、それだけでは説明がつきません。これはやはり食べる人の神経でしょうね。
 天ぷら屋さんも、揚げたのをすぐ食べてもらうようにしています。うなぎ屋さんも、忙しい店は〈しらいれ〉といってさきに焼いておいて、お客さんが来られたら、むして、焼き色をつけて出しますが、これとお客さんの顔を見てからさいて、焼いて、むして、焼き色を付けて出すのとでは、かなりちがいますね。
うなぎなんか、時間がたつほど厚みがちがってきます。
 朝、吸い物のだしを百人前つくって、ちゃんと味の加減をしておく、お客さまが見えたとき、それを人数分だけぬくめて出せるといいのに、あんたのようにいちいちそのたびにかつおぶしを削って、なんてことをしていたら、いまどきあわないね、とあきれたようにいわれたお客さまがありましたが、そんなことしたらお客さまが来てくださらなくなります。
 私のほうでは、三人前なら三人前、お客さまの顔がそろってから昆布だしをとって、かつをぶしを入れて三人分のだしを作っています。これでないとどうしてもお椀の味がちがうんです。」

 これは、「吉兆」創業者にして日本で第一級といわれた料理人湯木貞一氏の『吉兆味ばなし』(暮らしの手帖社刊、 昭和五十七年発行、花森安治氏が湯木氏の話を聞き書き、編集・企画したもの)のなかの一節。

 湯木貞一さん、亡くなられてからもう何年になるかな。お気の毒と言うほかない。
 
 「吉兆」などという料理屋さん、私には一生縁はないが。

 ところで花森安治さんって知らない人多いんだろうけど面倒なので説明はしません。検索して下さい。

 


立冬

2007年11月08日 17時49分44秒 | 読書
 今日は立冬。
 今年は草刈りもせずに暮れそうだ。せめて枯れ草でも始末しなければ。
 一昨年の11月5日マムシを捕らえたと日記にはある。
 しかしもう大丈夫かな。
 立冬の前後にマムシが現れるという温暖化の時代である。
 
 「立冬は二十四節気の一、太陽の黄経が225度に達するときで、陽暦十一月八日ごろにあたる。この日から『冬に入る』わけである。多くの歳時記もこの日以降、立春の前日までを冬とする。…」と『新撰俳句歳時記』(明治書院)にある。黄経とは何のことか検索したが、読んでも理解できない。よって略。

   冬来るとあたりけだものくさきかな    三橋 鷹女
   立冬の蒟蒻を食べまた老いぬ       岸 風三楼



 

ねじれでええやんか

2007年11月06日 13時36分58秒 | 政治 

 今日のおすすめコラム
 11月6日付『毎日新聞』 経済観測 コラム 「三連星」
 
 「ねじれよきかな」
 
日本の国会はご存じのように衆議院は自民、参議院は野党が過半を制している。いわゆる「ねじれ現象」を呈している。  せっかく衆院でパスしても参議院でストップをかけられる。改めて3分の2以上の賛成を得れば、参院の反対は無効となるのだが、国民、ジャーナリズムから「数の横暴」と非難されるのは明らかだ。数の論理こそデモクラシーなのですけれどね。  これでは国政は渋滞すると言うので党首会談が行われ、大連立が話し合われた。そう言えば、民主党の党首はかつて自民の剛腕幹事長で次期総裁の品定めまでしたご仁である。別居している方が不自然だ。  ただし、ねじれはそんなにワルいものか。米国の大統領は日本のように国会議員が選ぶのではなく、国民の投票だから、国会勢力、特に上院と大統領は所属政党を異にすることが多い。  米国では、これこそ良識の反映と自賛する。米国人なんでも「ママと星条旗とアップルパイ」ではないが、世界一と思っている。いわく。  米国の大統領は3軍の長であり、想像以上のパワーがある。三権分立はその歯止めのわけであり、なかんずく野党が過半数を占めていることは米国民の本能的な良識のあかしだ、と。  それでも米国の所業、あまり賢明とは言い難いが、もしブッシュ・ジュニアが国会の追い風を受けていたらと想像すると、スリルがある。  日本でも支持率70%、80%を誇った細川、小泉政権がナニをしてくれたか。それ以前に大政翼賛会、果ては軍部にまで支持された近衛文麿公爵はA級戦犯になるのがイヤで毒をあおった。福田サン、「新体制」というコトバはイヤーナ前例があるよ。(三連星)

 大連立だと!やっぱり一つ穴の狢(むじな)か。
 合従連衡というようなことが好きでそのこと自体が目的になっちゃった。
 合従連衡ってこんなところで使うのはいいのかな。と迷いつつ。


悲しきキャリア その乞食根性

2007年11月04日 10時19分00秒 | 堪忍袋

先ずは今日の記事を読んで見よう

11月4日付『毎日新聞』 コラム「発信箱」
 広岩近広氏(専門編集委員)

   「汝を知れ!防衛省」
 防衛情報のネット流出、パチスロ代ほしさに指揮官が汚職、痴漢や公然わいせつ事件もあった。大きなスキャンダルが明るみに出るまでに、たいがい組織の腐敗はすすんでいる。防衛省は格上げされた時すでに病んでいたようだ。
 インド洋における海上自衛隊の給油量の誤りを認識しながら、隠していた。補給艦の航海日誌は一部が破棄されていた。誤って裁断したというが,にわかに信じがたい。それほど組織の信用は失墜している。
 事務次官という防衛行政のトップにあった守屋武昌氏は証人喚問された。防衛専門商社からの接待漬けについて、守屋氏は自衛隊員倫理規定違反を認めて謝罪した。白々しい。防衛疑惑の根は深いのではないか。私の実感である。これで国防は担えるのか、と指弾されるのも当然だろう。
 海外で任務に就いている一人一人の隊員のことが案じられる。現代平和学を築いたノルウエーの平和学者、ヨハン・ガルトゥング氏は今秋に来日した折、こう強調していた。「世界は自衛隊を軍隊と見ています。それもアメリカ軍と行動を共にする軍隊です。だから常に危険が伴っています」
 イラクへの自衛隊派遣は幸い事なきを得たとはいえ、霞ヶ関で想像する以上に海外は危険に満ちていよう。そこで活動する隊員たちは命令一下で行動する。いわば命を防衛省に預けているのだ。防衛省とは、そういう厳しさが求められる組織である。この点を強く認識していれば組織は腐るまい。「汝を知れ!防衛省」。私はそう声を大にする。  》

 おまけに、防衛省幹部には、GPS付きの携帯電話を持たせようかと検討しているらしい。笑っちゃいますね。まるで幼稚園児だ。
こんな連中に莫大な防衛費と世界有数の軍事力をまかせておいて大丈夫なはずがない。恐ろしい。 


許せぬ!「後期高齢者医療制度」

2007年11月02日 17時22分12秒 | くらし
   「後期高齢者」
 「すべての辞書検索で該当する情報は見つかりませんでした」
 Yahoo! の辞書検索の結果です。
 「後期高齢者」 辞書にもない言葉です。おそらく厚労省の役人の造語です。   この言葉自体に腹がたちます。
 いよいよ75歳を超えた人は抹殺する気らしい。

 「後期高齢者医療制度」とはどんな制度

1 後期高齢者とは
 75歳以上の人1300万人を対象とした制度です。今、子供などの健康保険の扶養家族になっている人200万人もこの制度で保険料を払います。与党は国民の批判に押され、この200万人については徴収延期で合意。ただし半年だけ。保険料は年金が月1万5千円以上の場合は、年金から天引きされます。天引きでない低・無年金の人が滞納すると保険証をとりあげます。これに便乗して65~74歳で国民健康保険の人も天引きされます。

2 保険料は
 厚労省が試算した保険料は、年7万4千4百円、月6200円が平均です。これは平均です。実際には都道府県や所得によって違います。今の国民健康保険より高くなる場合ももちろんあります。2年ごとに改訂され値上げされるのは必至です。

3 窓口負担は
 原則は1割負担ですが、「現役並み」所得とされた人は3割負担。ただし、それとは別に、70~74歳で窓口負担が「1割」の人は、来年4月から「2割」に増えることが決まっています。しかし実施は1年先送りします。

4 医療の中身は
 後期高齢者に対しては、保険で受けられる医療が差別・制限されようとしています。政府は、後期高齢者の医療に支払う診療報酬に上限を設けようとしています。手厚い医療をする病院は赤字になるため、医療内容を制限せざるを得ません。

5 政府の狙い
 「後期高齢者医療制度」は、医療にかかる国の財政負担を減らすため、国民負担増と給付抑制の仕組みをつくろうということです。今の高齢者はもちろん、これから高齢者になる「団塊の世代」などすべての人を直撃する制度です。
 
 
 大企業や大金持ちを優遇する税制、巨額の軍事費は「聖域」です。 

            (参考『しんぶん赤旗日曜版』 11月4日号)