三流読書人

毎日の新聞 書物 など主に活字メディアを読んだ感想意見など書いておきたい

ドングリ小屋住人 

与謝野晶子 「駄獣の群」

2009年03月13日 14時07分40秒 | 地球環境

駄獣の群   与謝野晶子

ああ、此国の
怖るべく且つ醜き
議会の心理を知らずして
衆議院の建物を見上ぐる勿れ。
禍なるかな、
此処に入る者は悉く変性す。
たとへば悪貨の多き国に入れば
大英国の金貨も
七日にて鑢にて削り取られ
其正しき目方を減ずる如く、一たび此門を跨げば
良心と、徳と、理性との平衡を失はずして
人は此処に在り難し。
見よ、此処は最も無智なる、
最も悖徳なる、はた最も卑劣無作法なる
野人本位を以て
人の価価を 最も粗悪に平均する処なり。
此処に在る者は
民衆を代表せずして
私党を樹て、
人類の愛を思はずして
動物的利己を計り、
公論の代りに
私語と怒号と罵声とを交換す。
此処にして彼等の勝つは
固より正義にも、
聡明にも 大胆にも、雄弁にもあらず、
唯だ彼等互に
阿附し、
模倣し、
妥協し、
屈従して、
政権と黄金とを荷ふ
多数の駄獣と
みづから変性するにあり。
彼等を選挙したるは誰か、
彼等を寛容しつつあるのは誰か。
此国の憲法は
彼等を逐ふ力無し、
まして選挙権なき
われわれ大多数の
貧しき平民の力にては……
かくしつつ、年毎に、
われわれの正義と愛、
われわれの血と汗、われわれの自由と幸福は
最も醜き
彼等駄獣の群に
寝藁の如く踏みにじらるる……

この詩を与謝野晶子が読売新聞紙上に発表したのは1915年12月である。
祖母のこの詩を与謝野馨氏はどう読んでいるのか。
また、国民はどう読むか。
此国の憲法は彼等を逐ふ力無し、まして選挙権なきわれわれ大多数の貧しき平民の力にては・・・」という時代ではない。憲法は国民主権をうたい、これら駄獣を葬り去ることはわれらの手にゆだねられている。
最も無智なる、最も悖徳なる、はた最も卑劣無作法なる野人」によって「われわれの正義と愛、われわれの血と汗、われわれの自由と幸福は最も醜き彼等駄獣の群に寝藁の如く踏みにじらるる・・」時代ではない。すくなくとも権利の上では。
おそらく与謝野晶子 今日にあれば、彼ら駄獣のほしいままを赦す国民にむしろ怒りを向けるのではないか。

 

 


グリーンバブル

2009年03月04日 19時51分41秒 | 地球環境

 昨日の新聞を見ていて傾聴に値すると感じたので紹介したい。 
 エコロジーといえば即それで金儲け。 企業のイメージアップにということと思うがテレビのコマーシャルを見ていて苦々しく思っていた。どれ だけ環境問題に関心を持っているか取り組んでいるかということを言いたい企業だらけだ。  

3月3日付け毎日新聞 証券欄コラム 「経済観測」全文 
   グリーンバブル 
 世界に広がっている経済危機打開の決め手として、環境に関心が集まっている。「グリーン・ニューディ ール」だという。オバマ米大統領が2月24日に行った議会演説でも、米国再生の3本柱のひとつがクリー ンエネルギー開発だ。 
 人類の活動の場である地球が、環境面で維持不可能な状況になりかねないことは、地球温暖化や森林減少 、砂漠化の進行を見てもあきらかだ。世界がこうした問題に取り組むことは正しい。そのために、積極的、 かつ大胆な財政措置を講ずることは地球益にもなる。それにもかかわらず、いまのブームにはどこか、いか がわしさを覚える。 
 環境が持ち上げられている裏に、バブル期待があるように思えてならないからだ。環境投資も大掛かりに やれば、景気テコ入れ効果はある。太陽光や風力など再生可能エネルギーの開発、次世代自動車の開発など が典型だ。ただ、経済成長を維持していくことが前提ならば全体として環境負荷が低下するといえるだろう か。本当の脱炭素社会もおぼつかない。 
 経済社会のグリーン化というのであれば、20世紀的な物的成長の見直しから始めなければならない。経 済構造の根本的な組み替えである。ジョン・スチュアート・ミルが19世紀半ばに提起した「停止型社会」 が一つのモデルだ。ミルはそれを恐れることはないと言っている。 
 本当のグリーン・ニューディールがあるとすれば、少なくとも先進国ではそうした社会を築くことだ。と ころが、いまの議論は、環境分野への投資が増えれば、新産業が勃興し、雇用も創出できるという成長期待 論そのものだ。つまるところ、バブルの再来願望だ。環境で大もうけしようなど、思い違いもはなはだしい 。(丸園礼)
 
 いかがでしょうか。私は同感です。

 


PHOTO 立春 白梅

2009年02月04日 16時49分30秒 | 地球環境

今日は立春。
八十八夜、二百十などはすべてこの日から起算する。
春といっても一年で最も寒い時期。
旧暦の世界でなければ体感的には理解できない。

   春立つや愚の上に又愚にかへる     一茶
 
   立春の日のうつくしく風少し      佐藤漾人

   おもしろやことしのはるも旅の空    芭蕉
 
梅は咲きはじめた。
満開の木もある。






燃えろ 燃えろ

2009年01月31日 20時12分19秒 | 地球環境




日が落ちて また寒さが戻ってきた。
風と雨である。
ストーブの火を眺めながら、ぼうとする。
火というものは何もかも燃えてしまえという気を誘うが、
炎の中からまた何かがあらわれてきそうな気もする。

   何とたゝかふ心ぞ暖炉燃ゆるとき   林原 禾井
   
   暖炉燃ゆわれにかへらぬものいくつ  鈴木真砂女

   
  
    

究極の鍋料理

2009年01月19日 09時09分03秒 | 地球環境
  つまし鍋
なべにだし汁としょうゆ・酒・みりんなどで吸い加減の だしを張る。
煮立ったら水菜と油揚げの短冊に切ったものを入れ煮ながら、
粉山椒か七味唐辛子を薬味にふうふう言いながら食べる。
はりはり鍋の鯨肉の代わりに油揚げである。
つまし鍋と言う。つましはつつましいである。
キツネ鍋という言い方もあるようだ。
要するに京風節約料理である。
材料はきわめて安く、料理は簡単、とてもおいしい。
足りなければほかに何を入れてもいいだろうが、
大量に水菜は用意する。(だしはやはりこぶだしか)
油揚げの実力はたいしたものである。

ぜひお試しあれ。


常滑 土管坂

2008年11月26日 20時19分04秒 | 地球環境


また旅のへたくそな写真、御在所岳の紅葉、常滑焼きの窯場、知多半島の師崎のふぐという駆け足の一泊旅行。
結構なコースであるがいかにも忙しい。
しかし高齢者の集団としてはこれが精一杯。
楽しい旅行でありました。
常滑の土管坂です。ロケーションは良いが、写真のできはどうも。

AHOU首相のいきがる日本の政治にはほとほと愛想がつきる、
が、しばらくでも忘れて。

ピーコさん語る 高齢者問題

2008年10月31日 07時55分03秒 | 地球環境
 国家による虐待

《 変な国 優しくないのよ
 もうなんかね、変な国になっちゃったなって思うの。後期高齢者医療制度のこともそうだけど、もうお金のない年寄りはいなくていいですよって感じがするじゃない。そういうことをさせないために政治家がいるはずなのに。一生懸命働いて、税金だって払ってきて、歳をとったら国が相手にしてくれないなんてね。私もあと少しで六十五歳だけど」、強制的に年金から天引きして持っていっちゃうのは、どうも納得がいかないのね。社保庁は保険料の徴収率を上げたいために年金記録をごまかして。労働者をいじめているとしか思えない。優しくないのよ。
 若い人も、派遣労働を規制緩和したために安く使われて、お金がなくて年がら年中楽しみもなく働科なきゃいけないんじゃ、何のために働いているのかわからなくなるわよね。
 このごろは減税とかいったってお金持ちの減税でしょ。食べるもの、日常に使うものは消費税ゼロにすればいいのよ。皆から同じように取ろうとしないでお金持ちから取ればいいの。‥‥中略‥‥
 自民党は何をやっても破たんしているんじゃないかと思うわね。もうずっと長い間アメリカから命令されたありとあらゆることをやってきたでしょ。日本はアメリカがいなかったら世界でやっていけないと思われてるけど、アメリカのいまの資本主義、グローバリゼーションの経済路線は破たんしたと思うの。いつまでもアメリカに隷属していていいのかどうか、考える時期に来てるんじゃないかしら。‥‥以下略‥ 》
(10月26日付「赤旗}一面記事)

これは国家による虐待じゃないんだろうか



バカ丸出し 麻生首相の金銭感覚

2008年10月27日 20時30分34秒 | 地球環境
22日昼、記者会見
この中で、連日高級飲食店、ホテルのバーなどでの会合、庶民感覚とかけ離れている。高い金を払って食事をするということについて批判的に記者に質問された麻生首相は、
「僕はこれまでもずっと、あのー、少なくともホテルというところは安いところだと思っていますね。たくさんの人と会うというのは、ホテルのバーというのは安全で安いところだという意識が僕にはあります。だけどちょっと聞きますけど例えば安いとこ行ったとしますよ。周りに30人からの新聞記者いるのよ。あなた含めて。警察官もいるのよ。営業妨害って言われたらなんて答える?「あなたのおかげで営業妨害です」って言われたら、新聞記者として「私たちの権利です」って言ってずーっと立って店の営業妨害して平気ですか。まあ聞いてんだよ。答えろよ。ふっふっふっふっふ。」
お金について政治献金や政党助成金という形でお金を出すことについて質問され、
「自分のお金だから。政党助成金もしくは私のその種の金。幸いにして自分でお金がありますから自分で払っています。はい。]
   
へー、そうなんだ。結局政党助成金は高級な店での食事代なんだ。その種のお金とはどんな金だ。
それにしてもこの人「ええしのぼん」でありながら、おそらく品がない。どんな教育を受けたのか。品格に欠けるのは外国出身の相撲取りの比ではない。この記者会見の様子すべて引用すれば(毎日新聞23日付に詳しい)良くわかる。吉田茂氏泣くだろうな。長くなるので割愛するが。




夕顔

2008年09月17日 19時44分39秒 | 地球環境


 1ヶ月前にも紹介したのですが、ますます妖艶にあざやかに咲いています。
 が、清楚でもあります。
 ほんとに見事です。
 夜に咲くのです。

  夕顔の浮きたつ源氏物語      野島牽牛
   
  夕顔に微風微音の寄するなり    野澤節子

  夕顔の灯りて水の行方かな     星野昌彦


一番悪いのは誰だ 大分県教員採用問題

2008年07月26日 11時34分58秒 | 地球環境
大分県の教員採用に関わる汚職事件が連日報道される。
今更何をという感じがしなくもない。
教員も自治体職員もコネがらみで採用されているということは、ないという方が無理だろう。
黙っているだけ。
構造的なものである。
管理職の登用もそうである。
校長、教頭というポストも金で買うか、魂を売って買うかいずれかになってしまった。
学校の教育方針を職員で合議して決定するということもないようだ。
「校長」に絶大な権限を与え、校長は地方の教育委員会の言いなりになり、地方の教育委員会は文科省にがんじがらめにしばられ、ものを言えない。その文科省は腐敗した官僚が牛耳り、官僚は自民党あるいは自民党的政治家の言うことを聞くフリをして政策をたてる。その文科省の大臣の見識のなさは今更言うまでもない。
教育の成果というものは、30年後、40年後に評価される、と言うことでなければならない。
つまり国家百年の大計である。にもかかわらず、すぐ成果を出せという。でなければ金を出さない、予算を出さないという仕組みを作った。
その顕著なものが新自由主義に基づく成果主義、小泉流「構造改革」であった。
尤も、昔から権力にすりより、己も権力の末端にあるかのように錯覚する哲学も良心も待たない教師はいた。
が、それは良く知るものには馬鹿にされた。哀れではあるが、幇間「野太鼓」(漱石「坊ちゃん」)は教師という聖職にはなじまない。

民間ならばどうか、私立学校はどうか。民間企業はどうか。
腐敗した民間企業は我々の生活と関係ないか。
これも合わせて考えてみたい。






悪魔の兵器 クラスター爆弾について

2008年07月10日 10時43分45秒 | 地球環境
如何にハイテクの時代だなんだといっても戦争というものは人を殺すことを目的として行われる。
そのための凄い兵器が次々と開発される。
殺されるのはどういう人たちか。
多くは非戦闘員である。戦争のための装備を持たない。防護服などもない。
反撃の手段も被害を防ぐ手だても持たないのである。
最も残酷なのは、地雷であるし、クラスター爆弾(別名チャイルドキラー)などである。
性別も年齢も問わず無差別に殺す。
アメリカの国防総省は先日クラスター爆弾についての「新方針」を策定したという。
曰わく「新たに設ける安全基準に満たないクラスター爆弾は減らす」。

この残酷な爆弾の安全基準とは何か。このパラドックスを理解できるだろうか。

以下『毎日新聞』新聞の報道(部分)
【 米国防総省は今月初めまでに新方針を策定、ゲーツ国防長官が署名した。同省は現在、関係各省との最終調整を進めている。クラスター爆弾の不発弾を①技術的改良②使用の制限ーーなどにより減らす方針。
AP通信によると、新方針の概略をまとめた文書は計3枚。「2018年以後は、クラスター爆弾は、搭載する子爆弾の爆発率が99%以上でなければならない」と定めた。また、同年までの移行期間で、不発率の高い(1%以上)「旧型」を他国に譲渡する可能性についても指摘。譲渡を受けた国も、18年以後の使用は禁じるとした。さらに米軍が貯蔵する同爆弾のうち、「(米国防総省が定める)新たな安全基準に満たないものは、来年6月までに削減を開始する」と定めているという。 】
クラスター爆弾という悪魔的な兵器に対する国際的な圧力は高まっているが、この新方針がそれに応えうるものになっているかどうか疑問である。安全基準に満たないものは他国の譲渡するというのである。
誰に対して安全であるというのか。誰か教えてくれ。

クラスター爆弾は日本の自衛隊も持っている。148億円分購入しているそうだ。もちろんアメリカから。


合歓

2008年07月04日 11時47分56秒 | 地球環境
  
 合歓の木の花が咲きました。
 ふわふわと飛び出しそうな花です。
 
   くれなゐの暮れのすがたや合歓の花       野 坡
 
   合歓の月こぼれて胸の冷えにけり        石田波郷

 おだやかなたたずまい。
 もうすぐ梅雨が明けそうな。