伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

いきもの録 Vol.11 ツバメ巣立ち

2014年07月30日 | 生き物
 我が家には3つのツバメの巣があります。1階リビング外の軒下、同じく勝手口の上、そして2階の屋根の軒下です。このうち勝手口の上は、底が浅すぎるため使われることはありません。

 今年も春一番のツバメが姿をあらわし、いつものように開け放たれた玄関から家の中に入ってくるようになりました。家の中に、巣作りの適所を物色しているものと思います。
 でもそれは困ります。ツバメを外に誘導して、玄関を閉めてしまうのですが、そのうち我が家以外のあちこちでツバメの子育てが始まったようでした。でも我が家にはその動きがありませんでした。
 「今年は我が家では子育てをしないんだ」。がっかりしていましたが、それはそれで仕方がありません。

 ところが7月に入った頃、巣に動きがありました。
 帰宅をしていつも車を止めているのが1階リビング外の巣の近くです。この日も車を停めて巣を見上げると、親ツバメがうづくまっている姿がありました。
 「繁殖をはじめたのかもしれない」。期待が膨らみます。車を停める場所は驚かせるといけないので場所を変え、ツバメに警戒されないよう、関心ないというポーズをとりつつ、それとなく見守っていました。
 ところが待てど暮らせど子ツバメの姿は見えてきませんでした

 ほぼ2週間経って半ば諦めかけた7月12日朝、妻が「子どもがいるよ」と戸外で大声を出しました。半信半疑でした。ややして巣に視線を向けてみました。
 いた、いた、巣の上辺に黄色いくちばしが並んでいます。「子育てはじまっていた」。心の中は狂気乱舞していました。これからしばらく成長するヒナたちを観察できるのです。日に日に成長する姿に接することができるのはうれしい事です。



 でもいつも巣を見守っているわけではありません。ヒナはまだ小さく、巣の中にすっぽり収まるサイズです。ですからなかなか子ツバメを見ることができませんでした。7月14日、親ツバメが頻繁に餌を運んでいました。チャンスとばかりにファインダーをのぞきこむと、餌をねだるヒナ鳥の姿を撮影できました。



 親ツバメは一生懸命餌を運んできます。それを食べて子ツバメはすくすく育っています。7月19日にはだいぶ大きくなった姿を見せてくれました。



 大きくなった子ツバメ達はもう巣の中に完全に姿を隠すことができません。7月23日には、いつも巣の上辺から顔をチョコンと出しているようになりました。かわいかったので1枚。



 「子ツバメは5羽」だと、ずっと思っていました。ところが巣の上に並んだ顔が何となく多く見えました。数えると6羽いました。隅っこに追いやられて、外から見えない子ツバメもいたようです。7月25日に気づきました。



 子ツバメがいっそう大きくなりました。羽もほぼ生えそろい、産毛は抜け落ちています。この頃から子を誘うように親ツバメが巣の周辺を飛び回るようになりました。場合によっては応援も得て4羽も5羽も飛び回っています。庭を飛び回るツバメの姿もいいものです。



 7月26日、親の運ぶ餌を待っているのか、それとも巣の外の世界に興味を抱くようになったのか、ヒナ鳥たちが巣から身を乗り出すようになりました。近くで親鳥が子どもたちの様子を見守る姿も目につきます。





 7月28日、ついに巣立ちを迎えました。4羽がいなくなっていました。朝のうちに巣立ったようです。2羽残りました。餌の食べ方が少なくて成長しきれていないのだと思います。





 夕方、巣立った子ツバメたちは巣に帰っていました。再び子ツバメの勢ぞろいです。もう帰ってこないだろうと思っていたので、少し喜びを覚えました。



 7月30日朝には巣に1羽のヒナ鳥もいませんでした。無事すべての子ツバメが巣立ったようです。おめでとう。誰もいない巣に、寂しさとともに安堵感も覚えました。



 これで終わりと思っていたら夕方には再び帰ってきました。4羽の姿が見えています。親鳥はまだ餌を運んでいます。姿が見えない2羽はどうしたのでしょう。無事でいると良いのですが。



 明日の朝も巣は空になっているでしょう。でも夕方にはまた帰ってくるかもしれません。子ツバメたちの帰宅はいつまで続くのでしょう。とにかく無事な巣立ちを喜びたいと思います。
 実は2階の軒下の巣でも子育てが始まっていたようです。隣のおばさんがツバメが出入りしていると家人に話していたというのです。7月27日、確かに親鳥が巣にうずくまっていました。こちらの巣立ちも見守りたいと思います。







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