今期からのいわき市議会では、以下の会派が結成された。
いわき市議会政風会13人
いわき市議会創世会6人
いわき市議会真政会6人
いわき市議会公明党4人
日本共産党いわき市議団3人
いわき市議会正論の会1人
いわき市議会市民の会1人
いわき市議会誠心誠意の会1人
いわき市議会拓く会1人(私の会派)
いわき市議会日本維新の会1人
選挙中から支援してくださった方々には当選後は1人会派でいくと話していた。「拓く会」としたのは「拓く」が未来を拓くなどと使われ、いわき市議会が開かれた議会として市民の信頼の厚い議会となれるよう役割を果たせるならばと考えての命名だった。1人会派が5会派もあるのは、たぶんいわき市議会はじまって以来のことではないか。
こうした会派構成のもとに開かれた臨時会は、9月の市議会議員選挙で選出された新議員が10月1日から任期に入ったことから、議会の構成を決めることがその役割となる。
仮議長のもと開会し、まず議長選挙が行われ、続いて副議長の選挙が単記無記名の方法で行われた。
議会基本条例が定められて以降、議長、副議長の選出時には、立候補の意思を持つ者が所信表明をする機会が設けられることになっている。選出過程の透明化をめざすために決められた。
初の女性議長誕生
議長には、政風会(13人、最大会派)の永山宏惠議員、共産党市議団(3人)の菅野宗長議員が所信表明に立ち、「ペーパーレス化を進め質の高い議会活動をめざし、議員定数の見直しや長期休暇議員への対応の議論を進めたい。前向きに議論を進める、実りある議論の風土を作りたい」(永山議員)、「身近な議会となるため市民参加をめざし、すべての議員の権利が保障される議会をめざす」(菅野議員)と所信表明をした。
いわき市議会には37人の議員がいるが、この日は全員が出席し投票に参加した。
結果は、投票総数37票のうち、
永山議員28票、
菅野議員3票、
無効(白票と思われる)6票となり、
永山宏惠議員がいわき市議会初の女性議長として選出された。
私は、以前の任期の際、日本共産党市議団(のちに日本共産党・市民共同)の団長として、志帥会(政風会の前身)会長だった永山議員と議会運営や請願への対応等で協議を重ねた際、真摯な意見交換で一致点を見出しながら対応をしてきた経験があり、その点での信頼感を持っている。そして事前に立候補の意思も伝えられていた。
一方、菅野議員については、この4年間議会を離れていたので、どんな議会活動をしていたのかは分からないが、5年前に私が離党するきっかけになった、県議が間違った内容で宣伝物を住民に配布し、またそのことで民間事業者誹謗中傷する結果になっていたことに関し、当時の地区委員長として間違いを隠蔽し続けている問題をいまだにまともに反省していないことを知っている。そして事前に立候補の意思も伝えられていなかった。
こうしたことから永山議員に投票した。その立場から議会の民主的運営、特に少数派も含めて荷を担いながら議会活動に取り組めるように議会改革に奮闘していただきたいと思う。
自らに投票を模索した副議長選挙
副議長選挙は、当日の朝までに立候補の意思を2人の議員から伝えられた。そんなことからこの事態にどう対応するか考える時間があった。
話はさかのぼるが、臨時議会に向けてどのようなルールで体制を作るのかを話し合う拡大各派代表者会議が先月24日と26日に開かれていた。
この会議で、設置する委員会の種類、委員の配分、議席の配置、監査委員の決定などが行われるのだが、以前の任期の際、私は共産党市議団の代表として参加し、議長、副議長は第1会派、第2会派から選出し、委員会の正副委員長や監査委員は会派構成員数にもとづくドント方式によってそれぞれの会派が担うポスト数を決定することを主張していた。それぞれの会派が、思想信条をこえて公平に議会運営にかかわる民主的な一つのあり方と考えていたからだ。そして、こうした方法がとられず、投票による選出になった際には、会派の代表に投票する対応をしていた。
ところが今回の各派代表者会議では、選出方法について発言するものは誰もなく、したがって投票による選出をすることにすんなり決まってしまっていた。
議長選では、所信表明直前まで1人の立候補となる思っていたので、誰かに投票すること以外は考えていなかったが、事前に複数人が立候補することを知っている副議長選では対応が異なる。私は、かつてとっていた対応を参考に、自分自身が所信表明をして自らの投票することを模索した。
ところがそこで障害があることに気が付いて。今回私は1人会派「いわき市議会拓く会」だ。所信表明をするためには、最低1人の推薦者をつけることになっていたのだ。同一会派内には、当然推薦してくれる議員はいない。そこで他に4つある1人会派のうち2人の議員に声をかけたが、それぞれの所属政党等の関係もあり推薦を得ることは難しかった。
このため所信表明を行うことができなかった。所信表明はなくても自分に投票することが禁じられているわけはないが、議会基本条例の趣旨が選出過程の透明化にあるので最終的には誰にも投票しない、すなわち白票で対応することにした。いま考えてみると、1人でも所信表明ができる仕組みに変えていくことが必要かなと思う。
副議長に立候補したのは福島あずさ議員(創世会、6人。同数会派とともに第2会派)、小野茂議員(公明党市議団、4人)の2名。「投票率低下を見ると分かりやすく開かれた議会が必要と考えている。長期欠席議員への対応や定数のあり方を優先的に議論を進めたい」(小野議員)、「投票率低下のもとで市議会が市民の信頼を得る活動をすすめることが必要。議長、副議長は2年の任期として議論を進めたい」(福島議員)などの所信を表明した後、投票結果は次の通りだった。
投票総数37票。
小野議員、25票
福島議員、11票
無効(白票)、1票。
白票は自らに与えられた選挙権を放棄した対応ともなるので無責任と自覚している。しかし、権利を果たそうとしてもがいた結果としてご容赦願いたい。
所属常任委員会は市民生活
さて、市議会には
政策総務常任委員会、
市民生活常任委員会、
教育福祉常任委員会、
産業建設常任委員会、
の4つの常任委員会が設置され、他に
議会運営委員会、
議会改革推進検討委員会、
政策提案検討委員会、
議会報編集委員会、
意見書案検討会(議会運営委員会の下請け的会議で議会運営委員の制服委員長が主催)、
以上5つの議会運営等にかかわる委員会が設置される。
私の所属は市民生活常任委員会で、市民共同部、生活環境部、水道局、医療センターの4つの部局を担当することになる。
この委員会の所属が決定した後に委員会が開かれ正副委員長が選出された。他の委員会は分からないが、市民生活常任委員会は指名推薦の方法がとられた。おそらくどこの委員会もそうだろう。
注目したいのは、どの会派がどれだけの役職を得たかという点だ。正副委員長が選出される委員会は全部で8委員会あるが、そのうち
委員長職では、
政風会=5、
公明党=2、
真政会=1
となり、副委員長職では、
政風会=4、
公明党=2、
真政会=2
となり、両職の合計で
政風会=9、
公明党=4、
真政会=3
となった。
この他監査があるのだが、これは拡大各派代表者会議で期数が多い順で未経験の議員とい基準で決定され、清風会1、創世会1となっているので、役職配分から外して考える。
正副委員長の関連から見えるのは、政風会に近い会派で役職を担ったと見える点だ。しかも18の役職を10人が担っており、1人2つあるいは3つの役職をかねているケースもある。
一方、創世会(6人)と共産党(3人)は全く正副議長、正副委員長の役職はない。多数の原理から言えばそうなっても当たり前だが、議会の運営をすべての議員が責任をもって担っていくという観点から考えると、偏った結果になっているように見える。
それはそれでルールにのっとった一つの結果だから仕方がないのだが、どこか受け入れがたい。こういう結果となった原因を、過去の私の経験から考えてみたい。
過去の4期15年の間に、初議会のルールを決める拡大各派代表者会議に3期かかわってきた。たぶん。
その場で主張してきたのは、議長、副議長は第1会派と第2会派から選出し、監査委員と委員会の正副委員長は会派の構成員数に応じて配分することだった。議員数が市民の負託の繁栄と考えれば、会派構成数に応じた役職の分配は市民の意思を反映させたものと言える。
会議の中では、すべてが合意したことも、一部の合意を得たこともあったが、少なくとも正副委員長を会派構成員数で分配することでは合意されてきた。その結果、少数会派であってもルールによる配分で何らかの役職につき、議会運営をリードする一角を担った。
ところが今回開かれた拡大各派代表者会議では、議長、副議長をはじめとした役職を定めるルールについての発言は一切なかった。その結果が今回の議会構成の結果につながったのだろう。
今回の結果を、次の機会の教訓にしたいものだ。
質疑
この議会には、専決処分が報告された。その多くは車の事故等に関するものだったが、うち1件が予定価格の誤りによって契約解除になり、30,000円の損害賠償をするものだった。
その誤りは原因は何か、対策はどうしたのか。いくつかを確認することができなければ、専決の承認ができるのかどうかの判断がつかない。そこで質疑をすることにした。
専決処分の対象になったのは「(仮称)磐城平城・城跡公園整備工事」の契約解除。質疑等で明らかになったのは、積算単価の切り替えがされたものの、切り替え予定よりも早くデータの更新がされ、切り替えの通知が分かりにくい内容だったため気づかないまま積算した結果、算出を誤ったという。
今後はダブルチェックをかけるなど誤りのないよう全庁に徹底したいるという。
答弁のようにしっかり対応ができているのか、今後の推移をしっかり見守りたいもの。
質疑後に、諸般の手続きと監査委員任命の議案を採決し、初議会は午後7時30分過ぎに終了した。
そして初議会お疲れさまでした。
正副議長や常任委員会委員長副委員長の選出など、よくわかりました。
これから4年間、前回同様、是々非々の姿勢で、よろしくお願いします。
今後ともよろしくお願いします。