25才のとき、お見合いをして結婚が決まった。46年前である。
職場の同僚や友人たちが口々に「おめでとう!」と祝福してくれた。
その中で、「お相手が農家の長男だと聞いたら、おめでとうって言えない。」と呟いた友が一人いた。
既に農家の長男に嫁いでいた高校時代の同級生だった。
彼女とはずっと年賀状のやり取りが続いていたが、今年は喪中はがきだった。
『主人が亡くなって、自分も体調が悪い』と近況が綴られていた。
私自身も夫の緊急入院でアタフタしていたので、気になりながらも返事が延び延びになってしまい、
やっと、初盆に少しばかりのお供えを送ったところ、電話を頂いた。
電話で話すのは初めてだった。
「やっと元気になったけど、町で仲の良いご夫婦なんか見ると涙がでてねえ・・・」と話す。
うちは入院中だと言うと、「お大事にしてね、いなくなるとホント寂しいもんよ。」としみじみ・・・。
昔話になり、私が、「おめでとうって言えないって言ったのは貴女だけよ。」と言うと、
「え?そんな失礼なこと言ったの?まあ、一番幸せなときにねえ、ごめんなさいねえ。」と謝っている。(笑)
「いえいえ、親身になればこその言葉だったと、ずっと噛みしめてきたんよ。やっぱり長男の嫁って大変だったもん。」
サラリとした付き合いだが、今までも、これからも、彼女は真の友だちだと思う。