雑草の名前は面白い。成る程と思うものあれば、ハテ?と首を傾げたくなるものまで、実に様々。
この花は大正時代にはるばる南米からやってきて、最初に発見されたのが掃き溜めだったということで、ハキダメギクと名付けられたのだそうだ。
ちょっと気の毒である。
器量も良くない。
しかし、目立たず弱々しそうに見せかけて確実にのさばっている。
まるで私のようではないか、と、クスッと笑ってしまう。
嫁に来た頃の話だから、もうかれこれ40年以上も昔のこと。
村の寄合いが我が家で開かれていて、当時は集まれば直ぐに“酒”であったから、慣れないお酌などを努めていると、
誰かが「よかお嫁さんがきましたね」と、お世辞を言った。
すると、舅がこう答えました。
「あゝ、ウチの嫁は掃き溜めから来とりますもんな。嫁は掃き溜めから貰え、言うでしょうが!」
グサッときましたねぇ。
確かに私は旅芸人の娘で、財産も何もありません。
ですが、その言いようはあんまりではありませんか!
と、抗議したなら、私も大した嫁だけれど、言えるはずもなく、ただニコニコとやり過ごしたのでした。
最近になって娘に話したら「う~ん、あるイミ当たってるし~」というのでズッコケた。そうだよね(笑)
でも、もしかしたらあれは口下手な舅の褒め言葉だったのかもしれないと、今は良きに解釈しているのである。
ヤブカンゾウ、ヒメオウギスイセン、パイナップルリリー