雲のたまてばこ~ゆうすげびとに捧げる詩とひとりごと

窓の雨つぶのような、高原のヒグラシの声のような、青春の日々の大切な箱の中の詩を、ゆうすげびとに捧げます

無題(日暮里駅にて)

2011年04月01日 | ポエム

 無題 (日暮里駅にて)


人気の少ない
夜のホームに
夜行列車が眠りを乗せて
静かに通り過ぎて行く
赤いテールライトだけを残して‥‥

そのホームの青白い蛍光灯の光の端で
ひとりの三十前後の男が
無心に石けりをしている
石も無いのに‥‥

(1976)

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