雲のたまてばこ~ゆうすげびとに捧げる詩とひとりごと

窓の雨つぶのような、高原のヒグラシの声のような、青春の日々の大切な箱の中の詩を、ゆうすげびとに捧げます

ある朝の思いつき

2011年05月03日 | ポエム
 ある朝の思いつき

人生が三十年で終わるとしたら
人間の寿命がそう決まっていたら
ある朝の思いつきでしかないけど
ぼくは 今、何をするだろう?

ある時は
年老いた自分が目の前に見え
自分の一生を抱きしめた気になり

ある時は
明日の自分が見えずに
一生の長さに恐ろしく絶望する

空を見上げては
喜びにふるえ
暗い渕を覗いては
ためらいに心も凍る
そんな背中合わせの生と死を背負って
するどい尾根道を歩いているようだね

( 人生が三十年で終わらないなんて
 いったい誰に言えるだろう)

三十年でも五十年でも百年でも
明日死ぬかもしれないし、
このまま五十年、六十年と
生きるのかも知れない

( それをいったい誰が知っているだろう)

人生は短く
一日は、長い‥‥
ある朝の結論

(1978.2.5)





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