朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。
福島を離れて四年福島のナンバー付けて子ら帰りくる
(田辺市)岡田俊朗 (2/8 永田和宏選)
七千人の除染作業員に賑わふと南相馬市の友の賀状に
(国立市)半杭螢子 (2/8 佐佐木幸綱選)
高浜原発止めし裁判長は飛ばされて生命守らぬ国は哀しも
(福井県)下向良子 (2/8 佐佐木幸綱選)
五歳(いつとせ)を弱音吐かざる妹の仮設の屋根に雪は降り積む
(下野市)若島安子 (2/14馬場あき子、高野公彦選)
黒々とフレコンバッグ積み上げて置き去りの被爆地に今日は雪降る
(熱海市)宮島郁子 (2/14馬場あき子選)
原発の再稼働また一基増ゆさして大きく騒がれもせず
(前橋市)荻原葉月 (2/22馬場あき子選)
老いの日を土に生きむと言ひし夫避難して後は読書にこもる
(国立市)半杭螢子 (2/22馬場あき子選)
きさらぎの夜空を照らす満月は住民0(ゼロ)の富岡照らすや
(国立市)半杭螢子 (3/7 高野公彦選)
二十年住み慣れし家荒れ果てて原発避難五年の哀し
(国立市)半杭螢子 (3/7 佐佐木幸綱選)
想定外は想像力の乏しさを認める言葉 蘆(あし)が角(つの)ぐむ
(福山市)武暁 (3/21 永田和宏選)
被爆楠冬の光を弾きけり
(長崎市)佐々木光博 (2/22 金子兜太選)
三・一一深くて暗い谿(たに)である
(三郷市)岡崎正宏 (2/29 長谷川櫂選)
国策の果ての被爆や霾(よな)ぐもり
(山口市)浜村匡子 (3/21 金子兜太選)
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