かわたれどきの頁繰り

読書の時間はたいてい明け方の3時から6時頃。読んだ本の印象メモ、展覧会の記憶、など。

原発を詠む(31)――朝日歌壇・俳壇から(2016年3月28日~4月4日)

2016年04月04日 | 鑑賞

朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。

 

五年目の節目といわれるその日にも防護服着た人七千人がイチエフに居る
             (福島市)加藤哲彰  (3/28 佐佐木幸綱、高野公彦選)

とりどりの花の種袋手に老兄(あに)は除染の後の土に蒔くとふ
             (福島市)美原棟子  (3/28 佐佐木幸綱選)

四十年以上は自信持てないと自分で止まる高浜原発
             (三鷹市)大谷トミ子  (3/28 高野公彦選)

ふたたびを異火(ことひ)焚くとやみちのくの大災いをゆめ忘れまじ
             (山陽小野田市)蘇怜耶  (3/28 高野公彦選)

菜を買えばキャベツ七五〇〇個を捨てた農夫の自死よみがえる
             (福島市)澤正宏  (3/28 馬場あき子選)

東京のくにたちに香る沈丁花福島のわが庭に濃から
             (国立市)半杭螢子  (4/4 永田和宏選)

帰れねぇいまさら解除といわれても口惜しいけれどもう帰れねぇ
             (会津若松市)赤城昭子  (4/4 永田和宏選)

沖縄に米軍基地をつくらせて傍観してをるフクシマの我
             (いわき市)馬目弘平  (4/4 永田和宏選)

帰りたいでも帰れない原発禍帰らぬと決め涙溢るる
             (前橋市)荻原大空  (4/4 佐佐木幸綱選)

味噌汁の湯気のとなりに汚染水タンクだらけの朝刊の写真
             (香川県)薮内眞由美  (4/4 佐佐木幸綱選)

原発は妖怪なれば石棺をシェルターで覆ふ百年黙るか
             (浜松市)松井惠  (4/4 佐佐木幸綱選)

漆黒の墓石のごとく立ち並びどこへも行けぬフレコンバッグ
             (前橋市)荻原葉月  (4/4 佐佐木幸綱選)

 

白寿翁被爆の郷(さと)の梅に逝く
             (相馬市)鹿又一武  (3/28 金子兜太選)

春を食(は)む被爆の牛よフクシマよ
             (三郷市)岡崎正宏  (4/4 金子兜太選)



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