沙羅双樹の花の色

飲み会と言っても結局誰も飲まなかった。

ただの焼き肉パーティ
職場の人達との懇親会
別に目的も趣旨も曖昧なまま始まり
曖昧なまま終わった。

でも楽しかった。
そんで美味かった。

そういう席で自分がどういう位置付けになるのかを楽しみにもしていた。

結局、男性2人女性3人
男性の僕よりも年長者が発起人
でも社員じゃない。

その男性は……
いやその人のことは書かずに
単純に僕のことだけを書いた方が良いだろう。

僕は相変わらず
デカイ声で質問攻め
自分に矛先を向けられるのが好きじゃないので
色んな人に質問攻め
みんなが反応が良い話題を広げる。

結局、僕がMCになってしまう。
僕は、人見知りが過ぎるので
MCは苦痛である。

でも流れ上、そうなった。
僕は年齢が2番目で一番後輩である。
他の女性陣は僕よりはるかに若く
先輩である。

本来なら僕が出しゃばるところではない。
黙ーって肉を突けば良いのである。
でも変な間が開く。
その男性に任していると
女性陣が……イヤーな空気になっている。

僕には耐えきれない。
この構図で、この会がイヤーな空気になるのが嫌だ。

だから僕が失礼な質問をしようと
嫌われようとも会話を続けたいのだ。
喋りすぎた、息継ぎが出来ないほどに！
それぐらい喋り続けたいのだ。

間が嫌なのだ、間が……

その先輩は
どうやら女性に対しての会話のチョイスも
女性陣がドン引きする一歩手前
キャラが、面白キャラなのでどうにか持っているが

本気かジョークか女性陣に
「fax番号教えて」と言う謎の質問をした時には驚いた。

そして食い気味に
「嫌です」と断られてた時にはもっと驚いた。

なぜにfax番号？
そしてなぜに食い気味？

確実に電話番号を聞くことに失敗した。
僕が仕事仲間に電話番号を尋ねて
食い気味に「イヤです」と言われたら
ショックで凹んじゃう。

だから電話番号を聞かないことにしている。

もう恐ろしい。
下手なホラー映画より怖いのだ。

僕のMCっぷりの評価は出ない。
明日以降の仕事仲間との関係性で徐々に判明していくのかもしれない。

どうやら先輩は、本気で番号を教えて欲しかったようで

食べ終わって解散した後
メールで
「お疲れ様でした。楽しかったです。残念ながらメアドはGET出来ませんでしたね……」とご挨拶すると

「メアドはまた頑張ります」

とのことで
諦めていないようです。
凄い鉄のハートをお持ちのようで

ある意味、先輩を尊敬しました。

美味しく腹一杯で帰宅しました。
明日の仕事が楽しみです。
先輩にも会いますし……
どんな反省会になるのか……