ファミレスの客は祭日の夕方らしく賑わっていた。
久しぶりの友人と愉快な出来事や懐かし話、未来の話に花が咲く。するとパーテーションを挟んで3つ向こうの座席から大きな声。
「…ング、1こっ!」
一瞬で空気を凍りつかせる威圧した雰囲気。ファミレスの時間は止まる。
20歳くらいのバイトの男の子は困惑している。
「皿を置くなっ!俺が頼んだのはイカリング1こ」
酔っ払いがまた変ないちゃもんつけていると、微妙な距離に被害を恐れた。
何分かして店長らしい人が現れる。
もう友人との楽しい話は出来ない。
携帯をいじったり、危険を未然に察知しようとその座席に釘付けだった。
「注文と違うものを持ってくるな!お金はなんぼでも払う!イカリング1個や!お前らお金は好きやろ!」
ドリンクバーを取りに行く子供たちは自分たちの座席に戻れなくなっていた。周囲のボックス席の客たちも帰っていく。
パーテーションの上から店長だけが見えている。どうにか「大きな声で他のお客様のご迷惑で…」とか言っていたが効果ない。
立ち上がった変なおじさんと店長が対峙した。今にも始まるか?パーテーションの上に店長の横顔と変おじの横顔が間1cmで向き合う。恋人ならキスの距離だ。
「俺の注文したものを持ってこれないなら、その皿を置くな!お前口臭い!」
そう言って変おじは座った。
暴れそうな変おじは店長の口臭で一旦落ち着いた。
ファミレスの客は僕たちと残りは数組になっていた。見渡してもほぼ客はいない状態になった。
…
15分くらいして兵庫県警の屈強な男が数人入ってくる。店長に事情を聴いた後、変なおじさんに近づいて語りかける。
どうしたん?
どうやら警察が来ていることも分かって答えるおじさん。
変おじ「イカリング1個や言うてんのに、何個も持ってくるんや」
警察官「イカリング?」
変おじ「それと米ひと粒を注文したんや」
警察官(ちょっと笑いながら)「米粒は無理やろ?ファミレスなんやからメニューにないものを注文するのは難しなー、名前は?」
変おじ「や◯◯◯ ◯◯◯」
フルネームを告げた警察官は少し離れて無線を飛ばす。
「暴れ、なし!怒り治った様子…」
それを聞いた変おじは「怒りはおさまってまへんでー」とかブツブツ
でもどう見ても酒に酔っていない。
シラフなのだ。
警察官に周りを囲まれ、会計を済ませて向かいの警察署に連れて行かれた。
ようやく友人との会話も復活。
ドリンクバーに行くのも忘れていた。
なんという時間だったのだ。
同じ地球上なのだろうか。
時が止まったその日常はそのファミレス以外の世界から隔離された漂流教室のような感覚だった。
それからまた楽しい話もできたから、
本当にあの瞬間は真実なのだろうか?
ガランとしたファミレスの様子だけが真実を語っていた。
久しぶりの友人と愉快な出来事や懐かし話、未来の話に花が咲く。するとパーテーションを挟んで3つ向こうの座席から大きな声。
「…ング、1こっ!」
一瞬で空気を凍りつかせる威圧した雰囲気。ファミレスの時間は止まる。
20歳くらいのバイトの男の子は困惑している。
「皿を置くなっ!俺が頼んだのはイカリング1こ」
酔っ払いがまた変ないちゃもんつけていると、微妙な距離に被害を恐れた。
何分かして店長らしい人が現れる。
もう友人との楽しい話は出来ない。
携帯をいじったり、危険を未然に察知しようとその座席に釘付けだった。
「注文と違うものを持ってくるな!お金はなんぼでも払う!イカリング1個や!お前らお金は好きやろ!」
ドリンクバーを取りに行く子供たちは自分たちの座席に戻れなくなっていた。周囲のボックス席の客たちも帰っていく。
パーテーションの上から店長だけが見えている。どうにか「大きな声で他のお客様のご迷惑で…」とか言っていたが効果ない。
立ち上がった変なおじさんと店長が対峙した。今にも始まるか?パーテーションの上に店長の横顔と変おじの横顔が間1cmで向き合う。恋人ならキスの距離だ。
「俺の注文したものを持ってこれないなら、その皿を置くな!お前口臭い!」
そう言って変おじは座った。
暴れそうな変おじは店長の口臭で一旦落ち着いた。
ファミレスの客は僕たちと残りは数組になっていた。見渡してもほぼ客はいない状態になった。
…
15分くらいして兵庫県警の屈強な男が数人入ってくる。店長に事情を聴いた後、変なおじさんに近づいて語りかける。
どうしたん?
どうやら警察が来ていることも分かって答えるおじさん。
変おじ「イカリング1個や言うてんのに、何個も持ってくるんや」
警察官「イカリング?」
変おじ「それと米ひと粒を注文したんや」
警察官(ちょっと笑いながら)「米粒は無理やろ?ファミレスなんやからメニューにないものを注文するのは難しなー、名前は?」
変おじ「や◯◯◯ ◯◯◯」
フルネームを告げた警察官は少し離れて無線を飛ばす。
「暴れ、なし!怒り治った様子…」
それを聞いた変おじは「怒りはおさまってまへんでー」とかブツブツ
でもどう見ても酒に酔っていない。
シラフなのだ。
警察官に周りを囲まれ、会計を済ませて向かいの警察署に連れて行かれた。
ようやく友人との会話も復活。
ドリンクバーに行くのも忘れていた。
なんという時間だったのだ。
同じ地球上なのだろうか。
時が止まったその日常はそのファミレス以外の世界から隔離された漂流教室のような感覚だった。
それからまた楽しい話もできたから、
本当にあの瞬間は真実なのだろうか?
ガランとしたファミレスの様子だけが真実を語っていた。