先週の山業で今年のS川訪問は終了。次に向かうのはH川となる。
ただ、このH川の山菜採り場、S川よりも300~400m標高が高いので、季節の進み具合が2週間ぐらい遅れるのが常である。だから、今週はのんびりしていてもいいはずなんだけど、どうしても出逢いたいもの、時を逸したくないものがあって出掛けることにした。
日の出の時刻が4時10分台となったこの時期。ここから逆算すると、午前3時出発となる。
予定通りに車止めに着き、行動開始。この山中にも、以前からの山菜採りだかイワナ釣りだかが残した踏み跡があるのだが、一時期の源流釣りブームが下火になると、道も荒れてきた印象。
予想していたよりも季節の進みは早いようで、残雪は殆どなく、頭上の山菜であるコシアブラも開き加減だった。
3本の沢を渡るとH川の流域となる。目標の広場には、ランドマークと言うか、ご神木とでも言えるような巨木がそそり立っているので、そこをめざして谷を降りればよい。
ブナ林の先に巨木が待つ
巨木の周りは広場になっていて、色々な山菜が採れるんですが逢いたいのはそれらではないんです。広場に入って暫く歩くと、「!」 白い点々。
「あれかな?」近づいて見ると、
咲いていました
サンカヨウです。
朝露に濡れたガラス細工の花
辺りを見渡すと、この辺だけにしか咲いていません。よく見るとここだって、
多くの花が花びらを落としていました
ああ、最後の花だったんだ。
一昨年は間に合いませんでした。去年は、雨の中を強行して訪れ、出逢うことが出来ました。今年はどうなるかと心配していたのですが、かろうじて間に合ったようです。よかったあ。これで目的達成だぜ!
残りの時間は、山菜採りを楽しみましょう!!
ちょっとした竹林でも侮るなかれ
親木から『わき芽』が出ていたら、タケノコが出ている証拠です。
やっぱり出てました
あれ?
フキノトウだ
フキノトウも食べ頃じゃないですか。さすがは奥山。こちらも少々戴いて帰りましょう。
サンカヨウに山菜。ダブルの満足で思い残すことはありません。山の神様にお礼を伝えて帰ることにしましょう。
ブナの森に朝日が差し込む
帰り道、不思議なことに気付いた。日が差す前の往路で聞こえてきたのは、アカショウビンの「キュルルルル・・・」という囀りと、キツツキのドラミングの音ばかりだった。ところが、森の中に日が差し始めた復路を歩くと、エゾハルゼミの合唱が勢いづいてくるのが分かる。この辺の住み分けの理由も、考えてみると面白そうですね。
「もっと楽しんでいっていいんだぞ。」
どこからか声が聞こえてくる。
「ありがとう。でも、今日はここまでにしておきます。」
無理はできないからね。
セミの合唱と新緑の空気の心地よさに後ろ髪を引かれながら森をあとにする。
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