山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

あったまれ(さんぽうた109)

2021年10月16日 | いきもの

  あったまれ  こきあ じいじ

 

ほうれ

あたっていけ

 

おらほの たきびは

あったまるぞ

 

なんでも はなせ

しんぱい すんな

 

おれは

なんにも できねえ

 

ただな

ここで はなせば

からだが かるくなる

 

しんぱいすんな

おもたい にもつ

おいていけ

 

それだけで

こころが あったまる

 

 

     色づき始めたコキア(ホウキグサ)

       こちらは冷たい風の当たる方から

       見事に染まったものも

       並べて植えている方も多いようですね

 何とも美しく温かい色彩です。

 冷え込みが始まり、身も心もかじかみ始めた頃に、暖色に衣替えするコキアの色彩って、

「ほれ、こごさ来て温まっていげ。」

と言われているようで、ホッコリします。

 マタギは、昔からこの草が大好きです。この形と色彩に、ずうっと惹かれていたんだけど、どうしてなのかは考えたことがありませんでした。

 昼の散歩コースに栽培しているところが少なからずあったので、巡ってみると聞こえてきました。

「心配するな。あったまっていけ。」

そうだよね!あなたたちは、人を元気づけるために、そこにいるんだ。

 至極、当たり前なんだけど、至極、大切なことに気付かされた今日の散歩でした。


転んでもただでは起きない茸料理

2021年10月15日 | キノコ料理

 せっかく採ってきたオシロイシメジは、可哀想だけれど廃棄。そうなると、キノコが足りませんね。仕方がないので、今回の料理には、別の素材を加えて盛り上げましょう。

  冷凍してあった舞茸を追加(これで、ヒラタケ、ナメコ、ナラタケにマイタケ+α)

 それから、乾燥保存の山菜も使いましょう。

       5年前の山菜です

       たっぷりの水に入れたら加熱します

 沸騰後、火を止めて、冷めるまで数時間。この間に、材料の1つである鶏もも肉を買いに出掛けました。(余計な物まで買ってきたんだけど、機会があれば紹介します)

       アクの抜けた赤コゴミの復活(感動です!)

       キノコの量に見合う分だけ切り分けます(実際はこの倍)

 ここまでで、下ごしらえ完了かな?

 調理の部です。

 ・だし汁1ℓに、切り分けた鶏もも肉200gを入れて茹でます。(アク抜き必須)

 ・用意したキノコと赤コゴミを入れます。山菜なら何でもいいと思うけど、この山菜は特に旨い。

 ・出汁醤油150mlを加えて加熱

       いい香りがしてきます

 ・4~5分煮たら出来上がり。味をみて、塩で微調整

 ※今回は生のキノコですので、しっかり火を通しました。

       ≪出屋風キノコ汁≫の出来上がり

       本日の夕食(右が山菜汁、上に赤コゴミ炒め煮とナメタケ)

 ああ、美味しかった。まとまった量のキノコが採れなかったときは、この料理に助けられることが結構多いと思います。キノコの種類は、いくら増えてもOK。山菜の種類も同様です。増えるほどに、味わい深くなっていく気がします。ただ、今回の料理では、主役がキノコだったので、山菜は赤コゴミだけにしました(時間の制約もあり)。5年前に保存したものなのに変わらぬ美味しさ。そして、良い出汁が出るんです(ゼンマイより旨いかな?)。このことにも感動です。

 廃棄してしまったオシロイシメジ君の冥福を祈ると共に、山の神様からの恵みへの感謝を込めて、合掌。そして、

 ご馳走様でした。


可哀想なキノコ

2021年10月14日 | キノコ料理

 本日収穫したキノコのうちで、キノコ料理に採用されたもの。

      4種類のキノコを使います

ただねえ、問題はこの子なんですよ。5種類目。

       オシロイシメジです

このキノコ、前回採ってきたときには、お吸い物にしてみんなで喜んで食べたんです。ところが、ここに問題が発生。

       美味しいという評価です

でも、

 『は、食べられるマーク。『は、要注意のマーク。そして、

       全否定です

 同じキノコなのに、図鑑によって評価がバラバラ。これは、天然の食材の宿命と言っても仕方ないかもしれません(生産・流通組織までできてしまえば起きない問題)。

 ちょっと最近風の言葉で言うと、エビデンスがないんです。

 もうちょっと言うと、直近では、コロナワクチンの承認には、何万人もの実験が行われていますね。雑な数字ですけど、1万人にインチキ薬(プラセボ)を投与した場合、100人が感染したけど、同じ1万人なのに、本物を投与した方は5人しか感染しなかった。したがって、95%の人に有効だったと思われる。だったら、投与した方がいいんじゃない。これが、承認決定の理由です。

 こんな考え方でやってくれればいいのに、それをやっていないんですよ、キノコという食材に関しては。100%でないと許してもらえないみたいなんだよね、特に、マイナーなキノコに関しては厳しい気がするんですよ。

 もちろん、死に至るとか、重篤化するようなキノコなら100%が基本だと思います。だけど、「お腹の具合が悪くなるかも」ぐらいだったら、変なお墨付きは付けてほしくないですね。多分、マツタケやシメジみたいに名の知れたキノコで具合が悪くなっても(「体調のせい」とか「食べ過ぎたから」みたいになり)毒キノコにはならないはずなのに・・・。

 もう一言だけ。去年まで何回も食べてきて、何ともなかったんです。それが、「今年から毒キノコと言われるようになったので、食べてはいけません。」って変だと思いませんか?

 で、我が家で、この情報を提供したところ、1名だけ『それでも食べたい』、2名は『絶対食べたくない』だそうだ。ここでマタギ1人が抵抗して食べた結果、万が一中毒が発生したら、マタギの責任だよね。それは避けたい。したがって、家族のために廃棄することにしました。

 ショボン (´・ω・`)

 ああ、可哀想に。以前は美味しく食べていたのに・・・。

 実は、キノコの世界では、こういう可哀想な種(しゅ)がもっとあります。前回ちょっと触れた『スギヒラタケ』もそういう仲間。

 この辺が天然食材の限界かなあ。

 ・・・すみません、文章が長くなってきました。採用されたキノコの使い方までは届きません。

 この先は、

 To be continued!


今年のキノコ採りは難しい

2021年10月13日 | キノコ採り

 季節は次のステップへと進んでいるようなので、マイタケ採りに少々の未練を残しつつも、雑キノコ採りに移行していくことになる。

 そうなると、同行者は向かいの住人であるM氏になることが増えてくる。他の仲間との同行も考えられるのだが、我々のうちで確立された行動パターンだと、少人数限定にならざるを得ない。簡単に言えば、取り分は1/1 > 1/2 > 1/3・・・ってことです。

 「いやあ、秋刀魚旨いっけやあ。ご馳走様な。」

 「うちでもハナオクラ旨くて旨くて、みんなで喜んで食ってたず。」

そんな会話を交わしながら林道を進む(プリンセスの話は抜きです)。

 珍しく先行の軽トラ車が1台駐まっている。我々が車止めに着いたのが、日の出時刻の10分前だから、このお方は、もっと前、暗いうちから行動開始したと思われる。気合い入っているなあ。こちらは雑キノコ狙いだから慌てる必要ないんだけど、なんとなく力が入る気がする。これは、こうして収穫をめざす人間の気合いが乗り移るからだと思う。不思議な連帯感とライバル心とが、同時に湧き上がってくるんですよ。

 さあ、準備OK。行ってみましょう!

       少しずつ色づいてきました

       おおっ、ナメコじゃないか。さい先良し!

       相棒はナイフを忘れたみたい。手で採ってる

 進んでいくと、

       クリタケですね

マイタケはありませんでした。サワモダシも殆ど終わりみたいだけど、キノコの種類が増えてきた感じ。

       美しい!

 山の高いところから日が差してきました。そうして暫くすると、

       渓にも日が差してきました

色々なキノコが顔を出し始めたけれど、真っ盛りとなるには、もう暫くかかる感じです。

 その後、カラマツ林を歩き回って(収穫、ほぼ0)から一番下流の倒木を当たってみたところ、

       キクラゲと

       真っ白だけどヒラタケです

ナメコはまだだったけど、雑キノコが少しずつ顔を出し始めた感じ。ブナハリタケかと思ったのに、この倒木でヒラタケとは、驚きでした。

 念のために付け加えると、この倒木はブナなので、このキノコは、針葉樹に生えるスギヒラタケではありません(スギヒラタケは、最近、毒キノコになってしまった『可哀想なキノコ』(次回以降紹介)の代表格)。

「やっぱり、来てみて初めて分かることって多いね。」

「次は来週。いや再来週かな。」

「うん。ツブが全然なかったからね。・・来週は難しい気がする。」

「だとすると、雪が降るまでの僅かな期間で勝負だな。」

「うん。競争になると思う。」

 さて、どういう展開になるか・・・。今年のキノコ採りは、本当に難しいと思う。

 

 山の神様、天気の神様、どうか、よろしくお願いいたします。


プリンセスはご機嫌斜め

2021年10月12日 | キノコ採り

 本日は夜勤日。予報を見ると、天気も良さそう。だったら、軽~くキノコ採りに出掛けましょう!

 ターゲットは、キノコのプリンセス。里山で最も可愛らしいキノコだ。そろそろ出始めると思うんだよなあ。

 本名は、ハナイグチ。人気があるんだろうね。別名(地方名)は、いっぱいあるんだけど、当地ではラクヨウショウ(落葉松)モダシとも呼ばれています。

 名前の通り、落葉松(カラマツ)の林に発生します。見た目も可愛らしいし、紛らわしい毒キノコもない上に、苦労なく採れて美味しいんだから人気があるのは当然だと思います。さあ、本日はどうかな?

 本日は、海抜の低い方の林に入ってみました。

 歩き回ること30分。全然出ていません。

 来るのが早すぎた?遅すぎた?それとも誰かに採られた?いろんな考えが頭の中を巡り始めた頃、

       1本目を発見!

やっと1本見つけました。出始めの美味しそうな王女様。周辺には、何もなし。

 また歩き回ること暫し。

       2本目発見!

ちょっと開き気味だけど、裏面がきれいだから美味しく食べられるでしょう。

 その後、かなり歩き回ったんだけど、収穫はなし。諦めて帰宅しました。

       本日持ち帰った全て

 今日のプリンセスは、ご機嫌斜めだったようです。

 相手は自然だ。仕方がない。たった2本でも丁重にもてなさねばなるまい。

 ≪ハナイグチのナメタケ≫にして戴くことにしました。

       適当な大きさに割いて、虫だし

       酒醤油みりんで煮詰めていき

       煮詰まる前に火を止めて出来上がり

 ナメコのようなヌメリに加えてボリュームがあって美味しいです。今回は、水にさらす時間を短くして下茹でもしなかったので、食べてみると松葉の爽やかな香りが新鮮でした。

 帰宅途中に聞いていたラジオでは、「今年のマツタケは、冷え込みと雨不足のために苦戦」みたいなことを言っていました。言われてみれば、本日出会ったプリンセスも乾燥気味だった気がします。カラマツタケも、今年は苦戦なのかなあ。

 まあ、2本だけでも収穫があったんだから感謝です。次の雨のあと、もう一度チャレンジしてみようと思います。

 山の神様、次回もよろしくお願いいたします。