北国の青い空 ザ・ベンチャーズ
夕方、縁側でかき氷を食べていると
同級生の笹岡迦陵頻が手のひらにカエルを乗せて、アイスを食べながら遊びに来た
「八田君、君最近ラジオ体操に来ないね
寝坊でもしてるの?
僕なんか、こんなにスタンプが貯まったよ
これ全部マイルに交換して今月はハワイに家族旅行だよ」
「いや、そうじゃないんだ。先週まで入院しててね
電池交換したんだけど、その充電時間が毎晩12時間もかかるんだよ」
「もう8月だよ、ぐずぐずしてると夏休みはすぐ終わっちゃうよ
君、知ってるかい?
『夏への扉』はたった1秒間しか開いてないんだよ」
僕は前から知っていた
夏への扉は1秒しか開かなくて、今までそれを見つけた人はいないのだと
扉を見つけた人は向こう側に行ってしまうから
一生帰ってこない
だから、誰も扉の在る場所を知らないのだ
扉の向こう側は青空だけが広がる世界だという
その青さに目を奪われて
気が付いた時には一生が一秒で終わっているのだという
だから再び元の世界に戻ることはできないのだ
「ねえ、君、アイスとかき氷、交換しないか」
同級生の笹岡迦陵頻が手のひらにカエルを乗せて、アイスを食べながら遊びに来た
「八田君、君最近ラジオ体操に来ないね
寝坊でもしてるの?
僕なんか、こんなにスタンプが貯まったよ
これ全部マイルに交換して今月はハワイに家族旅行だよ」
「いや、そうじゃないんだ。先週まで入院しててね
電池交換したんだけど、その充電時間が毎晩12時間もかかるんだよ」
「もう8月だよ、ぐずぐずしてると夏休みはすぐ終わっちゃうよ
君、知ってるかい?
『夏への扉』はたった1秒間しか開いてないんだよ」
僕は前から知っていた
夏への扉は1秒しか開かなくて、今までそれを見つけた人はいないのだと
扉を見つけた人は向こう側に行ってしまうから
一生帰ってこない
だから、誰も扉の在る場所を知らないのだ
扉の向こう側は青空だけが広がる世界だという
その青さに目を奪われて
気が付いた時には一生が一秒で終わっているのだという
だから再び元の世界に戻ることはできないのだ
「ねえ、君、アイスとかき氷、交換しないか」