河童アオミドロの断捨離世界図鑑

ザスドラス博士の弟子の河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

忘れ物

2010年08月30日 | 青の妖精と夏への扉
さっきの清掃の老人が戻ってきた

「何か忘れものですか」

「答えを教えてやったんだから、金よこしな1000円でいいよ
食ってただ生きてるだけじゃつまらんからな
酒も飲みたいし、金も欲しいんだよ、早く1000円出せよ
お前みたいな若造に体力では負けてないぞ
痛い目に会いたくなければ1000円出せ
500円玉2枚でもいいぜ」

「若造って、俺、今年で65歳ですけど」

「えっ、それじゃワシと同い年じゃないか」

夏の終わりは逃亡の日

2010年08月30日 | 青の妖精と夏への扉
子どもの頃は7月は永遠の夏休みが始まる時でなんでもできそうな
サラリーマンの金曜の夜感覚とでもいうか
たっぷり時間があるというワクワク感があった

8月の終わりは最終回というか
サラリーマンの日曜の夕方症候群とでもいうか
最後に何かしなければという感覚と最後に逃亡しなければ
という両方の感覚があったような気がする

冬場や秋に暑い国に行くと7月が今年何回目の夏かわからなくなり
さらにひきこもっていると、何月何日だか、ここが地球上のどこだか
わからなくなってきた

ブログのカレンダーを見ると3日だけ空白があるので
今月は3日しか仕事をしていないということか
というか、わてに仕事は有ったのだろうか

そろそろ逃亡の時期である

全体は部分を模倣する

2010年08月30日 | 青の妖精と夏への扉
気が付くと電車は車庫に入っていた
車内には俺と清掃担当の老人の二人しか居なかった
俺は老人に質問してみた

「1.人間はなぜ生きているのですか
2.みんなが幸福になるためにはどうしたらいいですか
3.自分を救うためにはどうしたらいいですか」

「ああ、それね、よく聞かれるんだよね
別に理由も目的も方法も無いよ
指が丸っこい人は体も丸っこいように
素粒子や細胞の振る舞いを脳が模倣してるだけだよ」

「なななんですか、それは」

「無が出来るとそこに素粒子が生まれる
細胞が傷つくと活発に増殖する
それと同じだ
目的の無くなった人間は脳が無理やり理由や目的を作り出す
あんたもわしみたいに食うに困ったら
そんなバカなことは考えないよ
生きてることは生きてる以上の意味など無いからな
3日ほど絶食してみなよ
人生の目的は食うことだけだってわかるよ」

そう言って老人は次の車両へと移っていった