「えっ、二郎ったら、今日はストーンヘンジまで行ったんですって
気を付けなさいよ、バッテリーが持つのは4時間ですからね」
「わかってるよ、バッテリーで動いてるこの体とメモリーのデータが
八田二郎の実体なんだろ
じゃあ、本当の八田二郎はどこにいるんだよ」
「母さんに向かってなんて質問をするの、メモリーの中身が八田二郎、あなたよ
本当の八田二郎なんてどこにもいないわよ
たとえばさあ、田中角栄なんていう政治家、本当にいたのかどうかもう誰も
わかんないでしょ、でも地デジのメモリーには時々保存されてるのよ
それが田中角栄よ」
「なんなんだ、そのタナカカクエイって、食べたらおいしいのか」
「だめでしょ、金魚にそんなにいっぺんにエサやっちゃ
ほら、風鈴の音色も秋のトーンに変わってきたわ
はやく、夏休みの宿題を済ませなさいよ
来週からコートダジュールにリゾートに行くんだから」
遠くでは鳴き方を覚えたばかりのツクツクボーシがぎこちない
夏の終わりの予告編を流していた
そういえば空の色も先週より秋色になってきたようだ
今日の晩御飯はカレーのようだ
そういえば昨日もカレーだった
気を付けなさいよ、バッテリーが持つのは4時間ですからね」
「わかってるよ、バッテリーで動いてるこの体とメモリーのデータが
八田二郎の実体なんだろ
じゃあ、本当の八田二郎はどこにいるんだよ」
「母さんに向かってなんて質問をするの、メモリーの中身が八田二郎、あなたよ
本当の八田二郎なんてどこにもいないわよ
たとえばさあ、田中角栄なんていう政治家、本当にいたのかどうかもう誰も
わかんないでしょ、でも地デジのメモリーには時々保存されてるのよ
それが田中角栄よ」
「なんなんだ、そのタナカカクエイって、食べたらおいしいのか」
「だめでしょ、金魚にそんなにいっぺんにエサやっちゃ
ほら、風鈴の音色も秋のトーンに変わってきたわ
はやく、夏休みの宿題を済ませなさいよ
来週からコートダジュールにリゾートに行くんだから」
遠くでは鳴き方を覚えたばかりのツクツクボーシがぎこちない
夏の終わりの予告編を流していた
そういえば空の色も先週より秋色になってきたようだ
今日の晩御飯はカレーのようだ
そういえば昨日もカレーだった