河童アオミドロの断捨離世界図鑑

ザスドラス博士の弟子の河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

東洋と西洋の継ぎ目

2010年08月26日 | 青の妖精と夏への扉
インドは東洋か西洋かどちらなのだろうか
東洋と西洋という分け方も意味が無いのかもしれないが
一神教キリスト教的か多神教仏教的かという違いかもしれない

「今日は鉄道の予約は休みだよ。
俺が代わりにいい旅行会社を紹介してあげるよ」

なんという親切な人なのだろうか

運転席中に神様のシールを貼ったリクシャーは
猛スピードで車の隙間を走りぬけ
デリーの入り組んだ路地の奥にある小さな
政府公認旅行社?に到着した

デリーの超能力者

2010年08月26日 | 青の妖精と夏への扉
インドの夜は暗かった。
暗い夜に色黒の人々がたくさん集まってることでさらに夜を暗くしていた。
アンバサダーの黒いタクシーは、舗装の悪い道をがたがた走っていく。
カーラジオからはシタールの音色のインド音楽が流れている。本当にインド音楽が流れていることが冗談のような不思議な気がした。

「ボンッ」

突然音がしてハンドルのあたりから白煙が上がり、車内は真っ白になった。

「ノープロブレム」

いや、真っ暗な夜道で車が止まったら大問題では・・・

ドライバーは真っ暗な中、ボンネットを開け、配線を5、6本引きちぎった。そして車内にもどると、ハンドルの下にもぐり、さらに2、3本配線を引きちぎった。

「ノープロブレム」

いや、配線無しでエンジン回るのか・・・

キーを回すとエンジンがかかり、ライトは前方の牛の群れと道端に寝ているたくさんの人を照らし出した。

こんなところで人が寝ていたのか。

真っ暗闇の中で車の修理?ができるこのタクシードライバーは超能力者か。

「ノープロブレム」

確かに世界には最初から問題など無いのかもしれない。

真っ暗な道の前方だけをスポットライトのように照らし、やがてタクシーは街外れの真っ暗なホテルに着いた。

インドへ

2010年08月26日 | 青の妖精と夏への扉
精神世界の探求にはインドに行くのが良いとされている
そこには聖と俗が入り乱れ
日常から修行や瞑想する人の姿が見られるという。

それからというものの
「地球の歩き方」「印度放浪/藤原新也」「インドでわしも考えた/椎名誠」「聖☆おにいさん」」「たまごクラブ/ひよこクラブ」等を
読み漁りインドに対する予備知識を身につけた。

航空券の安くなる連休後に行くことにして
インドに行ってからの質問内容を考えた

1.人間はなぜ生きているのですか
2.みんなが幸福になるためにはどうしたらいいですか
3.自分を救うためにはどうしたらいいですか

熱病

2010年08月26日 | 青の妖精と夏への扉
入社日から三日後、夕方、僕は社長室に行った

「僕は夢を探すための旅に出たいんです
いや、自分を救うための旅といったほうが正確かもしれないです」

「君はまだ若いから、なんというのか今は熱病のようなものにかかっているんだよ
そういうのは年月が経てば熱も下がり周りがはっきり見えてくるもんだ」

自分の席に戻ると、もうほとんどの社員は退社した後だった
会社のレポート用紙を一枚ちぎり、マッキーの太書き油性ペンで
「僕は旅にでます。会社は今日で辞めます」
と書いて、机の上に置き、気まぐれな春の風で飛んでしまわないように
二つ穴パンチを重しがわりに乗せておいた

次の日から僕は会社に行かなかった
あらゆるものから開放されたかのような澄んだ平穏な気持ちと
これからの収入をどうするかという不安が水底からわきあがる泥のように心を濁らせていた。

救いようの無い人

2010年08月26日 | 青の妖精と夏への扉
あれは四月。新入社員の自己紹介の時だった。

「じゃあ、簡単に自己紹介と今後の抱負をお願いします」

「岡山から来ました川田と申します
御社に採用していただいて感謝しております
でもですよ、人間はなんで仕事せにゃいかんのか
しゃあけえ、生きてく事になんの意味があるんじゃい」

「・・・
そんな事言ったって、世界はもう始まってしまってるんだよ
まったく、救いようの無い人だなあ」

あまりのショックに家に帰ってから岡山の彼女に電話した

「人間はなんで会社員せにゃならんとか?」

「会社入ったばかりで何言ってんの
大人はそうやって給料もらって生きていくのよ
まったく、救いようの無い人ねえ」

そして、その時、僕は決心した

もし、本当に自分が救いようの無い人間なのだとしたら

自分を救うための旅に出よう