河童アオミドロの断捨離世界図鑑

ザスドラス博士の弟子の河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

クリスマス・キャロル特集 第1夜 マーレイの精霊

2011年12月22日 | 東南アジア
ズンチャカ、ズンチャ、ズンチャカ、ズンチャ
レイドバックしたレゲエのBGMとともに
戸口にはボブ・マーレイの精霊が立っていた

「よう八田さん、あんた、いつまでアンドロイドのつもりだい
金も使わず、クリスマスもインスタントラーメンかい
人生は楽しむためにあるんだぜい
もっと笑って、怒って、泣いて
生きててよかったって思うのが人間だろう
重い鎖をぶった切って、俺のように生きてみろよ
ジャマイカの空は青いぞ」

「だ、誰なんだおまえは、有名なレゲエのおっさんの名前は
ボブ・マーリーじゃないのか」

「八田さんよう、明日から毎日あんたのところに一人ずつ精霊がやってくる
過去の精霊、現在の精霊、未来の精霊だ
そして、じっくり考えるといい
アンドロイドを続けるのか、人間に戻るのか、まだチャンスはあるぜ
決めるのはあんた自身だからな」

ズンチャカ、ズンチャ、ズンチャカ、ズンチャ
粉雪の降り始めたチェルシースクエアの夜空に
ボブ・マーレイの姿が薄れていった

「痛い事を言うやつだ、まるでヒイラギの棘のようだな
さて、チキンラーメンでも食って寝るとするか」

玄関に落ちたリースを足で踏みつけながら
八田二郎は冷たい万年床へと戻っていった

妄想と現実の間に

2011年12月22日 | 東南アジア
強烈な妄想は現実と区別が付かない
地震のような現実はSF映画の特撮のようだ
大げさに泣けば泣くほど演技のように見える
アンドロイドの動きのほうが人間らしかったり
妄想と現実の間にはほとんど境界が無いので
知らない間に行ったり来たりしている