新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

「苦労知らず」の「悲しさ知らず」

2009年07月28日 12時44分49秒 | コラム・エッセー

 衆院が解散された。

 8月18日公示、8月30日選挙で動き始めた。

 民主党は7月27日にマニフエスト(選挙公約)を発表、自民党も近々発表するとのこと。

 各党はそれぞれ支持を訴えるために、講演会や街頭演説を行っている。

 横浜で行われた日本青年会議所での講演会。麻生首相の次のような発言が、物議をかもしている。

「どう考えても、日本は高齢者いわゆる65歳以上の人たちが元気だ。全人口の約20%が65歳以上の人で、元気に働ける。いわゆる介護を必要としない人たちは、実に8割を超えている。8割は元気なんだ。

 その元気な高齢者をいかに使うか。この人たちは皆さんと違って、働くことしか才能がない。働くということに絶対の能力がある。80歳を過ぎて遊びを覚えてももう遅い。

 だから、働ける才能をもっと使って、その人たちが働けるようになれば納税者になる

 この発言、少しおかしくないか。

 65歳以上の人は働くしか能がない。80歳を過ぎれば遊びを覚えても遅い。それより、働かせて税金を納めさせたほうがいい。

 遊び人の麻生太郎は、そんなことを言っているのだ。

 これでは高齢者に失礼ではないか。いくら青年会議所の講演とは言え、働き蜂的に働いてきた高齢者を侮辱している。

 高齢になっても、働ける人が働くのはいい。場所があれば、こんなありがたいことはない。

 しかし、「いまさら遊びを覚えられないし、働くしか能がないのだから、働かせて税金を納めさせればいい」という視点では、高齢者に失礼過ぎる。ジョークにしてもデリカシーに欠ける。

 言葉遊びをするにしても、知性やユーモアが感じられない。

 やはり、人間性が出てしまうのだ。

 ましてや、「敬老の心」は皆無だ。

 相手を敬わぬ人は、相手にも尊敬されない。

 これは高齢者に対する考え方に留まらない。彼の「人間観」が出ているように思う。

「苦労知らず」の「悲しさ知らず」。

 このような宰相を、二度と戴きたくないものだ。

 このような手前勝手が、幕切れの「解散劇」に現れたように思う。

 別館として、写真俳句ブログの「いのちの囁き」を開いております。

 ご覧いただけると嬉しいです。

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コメント (6)
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