参院選の結果が予測され、その後の政局についても話題が進んでいる。
前回の「郵政民営化」選挙とは大違いで、マスコミには自民敗退論が多い。
今度の選挙には、争点らしい争点がなかった。「年金」が争点だと言うムキもあるが、今回の問題は社保庁の不始末が原因であり、対応策はすでに講じられつつあるので、もはや争点ではない。
「政治とカネ」については、野党が騒ぎ立てるには格好のモノだが、選挙で決着をつける話ではあるまい。もともと「目くそ鼻くそ」で、与党も野党も五十歩百歩ではないか。
マスコミが思っているほど選挙民は愚かではない。民主党の政策にどれほどの実現性があるだろうかと疑っている。民主党が政権を獲っても、実生活の面では、大きくは変わらない。イデオロギーで動く人はいざ知らず、普通の生活者の感覚としては、どちらの陣営がやっても同じようなモノだと思っている。
憲法改正問題は、現段階では、投票行動の判断材料にはならない。日本をどこかの国の属国でいいと願っている人以外、「国防の面で非武装がいい」とは思っていない。しかも、喫緊事項と認識していない。「憲法九条の改正は、徴兵制につながります」と叫んでいる人たちは、国の独立についてどのような見解を持っているのだろうかと感じている人も多い。。
しかし、政府・与党のテイタラクに対しは、選挙民もウンザリしている。政府・与党に緊張感も機敏さも感じられない。弛緩している。
依然として「政治とカネ」で足を取られたり、バカな発言を繰り返している。緊張感がないからだ。
安倍首相の緊張感、敏感さ、機敏さを疑いたくなるし、ヒョットしたらガバナビリテイの欠如かもしれないとも思ったりする。「今後の政権運営に、安倍さんではチョット頼りない」と、国民は感じ始めた。「若いからいい」と言っていた人が、「経験不足なので頼りない」に変わってきた。そこのところが、投票行動にどのように影響するだろうか。
外交面では、問題が山積だ。アメリカパワーが凋落の気配を見せ始め、反面、中国が覇権主義の仮面を脱ぎだした。日米安全保障条約にあぐらをかいていた日本も、安閑としてはいられない。
アメリカはアジア経営のパートナーを、日本から中国に変えそうだ。アメリカから見て、日本には外交戦略も戦術もなく、気概も乏しい。イラクやイランで手一杯なアメリカにとって、日本は頼りなさすぎる。アメリカがそう思い始めてもおかしくない。
北朝鮮問題にしても、アメリカと中国と韓国が、トットットッと先へ進んでいる。日本も足並みを揃えて援助すべきと言いたいわけではない。拉致が解決しないのに援助したら、世界の笑いものになるし、信頼も失われる。援助しない日本はそれで結構だが、アメリカや韓国に勝手にやられすぎではなかろうか。
歴史認識についても、確固たる信念に基づく行動がない。「従軍慰安婦」問題も「靖国」問題も、中国、韓国、アメリカにやられっぱなし。言いたいことも言わずに、じっと耐えてニコニコしている。
このような重大な折り、選挙結果だけを見て、「安倍晋三では選挙に勝てない」なんぞと言って、政権のたらい回しは困るのだ。しっかりとした国家間と歴史認識を持ったリーダーの出現を望みたい。放言大臣やチャイナスクールの優等生では、先が思いやられる。安倍首相の自戒を求め、今後の一層の精進を期待したい。
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