チュニジアが何処にあってどんな国か全く知りませんでしたが、民衆のデモによって長期独裁政権が崩壊したことが報じられて始めて中東の地中海に面した小国であることを知りました。
その動きは東隣のリビアとその東隣のエジプトにも波及し、共に長期政権を誇ったムバラク政権を倒し、カダフィー政権も崩壊寸前に追い込んでいます。
何故こうも簡単にデモで政権交代にまで至り、しかもその動きが瞬く間に周辺各国にまで広がるのでしょうか?
理由はいろいろあるでしょうが根本的には、長いこと封じ込められていた国民の不満があることをキッカケにアッという間に燎原の火のように広がったといっていいでしょう。
独裁者は最初は救国救民の意気に燃えて登場し、旧来の悪弊を打破する英雄として歓迎されますが、政権が長期に及ぶに従って腐敗の度を増し、一族や一部の者の権限と贅沢の維持拡大の為に政権維持そのものが主目的となって一般大衆を圧迫するようになります。
一族とか一党による支配が長くなると必ずこの現象は起こり、時の権力と大衆の不満のマグマの鬩ぎ合いになりますが、そこに伝達という大きな要素が加わってきます。
だから双方共先ず第一に新聞やテレビ等の報道機関を押さえることに全力を尽くすことになります。
ところが今回は民衆の間にインターネットが普及していたという時代背景があって、これまででは考えられなかった早さで事態が展開しました。
私も奨められてtwitterとfacebookに登録だけはしましたが、十分に使いきることも出来ないし、またそれを積極的に利用する気も起こらないので、数人との間で時たまの交流があるだけです。
中東の紛争を石油が上がって株価が下がるのは困るなぁといった程度で高みの見物で居られるのは有り難いといえば有り難いことです。