散歩日記XX

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またも静岡(2)島田

2024-09-08 15:30:59 | 美術・アート
島田駅に到着。駅のエスカレータを昇ると「地球上でもっとも緑茶を愛する街、島田。」とすごいキャッチコピーが書いてある。随分振り切れているが、宇治や狭山の立場は考えているのだろうか(もっとも、2022年の茶の生産量は静岡が一位らしい)。



駅前の彫刻などをちょっと見てから(あちこちのアートと街並み写真は別途まとめて記事にする予定)、タクシーで島田市博物館へ。昔の私なら歩いていったかもしれないが、距離が約2kmあるのと、久々の暑さで生命の危険を感じたからである。



■島田市博物館「蘭字・茶箱絵~島田の茶業の歩み~」。やはり地元密着型のこういう展覧会はとても嬉しい。



「蘭字・茶箱絵」というのは輸出用の茶箱のラベルのことで、特に「蘭字」というのは外国語を用いてアピールしたもので、出荷先の言語に応じて、英語、アラビア語、フランス語などのラベルがあるのだ。

初期のものは普通の浮世絵に見えるものだったり、なんとなくオリエンタルな図柄(植物とか)を配したものだったりするが、段々「商業デザイン」「商品説明」と言えるようなものに変化していくのである。例えば、お茶の品質ランクは重要なアピール事項であり、

・EXTRA CHOICEST 最上級
・CHOISEST 上の上
・FINEST 上の中
 :
・COMMON 並

という具合に区分されて記載されているのだ(これがどこまで正確なのかはさておき)。

■島田市博物館「常設展」。
大井川の近くであり、かつ東海道の宿場でもあり、川を渡る「連台」のラインナップが紹介されている。



この値段だと、現代でいえば、タクシーで駅間をショートカットするくらいの金額イメージなのだろうか(殿様はロールスロイスチャーターくらいで)。我々庶民はこんなものに乗せられるのだが、実物大模型を見るとつかまっているのがやっとくらいの感じだ。



後は松尾芭蕉が投宿したり、地元の文化人との交流があったそうで、そういえば博物館前にも句碑があったようだ。



暑い中、数百メートルあるいて、分館へ。



■島田市博物館分館「青木晴美木版画展 色と形の向こう」。見た感じかなり古い建物の奥に「海野光弘版画記念館」という立派な建物があり、そこで企画展が開催されていた。



作品は手漉き和紙に赤と青、緑とグレー、黄色とグレー、青とグレーのような主に2色をフィーチャーした抽象版画である。イメージはジャズや現代音楽から来たものであったり、モチーフは静物(植物、サンゴ、化石など)に触発されているとのことであった。

珍しく私は作者の方と会話しているのだが、さっきまで作家と会話していた男性(静岡出身)が札幌で個展をやったという話になり「あの、市場の近くの、名前を何といったか…、そう、十年二十年というところのこけら落としで」というので、「ああ、それ私、見に行きましたよ。黒中心のスマートな版画でしたよね(青木鐵夫 木版画展)」ということで、偶然の出会いに驚くこととなった。

普段滅多に作家の方と会話をすることがない私であるが、こういうことは話をしてみないと起きないよなあ(少し反省)。なお、この建物「海野光弘版画記念館」の海野光弘の版画は古民家の中に数点展示されていたが、撮影不可であった。

その他、この地域由来の昔の道具展示などをささっと見る。



古びてはいるけれども、建物としては結構モダンな島田市博物館分館であった(入口側は木造の古民家である)。



帰りはタクシーを呼んでもらうのを忘れて「とりあえず国道まで出るか」と思ったら、タクシーは来ないわ、コミュニティバスは日祝の本数が少ないわで、ハマってしまった。灼熱の道路を2km歩いて島田駅に戻る。

すぐに来た電車で静岡へ。電車はクーラーが効いていて助かった。ホテルにチェックインしてから、さっそく飲みに行こう。昼飯はおにぎり一個だったからね。ホテルは静岡駅南口から徒歩約2分。本当は北口の方が繁華街に近いのだが、部屋の広さと値段の関係などでこうなってしまった。

幸い圧迫感がないくらいの広さはあって、そこは良かったかな。




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