今週は、この3冊。
戦場のコックたち/森は知っている/スキン・コレクター
■『戦場のコックたち/深緑野分』 2016.2.6
『戦場のコックたち』を読みました。
『このミステリーがすごい!』 2016年版/国内編/第2位
「ミステリが読みたい!」 2016年版/国内篇/第2位
『週刊文春』ミステリーベスト10 2015年/国内部門/第3位
2016年本屋大賞候補
おもしろさは、折り紙付きだが、若者がばたばたと戦場で死んでいくのは、読んでいて大変切なかった。
いつかまた大きな争いが起こるだろう。
そして焼け野原になった後、「何のために戦ったのか」と自問自答するのだろう。
戦いの日々のなかにも。
グランドの方角から、仲間たちの歓声が聞こえてくる。こうしているとまるで、故郷の友達と遊んでいるような錯覚に陥る。僕らは仲間だが、友達かどうか、わからない。生死を共にする仲間と、遊んだ後はさようならをして、また次の日に会う友達は違う。
深緑野分さんは、2015年8月、初長編『戦場のコックたち』を刊行。
発売直後から大きな話題を呼んでいる。 ........... 本の話 WEB
『 戦場のコックたち/深緑野分/東京創元社 』
■『森は知っている/吉田修一』 2016.2.6
『森は知っている』は、これまで読んだ、吉田修一さんの作品とは雰囲気が違った。
彼は、この作品で、幼い頃に虐待を受け、その精神的な後遺症に悩んでいる若者たちに向かって、次のことが言いたくて、この作品を書きたかったのかも知れないと思った。
「生きるのが苦しいんなら、いつ死んだっていい! でも考えてくれ! 今日死のうが、明日死のうがそう変わりはないだろう! だったら、一日だけでいい.......、ただ一日だけ生きてみろ! そしてその日を生きられたなら、また一日だけ試してみるんだ。お前が恐くて仕方ないものからは、お前は一生逃げられない。でも、一日だけなら、たった一日だけなら、お前だって耐えられる。お前はこれまでだって、それに耐えてきたんだ。一日だ。たったの一日でいいから生きてみろ! 俺は守る。! お前のことは俺が絶対守る!」
風間のような男が身近にいたら、人生が豊になるだろう。
『 森は知っている/吉田修一/幻冬舎 』
■『スキン・コレクター/ジェフリー・ディーヴァー』 2016.2.6
3冊目は、『スキン・コレクター』です。
ジェフリー・ディーヴァーのトレードマークである終盤のどんでん返しの連続は今回も冴えに冴え、残りページが少なくなってもまだ油断禁物なのはいつもどおり。(訳者あとがき)
お楽しみ下さい。
何百年ものあいだ、毒物はもっとも人気のある殺人の手段だったが、一八〇〇年代のなかば、ジェームズ・マーシュというイギリス人化学者が死後組織からヒ素を検出する分析方法を考案した時期を境に急速に廃れた。その後、ヒ素以外の毒物の検出方法も次々と考案された。心臓発作や脳梗塞、そのほかの疾患が死因とされるだろうと信じて妻や被相続人を殺害した犯人は、創生期の科学捜査が法廷に提出した証拠によって監獄や絞首台に送られた。
『 スキン・コレクター/ジェフリー・ディーヴァー/池田真紀子訳/文藝春秋 』
戦場のコックたち/森は知っている/スキン・コレクター
■『戦場のコックたち/深緑野分』 2016.2.6
『戦場のコックたち』を読みました。
『このミステリーがすごい!』 2016年版/国内編/第2位
「ミステリが読みたい!」 2016年版/国内篇/第2位
『週刊文春』ミステリーベスト10 2015年/国内部門/第3位
2016年本屋大賞候補
おもしろさは、折り紙付きだが、若者がばたばたと戦場で死んでいくのは、読んでいて大変切なかった。
いつかまた大きな争いが起こるだろう。
そして焼け野原になった後、「何のために戦ったのか」と自問自答するのだろう。
戦いの日々のなかにも。
グランドの方角から、仲間たちの歓声が聞こえてくる。こうしているとまるで、故郷の友達と遊んでいるような錯覚に陥る。僕らは仲間だが、友達かどうか、わからない。生死を共にする仲間と、遊んだ後はさようならをして、また次の日に会う友達は違う。
深緑野分さんは、2015年8月、初長編『戦場のコックたち』を刊行。
発売直後から大きな話題を呼んでいる。 ........... 本の話 WEB
『 戦場のコックたち/深緑野分/東京創元社 』
■『森は知っている/吉田修一』 2016.2.6
『森は知っている』は、これまで読んだ、吉田修一さんの作品とは雰囲気が違った。
彼は、この作品で、幼い頃に虐待を受け、その精神的な後遺症に悩んでいる若者たちに向かって、次のことが言いたくて、この作品を書きたかったのかも知れないと思った。
「生きるのが苦しいんなら、いつ死んだっていい! でも考えてくれ! 今日死のうが、明日死のうがそう変わりはないだろう! だったら、一日だけでいい.......、ただ一日だけ生きてみろ! そしてその日を生きられたなら、また一日だけ試してみるんだ。お前が恐くて仕方ないものからは、お前は一生逃げられない。でも、一日だけなら、たった一日だけなら、お前だって耐えられる。お前はこれまでだって、それに耐えてきたんだ。一日だ。たったの一日でいいから生きてみろ! 俺は守る。! お前のことは俺が絶対守る!」
風間のような男が身近にいたら、人生が豊になるだろう。
『 森は知っている/吉田修一/幻冬舎 』
■『スキン・コレクター/ジェフリー・ディーヴァー』 2016.2.6
3冊目は、『スキン・コレクター』です。
ジェフリー・ディーヴァーのトレードマークである終盤のどんでん返しの連続は今回も冴えに冴え、残りページが少なくなってもまだ油断禁物なのはいつもどおり。(訳者あとがき)
お楽しみ下さい。
何百年ものあいだ、毒物はもっとも人気のある殺人の手段だったが、一八〇〇年代のなかば、ジェームズ・マーシュというイギリス人化学者が死後組織からヒ素を検出する分析方法を考案した時期を境に急速に廃れた。その後、ヒ素以外の毒物の検出方法も次々と考案された。心臓発作や脳梗塞、そのほかの疾患が死因とされるだろうと信じて妻や被相続人を殺害した犯人は、創生期の科学捜査が法廷に提出した証拠によって監獄や絞首台に送られた。
『 スキン・コレクター/ジェフリー・ディーヴァー/池田真紀子訳/文藝春秋 』