今週は、この3冊。
マジシャンは騙りを破る/アトランティスへの旅/ミニチュアの妻/
■『マジシャンは騙りを破る/ジョン・ガスパード』 2016.3.19
「訳者あとがき」で、訳者の法村さんは、ジョン・ガスパードの『マジシャンは騙りを破る』について、「笑いはあっても、それだけでは終わらない洒落たミステリ。」と述べているが、ぼくもたいへん洒落たミステリだと感じました。
次のような魅力的な文章が、随所にみられます。
信じる者には説明は不要だ。そして、信じない者にはいくら説明しても足りない
ライトなミステリとは
『 マジシャンは騙りを破る/ジョン・ガスパード/法村里絵訳/創元推理文庫 』
■『アトランティスへの旅 失われた大陸を求めて/マーク・アダムス』 2016.3.19
「伝説」という言葉についてマリナトスが説明している。
それは「歴史的な要素と空想的な要素がミックスした何かで、何よりも、栄光に満ちてはいるが怪しげな伝承となった何かだ」。
「あなたがなさっていることに私が引かれるのは、あらゆる人々がアトランティスに引かれるのと同じです。なぜ人々は計り知れないエネルギーを、アトランティスに向けているのか?アトランティスが歴史上、存在したか否かを判明させようと躍起になって。彼らはいったい何をしようとしているのでしょう?自分たちはただ時間を浪費しているだけに過ぎない、と非常に多くの人々が考えている。むろん人々はそれを理性的に知らなくてはならない。それなのに、彼らを追い立てて、アトランティスの場所を探索させるものは、はたして何なのでしょう?」
あるいは、彼らとはいったい何者なのか?
アトランティスは、古代ギリシャの哲学者プラトンが晩年に書いた対話篇、『ティマイオス』と『クリティアス』のなかで言及した大きな島です。
美しく豊かに栄えた王国であったが、今から1万2000年ほど前、激しい地震と大洪水に突如見舞われ一夜にして海に没したと述べられています。
となれば、その真偽の程を確かめたいと生涯をかけて追い求める人々が出てくるのもうなずけます。
空と海と地中にその実存の証を追い求めたり、神話を研究したりする熱心な人々が世界中にたくさんいます。
様々に唱えられた説のなかで、有力と思えるものを著者アダムスは訪ね話を聞きます。
また、本人自らアトランティスの候補地も見て回ります。
そんなお話です。
書評.........愛の影に取り憑かれた人々/三浦しをん
『 アトランティスへの旅 失われた大陸を求めて/マーク・アダムス/森夏樹訳/青土社 』
■『ミニチュアの妻/マヌエル・ゴンザレス』 2016.3.19
ぼくには、『ミニチュアの妻』はよく理解できなかった。
裏表紙には、「ミニチュアの妻」「僕のすべて」「キャプラⅡ号星での生活」が推薦されていたが、これらの作品はそれなりに面白かった。
この3編の他には、「セバリ族の失踪」がよかった。
その難しさとは?........こんな感じです。
小柄で魅力的な女性で、穏やかな声と、ニューイングランドの秋から冬にかけての曇りがちな数か月にはしばしば灰色に見える青い目の持ち主である。
「中心はみずからを保てないだろう、とわれわれは言われました。」と彼が切り出すと、その声以外の物音は存在しないように思えた。「これを失えば、中心はみずからを保てず、我々は生き延びられないだろうと。ですが、ご覧のとおり」。彼は微笑んだ。「我々はここにいる」
ブックカバー装幀の印象からは、もう少し分かりやすく優しい内容かと思ったのですが、ぼくには難しい短編の数々でした。
残酷な物語でもあります。
『 ミニチュアの妻/マヌエル・ゴンザレス/藤井光訳/白水社 』
マジシャンは騙りを破る/アトランティスへの旅/ミニチュアの妻/
■『マジシャンは騙りを破る/ジョン・ガスパード』 2016.3.19
「訳者あとがき」で、訳者の法村さんは、ジョン・ガスパードの『マジシャンは騙りを破る』について、「笑いはあっても、それだけでは終わらない洒落たミステリ。」と述べているが、ぼくもたいへん洒落たミステリだと感じました。
次のような魅力的な文章が、随所にみられます。
信じる者には説明は不要だ。そして、信じない者にはいくら説明しても足りない
ライトなミステリとは
『 マジシャンは騙りを破る/ジョン・ガスパード/法村里絵訳/創元推理文庫 』
■『アトランティスへの旅 失われた大陸を求めて/マーク・アダムス』 2016.3.19
「伝説」という言葉についてマリナトスが説明している。
それは「歴史的な要素と空想的な要素がミックスした何かで、何よりも、栄光に満ちてはいるが怪しげな伝承となった何かだ」。
「あなたがなさっていることに私が引かれるのは、あらゆる人々がアトランティスに引かれるのと同じです。なぜ人々は計り知れないエネルギーを、アトランティスに向けているのか?アトランティスが歴史上、存在したか否かを判明させようと躍起になって。彼らはいったい何をしようとしているのでしょう?自分たちはただ時間を浪費しているだけに過ぎない、と非常に多くの人々が考えている。むろん人々はそれを理性的に知らなくてはならない。それなのに、彼らを追い立てて、アトランティスの場所を探索させるものは、はたして何なのでしょう?」
あるいは、彼らとはいったい何者なのか?
アトランティスは、古代ギリシャの哲学者プラトンが晩年に書いた対話篇、『ティマイオス』と『クリティアス』のなかで言及した大きな島です。
美しく豊かに栄えた王国であったが、今から1万2000年ほど前、激しい地震と大洪水に突如見舞われ一夜にして海に没したと述べられています。
となれば、その真偽の程を確かめたいと生涯をかけて追い求める人々が出てくるのもうなずけます。
空と海と地中にその実存の証を追い求めたり、神話を研究したりする熱心な人々が世界中にたくさんいます。
様々に唱えられた説のなかで、有力と思えるものを著者アダムスは訪ね話を聞きます。
また、本人自らアトランティスの候補地も見て回ります。
そんなお話です。
書評.........愛の影に取り憑かれた人々/三浦しをん
『 アトランティスへの旅 失われた大陸を求めて/マーク・アダムス/森夏樹訳/青土社 』
■『ミニチュアの妻/マヌエル・ゴンザレス』 2016.3.19
ぼくには、『ミニチュアの妻』はよく理解できなかった。
裏表紙には、「ミニチュアの妻」「僕のすべて」「キャプラⅡ号星での生活」が推薦されていたが、これらの作品はそれなりに面白かった。
この3編の他には、「セバリ族の失踪」がよかった。
その難しさとは?........こんな感じです。
小柄で魅力的な女性で、穏やかな声と、ニューイングランドの秋から冬にかけての曇りがちな数か月にはしばしば灰色に見える青い目の持ち主である。
「中心はみずからを保てないだろう、とわれわれは言われました。」と彼が切り出すと、その声以外の物音は存在しないように思えた。「これを失えば、中心はみずからを保てず、我々は生き延びられないだろうと。ですが、ご覧のとおり」。彼は微笑んだ。「我々はここにいる」
ブックカバー装幀の印象からは、もう少し分かりやすく優しい内容かと思ったのですが、ぼくには難しい短編の数々でした。
残酷な物語でもあります。
『 ミニチュアの妻/マヌエル・ゴンザレス/藤井光訳/白水社 』
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