こんな考え方もあるのですね。今から8年前、2015年の朝日新聞夕刊から。
「すべてがネットにつながる未来 人づきあい、いらなくなる?」 脳科学者・中野信子さん(談)
「私はウェアラブルがあれば、人間は社会性を持たなくても生きていけるようになるかもしれないと思っています。
個体として人間は、生き延びるために群れを作って社会性を持たざるを得ませんでした。
人間がジャングルの中で一人になると、すぐにトラやライオンの餌食になってしまうでしょう。
生存のために集団で狩りをするしかなかったわけです。
でもその社会性も、大都市では必要ありません。
引っ越しは業者に頼めるし、セキュリティーのしっかりしたマンションに住めば防犯面も安心です。
一人でやっていけるインフラが整っているので、ご近所づきあいのような社会性の必要はないわけです。
大都市は無縁社会って言われるけど、当然のことなんです。
そしてウェアラブルやロボット、人工知能が普及すれば、そんな都市生活のインフラの一部も代替してくれるでしょう。
そうなれば、都市である必要すらない。私のように社会性がなくて努力してがんばっているみたいな人にとっては良い話です。
人としゃべらなくてもいいし、言語化しなくてもコミュニケーションが取れます。
もちろん、すべての人間の社会性が必要でなくなるというわけではないとは思いますが。」
今では、中野さんもテレビ番組のコメンテーターをやり、社会性を身に付けたようです。
テレビで見せる笑顔からは、社会性が乏しい方には見えませんが、根本的には人と関わりたくない方なのかもしれませんね。
そもそも社会性とは?ウィキペディアによると、
社会性(しゃかいせい、英:socialityまたは英:sociability、仏:sociabilité)とは集団をつくって生活しようとする人間の持つ基本的な傾向。本能的なものと考える説がある。
もっと詳しく見たい方はここ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E6%80%A7
D大学の講師の時、理系の学生に社会性を身に着けてもらうためのグループワーク等の教育をしていました。
より仕事をしやすくするために(私みたいにならないために)、仕事の幅を広げるために社会性は必要と考えています。
私自身も社会性の乏しいエンジニアでしたが、社会性が身に付くに伴い、生きやすくなりました。
それでも、積極的に多くの人と関わりたい訳ではなく、幾人かの友人たちとたまに話ができればよいと思っています。
読者のほとんどの方は営業の方なので社会性が乏しい方は少ないのではと思いますが、いかがですか。
一方、外資系金融機関H社の総務部での経験。
言葉を交わすのは、「おはようございます」「お先です」の朝夕の挨拶のみ。それ以外の会話は、基本的にチャットとメール。隣の席の人とも。
自然に耳に入ってくる情報というものはない。静かな職場。電話はほとんどならない。
この職場へのリクエストは、システムで入力することになっている。そして納期(回答期限)はシステムで管理されている。
仕事はできているし、挨拶もできている職場。でも、「音のない会話」のみ。中野さんの言ってた世界があった!!
このような職場を心地よいと思っている人が営業に向いているかいないかではなく、こういう人に対して営業をするには・・・という課題が生まれる。
AIに任せてメールやSNSを駆使して営業してもらうことになるかもしれません。恐らくそれが一番効率的。営業の仕事がなくなるね。
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<営業に疲れたら武蔵野散歩。ダ・ヴィンチに記事が出た(『武蔵野』リイド社、斎藤潤一郎著)>