空想のねじ

好奇心のおもむくままに、チャレンジしたこと、行動したこと、感じたこと、思ったことを綴っていこうと思います。

記憶に残る本『エルマーの冒険』(第3回)

2021-08-14 21:00:00 | 絵本と児童文学
私の記憶に残る本のシリーズ第3回は、『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』の3部作。このお話は、のちに人形劇やアニメ化もされています。有名なお話なので、知っている人は多いと思います。

著者のルース・スタイルス・ガネットは、アメリカの作家で、挿絵は義理の母親のルース・クリスマン・ガネット。この作品は、お話もさることながらイラストもいいのです。

そして翻訳は渡辺茂男さん。私の中では石井桃子さんとともに二大巨頭の翻訳家です。翻訳家はお話の世界観を損なうことなく、適切な表現ができる文章力が必要だと思っています。他言語がダメダメな私にとって翻訳の仕事は尊敬に値します。

↓あらすじは、Wikipediaより抜粋しています。

エルマーのぼうけん
かれき町に住む9歳の少年エルマーは、助けた野良猫からどうぶつ島に囚われている可哀想な竜の子供の話を聞いた。 竜は首を綱で繋がれて川を渡るのに使われているという。 エルマーは竜を助けに貨物船の荷物に紛れてみかん島に渡り、隣のどうぶつ島に入ったが、侵入者として追われる身に。 しかし、エルマーは持ってきた様々な道具とアイデアを用いて猛獣達をごまかしながら竜の元へと辿り着き、ついには綱を切って竜の背中に乗り、逃げる事に成功した。


エルマーとりゅう
編集

どうぶつ島を脱出した竜とエルマーは、みかん島からかれき町へ向かった。 嵐に遭遇して浅瀬の砂地に不時着する事になったが、幸いなことに近くにカナリヤばかりが住むカナリヤ島があった。 エルマーは、昔、家で飼っていたカナリヤのフルートと再会し、カナリヤの王、カン十一世を紹介された。 先祖のカン一世は人間に連れて来られたが、その人間達は、将来、島に戻ってきた時のためにと、木を植えたり畑を作ったり、宝箱を埋めたりして去った。宝箱については、王様だけが代々語り継いでいた。代々の王様は中身が気になり、知りたがり病に侵されていた。 王様が何を知りたがっているのか気になって、島中のカナリヤが知りたがり病になっていた。 カン十一世は決着をつけようと、エルマー達に宝箱の秘密を教え、掘り出してもらうことにした。 カン十一世から渡された鍵で開けると中から食器セットや金の時計、純銀のハーモニカ、金貨6袋等が出てきた。 カナリヤには使いようの無いものだらけだったが、カン十一世は金貨を見て溜め込めば金持ちになれると喜んだ。 エルマーと竜は金貨やハーモニカ、金の時計をお土産に受け取り、かれき町へと向かった。 竜が人間達に見つかって騒ぎにならないように注意しながら、エルマーは家の近くに下ろしてもらう。家に帰った日はエルマーの父の誕生日であり、エルマーは帰宅を喜ぶ両親を前にプレゼントとしてカナリア島で貰ったお土産を父に渡し、ハーモニカを吹くのだった。




エルマーと16ぴきのりゅう
編集

エルマーと別れた竜は、家族のいるそらいろ高原に向かった。 人間に見つからないように夜に移動し、昼間は橋の下に隠れようとしたが、体を隠せる橋が中々見つからず、大きな土管を見つけて眠った。 途中で走っている所を百姓のワゴンに見られてしまい、追われることとなったが、ワゴンの牛達が助けてくれた。 とんがり山脈を越えてごびごび砂漠に入ると、いつも人間達を阻んでいた砂嵐が無く、そらいろ高原が丸裸になっていた。 竜は、そらいろ高原の岩山の上に人間達を見つけて近寄り、その会話を盗み聞きした。 そこで竜は、人間達が15匹の竜の寝込みを襲って洞穴に追い込んだ事を知った。 入り口では人間達が大きな網を張って竜達が飛び出してくるのを待ち構えていた。 入り口と反対側の小さな穴から潜り込んだ竜は、途中でつかえて進めなくなるが、両親と姉妹6匹、兄弟7匹全てに、助けを呼んでくるまでじっと待つように伝えた。家族は竜の事をボリスと呼んだ。 エルマーに助けを求めに引き返したボリスは、また人間達に見つかりながらも、エルマーの家の近くのみどり公園まで飛んで行った所、猫に発見され、エルマーに報せが届いた。 ボリスと猫とエルマーで作戦会議をした後、エルマーは道具を買い集め、ボリスに乗ってそらいろ高原を目指した。 洞穴の小さな穴に着くと、エルマーはボリスと家族の間を往復して準備を進めた。 ボリスが聞いた人間達の会話に出てきた名前を叫びながら、エルマーは運動会用のピストルを撃ち、洞穴の内側から人間達に助けを求めた。 洞穴の外の人間達は、仲間が竜に捕まったと勘違いし、助けに応じて網を抑えていた大石を動かし、網をどけ始めた。 3発目の銃声を合図に、ボリスは笛とラッパを鳴らして外を走り回り、さらに15匹の竜も呼応して笛とラッパを吹きはじめ、こだまする大音響で人間達を驚かし、開いた網の隙間から逃げることに成功した。 ボリスがエルマーを連れ帰る途中、砂漠に砂嵐が戻って来そうな気配がした。砂嵐があればもはや人間達はそらいろ高原には留まれない。 ボリスはわかめ町記念塔の上にエルマーを下ろし、共に別れを惜しんだ。 エルマーは安全のために竜について猫以外には誰にも話さない事を約束した。 エルマーが汽車でかれき町まで帰った翌日、新聞に竜の目撃談が沢山掲載された。 竜に子供が乗っていたという話もあったため、父親はエルマーが関係してないか聞いたが、エルマーは「そんなバカな話、本気にしてるの?」と笑うばかりであった。



記憶に残る本『はらぺこあおむし』(第2回)

2021-05-27 20:20:00 | 絵本と児童文学
エリック・カールさんといえば、しかけ絵本。そして、その代表作といえば、『はらぺこあおむし』ですね。



この絵本が誕生したのは1969年で、2年前の2019年には50周年を迎えました。私がこの絵本に注目したのは、けっこう後のこと。もともと絵本よりも文字(児童文学)のほうが好きだったからなのですが、絵本について学んでいたときはクラスメイトにも人気が高い絵本作家さんでした。

◉50周年の記念サイトはこちら


✳︎エリック・カール
1929年6月25日アメリカニューヨーク州生まれ。グラフィックデザイナーとして過ごした後1967年に『くまさん くまさん なにみてるの?』で絵本作家としてデビュー。

代表作は『はらぺこあおむし』『パパ、お月さまとって!』など、多数。

文化祭の思い出

私が通っていた専門学校の文化祭で、クラスメイトと一緒に考えたのが『はらぺこあおむし』の巨大絵本でした。記憶がうろ覚えですが、1ページがおそらくA1判(594×841mm)だったと思います。

毎年、文化祭には子どもたちがたくさん来るので、楽しんでもらえる、喜んでもらえるイベントをと発案されたものでした。私はあまり手伝えなかったのですが、とてもよい仕上がりだったのを覚えています。あおむしはモールなどを使った手作り。

当日は子どもたちの受けも上々、巨大絵本の穴に手作りのあおむしが通り抜けると、キャッキャとはしゃいでとても楽しそうでした😌

エリック・カールの制作技法

エリック・カールさんはグラフィックデザイナーだったこともあり、すぐれた色彩感覚とアイデアが詰まった作品が多いのですが、その大半はコラージュといわれる技法。授業でエリック・カールさんと同じ技法をしてみたことがあります。当時はそこまで興味は惹かれなかったのですが、なぜか今、無性に塗ったり、切ったり、貼ったりしたくなりました(笑)。文章だけだと想像がしにくいと思いますので、50周年の記念サイトのHPをご紹介しておきます。

◉50周年記念サイトのHPはこちら

今日のニュースで5月23日にエリック・カールさん(91歳)が亡くなられたことを知りました。
追悼の意を込めて投稿させていただきます。
ご冥福をお祈りします。
合掌

記憶に残る本『ももいろのきりん』(第1回)

2021-05-22 10:10:00 | 絵本と児童文学
幼稚園に通っている頃に大好きだった〝読み聞かせ〟の時間。幼心に影響を受けたお話について綴ろうと思います。

★『ももいろのきりん』福音館書店
 中川李枝子/作  中川宗弥/絵


◉あらすじ==========================
世界一きれいで大きい桃色のキリン・キリカ

るるこは、お母さんから部屋いっぱいになるぐらい大きな桃色の紙をもらいました。るるこは大喜び。さっそく、のりとハサミとクレヨンで大きなキリンを作りはじめました。できあがった桃色のキリンに、るるこは、「キリカ」と名前をつけました。ところが、雨がふってきてキリカの首は、濡れてきれいな桃色がはげてしまいます。キリカの首を再び桃色にぬりなおすため、るるこはキリカに乗って「クレヨン山」にむかいました。(福音館書店のHPより)

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幼稚園の読み聞かせは、お昼の後の10〜15分程度だったと思います。毎回続きが気になって仕方がなかったのを思い出します。
お話を聞いている間中、頭の中で〝るるこ〟がキリカと冒険に出かけている映像が動き出して、わくわくしていました。続きが知りたくて、お話の時間まで待ちきれなくなって、文字を早く読めるようになりたいと思うきっかけともなりました。😊

それからピンクが大好きに(笑)。
私が児童文学に興味を持った記念すべき一冊です。20代の頃、ふとこの本を思い出して買いました。手元に置いておきたかったんですね。今は実家にあります。

中川李枝子さんは、あの『ぐりとぐら』の作者です。じつは今回調べていて初めて気がついたという(笑)。

福音館書店も好きな出版社さんです。
画像も福音館書店さんのHPより借用しました。