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マーケティング研究 他社事例 その246 「金属加工技術で大きく飛躍 1」 ~節水ノズルで販路開拓~

2018-10-23 08:40:03 | ビジネス
マーケティング研究 他社事例 その246 「金属加工技術で大きく飛躍 1」 ~節水ノズルで販路開拓~


町工場の眠れる技術を形にし、新たな販路開拓を実現した会社があります。

東大阪市のDG TAKANO です。

DG TAKANO では節水ノズルを開発・販売しています。

蛇口に取り付けるだけで、洗浄力を維持しつつ水の使用量を最大10分の1に抑えられるとの事です。

2009年の発売以来、皿洗いなどで水を大量に使用する飲食店や工場を中心に販路を拡大しました。

2018年3月期の出荷数は4万個にも上りました。

高い節水能力の秘訣は、その構造にあります。

蛇口をひねると、ノズル中央の穴から空気が吸い込まれ、周囲の穴から空気が混じった水が出て来ます。

その際、水は細かくちぎれて球状になって出て来る事で、少ない水量でも洗浄力が落ちないという訳です。

この構造は国内外で特許を取得しているほか、「精密な金属加工技術が必要で、熟練した職人しか作れない」と高野社長は胸をはります。

高野社長で3代目です。

創業以来、業務用のガスレンジの火力を調整するツマミを作っていました。

夜遅くまで懸命に働く両親をまじかで見て育ちましたが、暮らしは豊かではなく、「家業に全く魅力を感じていなかった」とも高野社長は話します。

一方で、世の中に全くないものを生み出すことには強い興味を持っていたのでした。

高校生の頃には、「起業して40歳までに一生分稼いで地球を満喫したい」という野心を抱くまでになっていたと言います。

大学で経済学を学んだ後に、IT系のベンチャー企業に就職しました。

3年間、営業を経験したのちに、かねての目標通り起業して、ネット通販を手掛けたのです。

そこで、初めて受注して扱ったのが、1つ数万円する節水関連商品でした。

町工場で育っただけあって、原価や品質の良し悪しはある程度、見る目を持っていた高野社長は、「うちの工場ならもっと良い物を安く作れるはず」と早速、水関連の市場を調べたのです。

すると、環境破壊や水の無駄遣いによる経済損失など様々な課題がある一方で、節水関連商品の開発では日本の優れた技術が十分に生かされていない現状に気づいたのです。

(続く)


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