マーケティング研究 他社事例 768 「本当にESGを経営の中心に据えていますか?4」 ~ESG活動が企業価値を引き上げる~
内藤氏は「hhc活動もDEC錠の生産も株主総会招集通知に何ページも割き説明している。hhcの理念が大事だからといって非効率な経営をしているわけではない。ROE(自己資本利益率)をしっかり確保していれば理念のことは株主も理解してくれるはず」と語ります。
「長期視点の投資であり、単なる寄付ではない。新興国の人が健康になり中間所得層が生まれれば薬の購買につながる」と柳専務執行役員も語ります。
インドの工場では従業員のモチベーションが上がり、離職率が低下して採用費を減らせたと判断していますし、工場の稼働率も上がり原価にプラスの影響が出ました。
「投資家には価値創造プロジェクトだと自信を持って説明できる」
柳氏は認知症の地域連携協定やDEC錠の供給をはじめとするESG活動が、エーザイの企業価値を引き上げていると説明します。
「曖昧できれいごとで終わりがちなESGの意義を示すことはCFOの説明責任だと思う」
株式時価総額が自己資本を上回る部分をESGの価値と見なす事ができると主張し、PBR(株価純資産倍率)にはESGの価値が反映されているというのです。
実際、エーザイのPBRは長期間にわたって高く維持されています。
日本の大手製薬会社の過去10年のPBRの推移を見ると、直近で新薬創出に成功した中外製薬と第一三共が急伸していますが、過去10年のPBRの平均値を算出すると、3倍を超えているのは中外とエーザイだけでした。
ESGに関係する個別の取り組みがPBRに及ぼす影響も数字ではじきだしました。
88の重要業績評価指標(KPI)とPBRの関係を重回帰分析すると、14で高い相関関係が認められました。
人件費を1割増やした5年後に13.8%、育児時短制度利用者を1割増やした9年後に3.3%、それぞれPBRが上昇すると言います。
ESGの活動がこうした指標に好影響を及ぼすと投資家に示せるようになって来たのです。
コロナ禍に見舞われた世界の経営者は公益や社会貢献活動を強く意識しているようです。
多くの人命を失いかねない疾病に接し、企業の役割を突き詰めて考えています。
日立製作所の東原社長は「『利他』の考え方が、会社運営で評価される時代になってほしい」と発信し始めました。
経営戦略論の第一人者、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授は近年「社会にとっていいことをすれば、企業の利益が高まることを知るべきだ」と説いています。
エーザイの活動は企業が価値を生む源泉として善行が求められる時代を先取りしていたように見えます。
しかし、内藤氏が口にする通り、ESGの取り組みが評価されるのは、ROEを重視した効率経営が実現できているからでもあります。
業績は2015年3月期に発売した抗がん剤のレンビマが好調で2017年3月期を底に拡大しています。
レンビマは2026年にも特許切れを迎える見通しで、その時に備え、アデュカヌマブを筆頭とするアルツハイマー病薬で、何としても成果を上げたいところでしょう。
貧すれば純するとならない会社の素地は出来ていますが、パテントクリフ(特許切れに伴う売上高の急減)を乗り越えなければ存立さえ脅かされかねないのが、新薬メーカーの宿命です。
アリセプトの売上高急落はレンビマなどで補う事が出来ましたが、アデュカヌマブのFDAによる審査は来年3月7日までで、人類が認知症を克服する手助けをしながら、様々な面で社会に大きく貢献するべく、内藤氏の描く理想像にエーザイは近づいて行くと思われます。
下記は彩りプロジェクトのご紹介です。
ご興味があればご一読下さい。
彩りプロジェクトでは、ビジネススキルに特化した、オンラインセミナーをサブスクリプション制(定額制)でご案内しております。
毎月定額(基本価格10,000円(税抜)※企業規模(パート社員含む社員数)で価格は変動します)をお支払いいただく事で、何人でも何回でもご参加いただけるビジネスセミナーを開催しております。(別途カレンダー参照)
内容は、多岐に渡るものの、求められている役割毎に設定した内容となっています。
基本的なコースは、R29コースで、PDCA、コミュニケーション、情報収集、イノベーション、ファシリテート、コーチング、意思を伝える、フォロワーシップ、チームワーク、マネジメント、報告・連絡・相談、ビジネスマナーの12種類(2020年11月現在)となっております。
R35コースで、PDCA、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、ファシリテート、チームビルディング、イノベーションの9種類でR29コースよりも上級編の内容となっております。
最後に、R43コースが最上位クラスで設定されており、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、イノベーションの6種類となっております。
R29コースの特徴は、まずは個人にフォーカスしています。今更聞けないといった内容を中心に構成されており、現在の課題克服の為、またはこれから身に付けなくてはならないスキルとなっています。
R35コースの特徴は、視座を高くした構成で専門的な役職要件に応じた内容で構成されております。そして指導する立場になったあなたが身に着けるべきスキル集になっています。
R43コースの特徴は、それこそ会社全体を見回せるスキルの構成となっており、幹部候補にとっても必須の内容になっております。
セミナー名の一部をご紹介します。
・パラダイムシフトが必要なあなたのマネジメント力
・影響力から見るあなたのチームワーク力
・求められているそれを知り意見を伝える力
・創再共イノベーション力
・予定調和じゃ無い方のPDCA力
・非認知的アプローチから入るコーチング力
・笑顔がもたらす効果コミュニケーション力
受講にあたっては各自の選択制(年齢が20代だから、R43は受講できないといった事ではありません)となっており、先んじて学びを深めたい、今更聞けない事だから、といった様々な動機にお答えする内容となっております。
ちなみに、R〇〇のとなりは年齢をイメージしておりますが、例えば、R43は43歳以上の人は受けられないという事はありませんし、大卒1年目の方でもR43を受講する事は可能です。
定額制で何人でも何回でも受講が可能です!!
詳しい、資料のご請求や、ご質問等は以下にメールをお待ちしております。
メール info@irodori-pro.jp
HP https://www.fuudokaikaku.com/
お問合せ https://www.fuudokaikaku.com/ホーム/お問い合わせ/
成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣
内藤氏は「hhc活動もDEC錠の生産も株主総会招集通知に何ページも割き説明している。hhcの理念が大事だからといって非効率な経営をしているわけではない。ROE(自己資本利益率)をしっかり確保していれば理念のことは株主も理解してくれるはず」と語ります。
「長期視点の投資であり、単なる寄付ではない。新興国の人が健康になり中間所得層が生まれれば薬の購買につながる」と柳専務執行役員も語ります。
インドの工場では従業員のモチベーションが上がり、離職率が低下して採用費を減らせたと判断していますし、工場の稼働率も上がり原価にプラスの影響が出ました。
「投資家には価値創造プロジェクトだと自信を持って説明できる」
柳氏は認知症の地域連携協定やDEC錠の供給をはじめとするESG活動が、エーザイの企業価値を引き上げていると説明します。
「曖昧できれいごとで終わりがちなESGの意義を示すことはCFOの説明責任だと思う」
株式時価総額が自己資本を上回る部分をESGの価値と見なす事ができると主張し、PBR(株価純資産倍率)にはESGの価値が反映されているというのです。
実際、エーザイのPBRは長期間にわたって高く維持されています。
日本の大手製薬会社の過去10年のPBRの推移を見ると、直近で新薬創出に成功した中外製薬と第一三共が急伸していますが、過去10年のPBRの平均値を算出すると、3倍を超えているのは中外とエーザイだけでした。
ESGに関係する個別の取り組みがPBRに及ぼす影響も数字ではじきだしました。
88の重要業績評価指標(KPI)とPBRの関係を重回帰分析すると、14で高い相関関係が認められました。
人件費を1割増やした5年後に13.8%、育児時短制度利用者を1割増やした9年後に3.3%、それぞれPBRが上昇すると言います。
ESGの活動がこうした指標に好影響を及ぼすと投資家に示せるようになって来たのです。
コロナ禍に見舞われた世界の経営者は公益や社会貢献活動を強く意識しているようです。
多くの人命を失いかねない疾病に接し、企業の役割を突き詰めて考えています。
日立製作所の東原社長は「『利他』の考え方が、会社運営で評価される時代になってほしい」と発信し始めました。
経営戦略論の第一人者、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授は近年「社会にとっていいことをすれば、企業の利益が高まることを知るべきだ」と説いています。
エーザイの活動は企業が価値を生む源泉として善行が求められる時代を先取りしていたように見えます。
しかし、内藤氏が口にする通り、ESGの取り組みが評価されるのは、ROEを重視した効率経営が実現できているからでもあります。
業績は2015年3月期に発売した抗がん剤のレンビマが好調で2017年3月期を底に拡大しています。
レンビマは2026年にも特許切れを迎える見通しで、その時に備え、アデュカヌマブを筆頭とするアルツハイマー病薬で、何としても成果を上げたいところでしょう。
貧すれば純するとならない会社の素地は出来ていますが、パテントクリフ(特許切れに伴う売上高の急減)を乗り越えなければ存立さえ脅かされかねないのが、新薬メーカーの宿命です。
アリセプトの売上高急落はレンビマなどで補う事が出来ましたが、アデュカヌマブのFDAによる審査は来年3月7日までで、人類が認知症を克服する手助けをしながら、様々な面で社会に大きく貢献するべく、内藤氏の描く理想像にエーザイは近づいて行くと思われます。
下記は彩りプロジェクトのご紹介です。
ご興味があればご一読下さい。
彩りプロジェクトでは、ビジネススキルに特化した、オンラインセミナーをサブスクリプション制(定額制)でご案内しております。
毎月定額(基本価格10,000円(税抜)※企業規模(パート社員含む社員数)で価格は変動します)をお支払いいただく事で、何人でも何回でもご参加いただけるビジネスセミナーを開催しております。(別途カレンダー参照)
内容は、多岐に渡るものの、求められている役割毎に設定した内容となっています。
基本的なコースは、R29コースで、PDCA、コミュニケーション、情報収集、イノベーション、ファシリテート、コーチング、意思を伝える、フォロワーシップ、チームワーク、マネジメント、報告・連絡・相談、ビジネスマナーの12種類(2020年11月現在)となっております。
R35コースで、PDCA、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、ファシリテート、チームビルディング、イノベーションの9種類でR29コースよりも上級編の内容となっております。
最後に、R43コースが最上位クラスで設定されており、リーダーシップ、傾聴力、ビジョン、コーチング、マネジメント、イノベーションの6種類となっております。
R29コースの特徴は、まずは個人にフォーカスしています。今更聞けないといった内容を中心に構成されており、現在の課題克服の為、またはこれから身に付けなくてはならないスキルとなっています。
R35コースの特徴は、視座を高くした構成で専門的な役職要件に応じた内容で構成されております。そして指導する立場になったあなたが身に着けるべきスキル集になっています。
R43コースの特徴は、それこそ会社全体を見回せるスキルの構成となっており、幹部候補にとっても必須の内容になっております。
セミナー名の一部をご紹介します。
・パラダイムシフトが必要なあなたのマネジメント力
・影響力から見るあなたのチームワーク力
・求められているそれを知り意見を伝える力
・創再共イノベーション力
・予定調和じゃ無い方のPDCA力
・非認知的アプローチから入るコーチング力
・笑顔がもたらす効果コミュニケーション力
受講にあたっては各自の選択制(年齢が20代だから、R43は受講できないといった事ではありません)となっており、先んじて学びを深めたい、今更聞けない事だから、といった様々な動機にお答えする内容となっております。
ちなみに、R〇〇のとなりは年齢をイメージしておりますが、例えば、R43は43歳以上の人は受けられないという事はありませんし、大卒1年目の方でもR43を受講する事は可能です。
定額制で何人でも何回でも受講が可能です!!
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